さまよえる古道具屋の物語

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 478
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104711055

感想・レビュー・書評

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  • はは~ん、自分の目の前に突然この古道具屋が現れたら何を売ってくれるんやら。ここに登場する品の中では「文字と逆さまに印刷された絵本」ってのに惹かれる。物語の内容は紹介されていないけど、向かい合って幼児に読み聞かせるときに便利って、ほのぼのといいアイデアだ。こういう古道具屋ってあるようでないなぁ。リサイクルショップとは違うし、古美術や骨董品の店の雰囲気だけど、もっとガラクタが多いようだし。ま、やっぱり骨董品店か。扱う品が垢抜けていればアンティークショップなんて言うのかも。最後、秀がイタコよろしく、てきぱきと解決しちゃった。ところでみずきさん、あなた店主から受け取った宝くじ、あれどうだったのさ?

  • 絵と文字が逆さまに印刷された絵本
    コイン投入口がない金色の豚の貯金箱
    ポケットの底が抜けているエプロン
    取っ手のないコークスバケツ
    中身の分からない茶色の包み
    八番のビリヤードの玉

    必要があるとみなされたひとの前にだけあらわれる古道具屋。
    "買わされた"品々の使いみちを、それぞれに想像する。
    面白そうだけど、そのとき所持してるお金ぜんぶ取られちゃうのは困るよ!笑

    夢や人や自然災害による、苦難をのりこえ生きてゆく。
    古道具を忌まわしいものと感じたり、幸せをはこぶものと感じたり。
    すべて捉えかた次第だね(*´-`)

    さいごに明らかになった古道具屋のなぞ。
    それはそれは純粋な、祈りだった。。

  • *やがて買い主は、店主が選んだ品物に、人生を支配されていく――。その店は、人生の岐路に立った時に現れる。さかさまの絵本、底のないポケットがついたエプロン、持てないバケツ……。古道具屋は、役に立たない物ばかりを、時間も空間も超えて客に売りつけ、翻弄する。不可思議な店主の望みとは何なのか。未来は拓かれるのか? 買い主達がその店に集結する時、裁きは下され、約束が産まれる*

    現実なのか夢なのか、幸せなのか不幸なのか、甘いのか苦いのか、希望なのか絶望なのか…様々な感情や要素が組み合わさった、混沌とした不思議な物語。後半の収束はやや強引ですが、全体的なアンバランスさがかなり好きな部類の本。

  • 必要な人にしか見えない…というか現れない古道具屋
    そこでは仮面をかぶったような顔の店主が、訪れた者に最適の品を買わせる。
    その品で、幸せになるのも不幸せになるのも、買った本人次第。
    買った者達は、自分の内面と向き合う事に…
    この古道具屋の正体は…

  • 人には心の闇がある。
    その店を必要とするものにしか見えない。
    人は失敗する。それでもやりなおせる。

    突然色々な場所に出現する古道具屋。
    長年住んでいるのに、毎日目の前を通っていたのにお店の存在にも気づかなかった。
    店主はお面のような顔、笑っているのか、真顔なのか、男なのか、女なのか。定かでは無い。
    訪れた客たちは「忍者ハットリくんに似てるんだ!」と同じ印象を抱く。
    欲しくもないものを半ば強引に買わされて納得がいかない客たち。
    2/3くらいまで、この後の展開、結末が全く予想できなくて消化不良感

  • 数編の短編が見事に繋がって大団円へと続くミステリーファンタジー。
    何気なく読んでいましたが、時系列も気にしながら読んだらもっとすっきり繋がっただろうなと。

  •  読み終わったら心がじーんとした。誰しもがある自分の欠点について考えさせられ、また、それも捉え方次第なんだなと思った。

  • 突然出現する古道具屋.文字と絵が逆さまになっている本を買った仙崎秀.貯金箱?硬貨を入れる穴がない金色の豚の置物を買った桑島香奈.串田信也は晴耕雨読の生活をしているが編集者時代に関与した作家の真崎(仙崎)秀から連絡が入り、旧交を温める.信也の妻由紀子は取っ手のないコークスバケツを手に入れ、花瓶として活用する.中山真沙美は義理の祖母久子との会話で古道具屋のことを知る.各物語の登場人物が絡み始めて面白い展開になる.こんな古道具屋、あると楽しめるなと感じた.

  • 不思議な古道具屋を舞台とした連作短編集。

  • 不思議な店主のいる古道具屋で買い物をした後に不思議なことが起こる短編集。それぞれの短編が繋がっており、大きな物語になるところもよい。不気味だけど日常を丁寧に描いていて読むのをやめられなくなった。

著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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