- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106100611
感想・レビュー・書評
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【こんな人にオススメ】
養老さんに興味がある方。
また、世間一般の常識に対して違った角度からものごとを見てみたいと思っている方。
【オススメのポイント】
普段は避けている死という問題に対して、新たな視点を持つことができます。
明日から使えるという知識ではないですが、人としての幅は出るはず。 -
今、死についていろいろ考えてて、
この本はそのひとつの資料として読んだ。
今まで考えてなかった視点で死について語っていたので
とても参考になった気がする。
より詳細に書いた養老さんの著作があるらしいので、
そちらも読んでみようと思う。 -
死に対する考え方が変わった。人間は必ず、死ぬ。それがわかっているようで、わかっていない。死を側に置くことで、生を感じる。
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140714
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昔、付き合いのあった、脳外科医の先生とこんな話をした。
「魂が抜けて肉の塊になる瞬間って、不思議ですよね…」
場所は、なぜだかモンゴル。現地の民族的な大きな丸いテント「ゲル」の中だった。
…遅ればせながら「バカの壁」に続き「壁」シリーズ二冊目。
読みながら、ふとそんなことを思い出した。
このたびも養老先生は、温かみのある語り口でザクザク言ってくれる。
人は100%の確率で死ぬのだ。
ウイルスの致死率が60%とか70%とかのレベルではなくて、100%死んでいくものだ。
それだけは避けられない事実だ。
昔の土葬していた頃の人と、火葬の現代人の死の感覚を、真正面に分析する。
近年は確実に「他人の死」というものが、遠ざかり、自分の死を忘れていると。
若い人が入るマンションは、そもそも「人は死ぬ」ことを想定して
設計していないため、エレベーターが狭く、棺桶を立てて運ばないといけなかった。
・・・そもそも、永久に生きると思っているのだろうか?
また、「死」という概念が、脳死をいうのか、細胞の死をいうのか、
どこを指すのかも、不明瞭だ。そもそも死の基準とは、を、正しく見る。
人を殺すことがどうしていけないことなのか、生物学的観点が面白かった。
進化の過程で人の過程で貴重にも、そう形作られているものを、無下にと、
・・・確かにもったいないし、
私も、自分の体の細胞に、先々どう生きるのか問うた時期もあるので、納得いった。
死と向き合うことで、生きることは、と考えさせられる。
人は、まず確実に100%死ぬのである。
私自身の「死」の体験とは、小さい頃にまず、母方のおばあちゃんが亡くなった事だ。
交通事故だったが、ぶつかったというより、
驚きすぎて、元々心臓が弱く負担がかかりすぎて、亡くなったのだった。
だから、おばあちゃんの死に顔は綺麗で、生きているかのようだった。
不思議だった。でも、もう話なんかできない。
「魂が抜けると肉の塊になる」・・・中に魂がいるときとそうでないときと、何が一体違うというのだろう。
それで、このときの率直な感想が、冒頭の脳外科医への言葉になる。
こうした記憶がない小さな子は、死をどうして向かい合うんだろうか、と純粋に疑問に思う。
親戚づきあいの希薄な、核家族というのは、人間的には大事なものを失っているのではないか、と。
最近では、父が亡くなった事。
父は癌で、幸運にも私は最期の一息まで看取ることができた。
最期の一息は小さいけど長く見えた。すぐ、風が吹いたようだった。「帰って来ない」のが分かった。
医者が臨終を確かめに来るまで、何も動かない静寂の時間だった。
世の中というクラウドから端末が一つ消えた。単純に言うとそんな具合。
今思うと、厳密には、その時にはまだ、細胞は電気信号をもって運動をしてたかもしれないのだけど。
でも、帰ってこないのだけは、確かだった。
人は生まれてくる。そして、100%の確率で死ぬ。
分かると、実は、恐れがいらないのかもしれない。 -
『バカの壁』(新潮新書)の続編です。
現代の社会が身体を忘却しつつあるということから、忘れられた「死」を読者に思い出させるような内容になっています。
本書のようなことを考えたからといって、すぐに何か問題が解決するというわけではないのですが、多くの読者が、少し気持ちが楽になったと感じるのではないでしょうか。 -
これまた壁。
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自分の死は存在しない。二人称、三人称の死をもっと意識すれば人生が変わる気がした。
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そろそろこんな事をいろいろ自分のデーターベースに放り込んで置かないと…
と思って読んだが、納得出来る内容だった。