石井桃子のことば (とんぼの本)

  • 新潮社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022517

感想・レビュー・書評

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  • 映画「山のトムさん」を観たあとで、この本を読んでみた。
    師、などと呼ぶのもおこがましくて恥ずかしい限り。
    なので、永遠の憧れ、とでもいうことにしよう。
    一冊丸ごと石井桃子さん。
    その生涯と作品と文庫と折々の言葉が、豊富な写真とともに紹介されている。
    素話でも絵本でも、この方の文章はなんとすんなりと心に入ってくることか。
    読み手が「そう言って欲しかったのです」と思わず膝を打つような穏やかな言葉たちで、抵抗を感じる部分に出会ったことがない。その一点だけでも稀有な存在だと思われる。

    石井桃子さんのことばとの出会いは、銀座・教文館のナルニア国の前で始まった。
    そこに掲げられた言葉が、今の私を支えてくれている。
    「   本は一生の友だち。
     本は友だち。一生の友だち。子ども時代に友だちになる本。
     そして大人になって友だちになる本。
     本の友だちは一生その人と共にある。
     こうして生涯話し合える本と出合えた人は、しあわせである。」

    出会いから5年後の2008年4月、101歳で亡くなられた石井桃子さん。
    お会いしたこともないのに、何だかとてつもなく大きなものを失った気がして、しばし茫然とした。その足跡を精一杯追うことで今の日々がある。

  • 子どもをめぐる耳よりな話 その3 考える人
    石井桃子の百年 子どもの幸福の翻訳者 尾崎真理子
    http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/plain/plain29.html

    新潮社のPR
    「戦後の児童文学の立役者であり、自立した女性のさきがけでもあった石井桃子の100年の人生と仕事をビジュアルに案内。」

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【映画と本で、人生観を整える】石井桃子さんから学ぶ「じぶんの波長」、若菜晃子さんの大切な言葉。 | 【クウネル・サロン】自分らしさを大切にす...
      【映画と本で、人生観を整える】石井桃子さんから学ぶ「じぶんの波長」、若菜晃子さんの大切な言葉。 | 【クウネル・サロン】自分らしさを大切にする大人の女性のWebサロン
      https://kunel-salon.com/post-65530
      2022/03/10
  • 偉大な方だったのだと改めて思います。
    幼少時代を培ってくださった方だなぁ。

  • 女ひとりで児童文学に生涯向き合った方がおられる、そのことが希望だ。

  • ほんとうは、評伝「こどもの王国」を読みたかったのだが、近隣の図書館に所蔵がなく、こちらを読んだ。
    ところが、写真の多い、たった120ページばかりのこの本が、あんがい読み応えがあった。
    石井桃子本人のことばで語られる内容は濃かったし、原稿の写真や、農業をしていた宮城県鷺沢での暮らしなど、これまで私の目に触れなかったものを見ることができた。親しかった松岡享子や中川李枝子らによって語られる石井桃子も、
    仕事に対しては妥協のないひとであったけれども、私生活ではどこか浮世離れしているところもあった、童女のような所もかいま見られ、私にとってあたらしい石井桃子が見えかくれする、嬉しい体験だった。

  • 写真とともに紹介される石井桃子の魅力満載。

著者プロフィール

中川李枝子 札幌に生まれる。東京都立高等保母学院を卒業後、保母として働くかたわら、児童文学グループ<いたどり>の同人として創作活動を続けた。1962年に出版された童話『いやいやえん』(福音館書店)は、厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞した。主な著書に、童話『ももいろのきりん』『かえるのエルタ』、絵本には『そらいろのたね』『はじめてのゆき』「ぐりとぐら」のシリーズなど、多数ある。東京在住。

「2022年 『ぐりとぐらカレンダー2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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