- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104596058
作品紹介・あらすじ
「喫茶店」で巻き起こる数々の奇跡、退職を決意したあの日のこと、「青春」の部屋の直筆間取り図、デビュー前のふたりの恩人、偏愛する本や映画に音楽、「干支」に怯える日々、恐るべき料理、封印された「小説」のアイディア-20世紀「最後」の「新人作家」が歩んできた10年。
感想・レビュー・書評
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デビューされて10年の年に、それまで書かれたエッセイを一つの本にまとめたもの。特に笑う部分もなく、ごく普通のエッセイだった。伊坂さんという人は真面目なんだろうなぁという印象。
全体を通していくつか本を紹介されているが、どれも私には縁遠いものばかりだったので、これを機にいくつか読んでみたいなと思った。特に10年の間に三度も話題にされている、大江健三郎の『叫び声』は読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊坂さんのエッセイは初めて。
若手作家のイメージがあった伊坂さんももう37歳(2010年当時)。デビューから10年、振り返りのエッセイ。
あの作品はこうやって生まれたのか、とか皆大好き黒澤さんの名前の由来とか、「ごきげんよう、おひさしぶり」のエピソードとか。懐かしいのに新鮮で。
仙台のほっこり感がまた。
「魔王」が政治的メッセージ関係ないってのは意外だったなぁ。
好きな作家さんがどんな本を読んできたか、何を考えて創作しているかって興味深いよね。
小説は漫画に近いジャンルと捉えられているけど、むしろ音楽に近いんじゃないかって意見には納得。視覚でなく想像力で楽しむものだものなぁ。
私はよく母に(半ば無理やり)良かった本を貸して感想を訊くのですが、よくするのが映画化・ドラマ化するならあのキャラクターは誰が演じるのがいいか、白熱のキャスティング合戦。
漫画でもできなくはないけれどある程度ビジュアルの先入観が入っているのでやっぱり小説の方が盛り上がります。
デビュー前、作家になるのを断念しかけた伊坂さんを励ましてくれた方!ありがとう。貴方がいたから伊坂さんの作品をたくさん読めます。
最後に10年間の作品一覧が載っていたので未読作品チェックもスムーズ。伊坂ファンは一読あれ。-
黒澤さんの名前の由来?!私、気になります!
そして、hetarebooksさんとお母様の白熱のキャスティング合戦を
柱の陰からこっそり観戦...黒澤さんの名前の由来?!私、気になります!
そして、hetarebooksさんとお母様の白熱のキャスティング合戦を
柱の陰からこっそり観戦したくてたまりません(笑)2012/10/02 -
まろんさん❤
黒澤のこと、伊坂さんも気に入っているみたいです♪彼の名前は某監督からとったらしく…
母とのキャスティング合戦、まろ...まろんさん❤
黒澤のこと、伊坂さんも気に入っているみたいです♪彼の名前は某監督からとったらしく…
母とのキャスティング合戦、まろんさんもぜひ飛び入り参加してください!陰からと言わず(笑)まろんさんがどんなキャスティングをされるのか…私、気になります!2012/10/04
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2012/4/29 伊坂ファンなら是非読んでおきたい一冊。読みやすく作者のユーモアが散りばめられている。★4
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恥ずかしながら伊坂さんの本はあまり読んだことがないにもかかわらず最初にエッセイを読んでしまったのですが、伊坂さんご自身があまりにも素敵でしっかり作品を読む前からファンになってしまいました。
本人はものすごく腰が低く謙遜しまくりですけど伊坂さんの文体や言葉のチョイス、語り口などものすごく素敵でものすごく好みです。これから伊坂さんの作品は一つ残らずじっくり読んでいきます。
この本を読めばわかりますが、本当に素敵なひとなんだなあと。 -
時間の魔術師、伊坂幸太郎の10年分エッセイ。やっと読めました。彼の素顔を碌々知らないが、著書に浮かぶ人物どおりでほっとした。軽快なテンポで気取らず愉快に淡々と書かれています。全編楽しく読めるけど、時々笑ってしまう話があるから気を抜けない。心に残ったのは、「ドッグフード、キャットフード、きゅうり」。あと手書きの間取り図!こういう筆跡かー!となぜか感動してしまった。
ごきげんよう、おひさしぶり。 -
デビュー10年とのことで書いたエッセイ。
いい意味で、期待を裏切らない人柄が伝わってきました。
エッセイの中にもあった、伊坂幸太郎が会社員を辞めて小説家になると決意するきっかけとなった斉藤和義の「幸福な朝食 退屈な夕食」。
僕も改めて聴いてみましたが、「すげえ!」とか「かっこいい、生で観たい!」とかしか思い浮かばない自分の感性の貧しさにがっかりです(笑)
誠に残念ながら、このまま会社員を続けていくことになりそうです。 -
作家になって10年目のエッセイ集。
読みたい本が増えました。 -
サービス精神旺盛な、それでいて職人肌の作家なんだなと改めて思った。
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読ませるエッセイ。伊坂さんをもっと好きになる、好きになれる。
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「仙台ぐらし」が良かったので、それ以外の唯一のエッセイ集を読んでみた。
題名の由来は、エッセイが苦手な著者がデビュー十周年を記念して365×10、閏年が2回あるので+2として「3652」としたらしい。確かにノリノリでエッセイを書いている気配はないのだが、それでも顧客サービスは忘れない姿勢が、私は好きである。
お気に入りは
●「アメリカンコーヒーゲーム」(2002年)。客が意思統一した様にアメリカンコーヒーを次々と注文する。もちろん著者もそれを「やり遂げる」。処が、後ろの女性がホットココアを頼んだ。
失敗した選手の顔をしげしげと眺めないくらいの礼儀は僕にもあった。自分のカップを受け取りながら、小さく舌打ちをしただけだった。僕は涼しい顔をしたまま、しかし内心では「ミスしやがって」と呟き、店内を進んだ。「気にすることはない、次回、頑張ればいいんですよ」と心の中で相手を励ます余裕もあった。(26p)
更には、単行本化のときに「注」を施し「このエッセイはとても気にいっているんです。まあ、実際に、舌打ちはしなかったと思いますけど(笑)。」という自分ツッコミをするサービスまでしている。
●「父も犬好き」(2006年)というエッセイでは、一度も犬を飼ったことがないのにも関わらず、著者の父上は常にポケットにドッグフードを入れていると書いている。出会った犬を喜ばす、そのためだけに常日頃から準備しているのである。あゝホントに伊坂幸太郎の小説に出てくる登場人物が現実にもいるのだ、と楽しくもあり、淋しくも思った。もちろん短いエッセイの終わりには「オチ」を付けている。(省略します^^;)
●伊坂幸太郎が会社を辞めて小説に専念しようと決心したキッカケの曲は、斉藤和義の「幸福な朝食、退屈な夕食」だったらしい。単に忘備録としての私用のメモです(^_^;)。
2013年6月5日読了