- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105058746
感想・レビュー・書評
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小説の中に世界がおさまっていて、尚且つ広がりを持っている。そういう小説を書けるのは私が知っているところではピンチョン、稲垣足穂、そしてこの人。
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読者力を試される作品。
本作品と「エコー・メイカー」の 2 作品しかまだ読んでいないが、
パワーズは圧倒的な力量を持つ作家だ。
メタ視点を持つ作品は好きだが、
視線の先の物語が充実してこそのメタ視点、
おいそれと使えるテクニックではないと思うが、
本作品では見事な読後感を味わえる。 -
幸福の遺伝子を持つといわれた、アルジェリア人の女学生。
彼女をめぐり、大学講師、カウンセラー、遺伝子解析会社の社長、テレビキャスターなど様々な人が絡み合う。
文学の哲学?
科学の哲学? -
「エコーメイカー」が出たと思ったら、ずぐにこの本も出てうれしいかぎり。
私にとっては村上春樹よりリチャード・パワーズ、早速購入して読む。
本作はかなり科学の知識が導入されていて、なんだか理工系の本読んでいるような気になるのだが、それでもやはり人と人の距離感が近いというか、人の息づかいが感じられるのがパワーズらしい。なんか“冷たい温かさ”とでもいうか。
メタ・フィクションであることは冒頭から読んでいてわかったけど、本作の核になるのは物語るということ。小説に対して真摯に向き合っている作者の態度が伺える。
このところガルパンにはまってしまっていて、読書ペースガタ減りだこりゃ。