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- Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105058043
感想・レビュー・書評
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リチャード・バックが、裏切りだの、暴力だのばかりが出てくる最近の小説や映画に辟易して、愛と勇気ばかりが出てくる物語を書くことを決意、バックのうちでともに暮らす10匹のフェレットから助言を受けて書いた5つの物語。
第1巻は海の救助隊だったが、第2巻はパイロットたちの物語。飛行機乗りリチャード・バックが空飛ぶ様子を細々と書いているのが楽しげで可笑しい。
ぼくが感動したのは、毎度、最初に出てくる序文みたいなものに書かれた一文。ここは、アントヌス・フェレットという、おそらくフェレット界で有名な昔の物語作家が書いた寓話が紹介されている。
今回のは『ワシとフェレット』という寓話。
空を飛びたいと願ったフェレットたちは一生懸命に練習して、やっとその夢を叶える。しかし、喜びもつかの間、どれほど努力しようとワシのように高く、速くは飛べないことを悟って、落ち込んでしまう。でも、初めて空を飛んだフェレットはこう言います。
「飛ぶ上でほんとうにたいせつなのは、高さではなく心がまえなのだからね。速さではなく、空に見いだした道を楽しむことにあるのだからね」
なんと!
かつてジョナサンという名のカモメに「大切なのはいかに速く飛ぶかだ」と言わせたバック。40年の月日が流れて、バックの飛行機乗りとしての哲学は、より強く、より優しくなったようだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示