国家の品格 (新潮新書 141)

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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101410

感想・レビュー・書評

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  • 「論理」は一見絶対に見えるが、実は現実社会にあてはめると欠点が多いという指摘が面白い。1、重要な事柄は論理で説明できないことがある。2、論理には始点が必要 3、論理の跳躍にはリスクあり=単純にならざるをえない。 とかく仕事は論理が重要視されるが、情緒・形といった、無常観が変形して培われた惻隠の情も、日本人独特の武器。論理とセットで車の両輪として重視したい。

  • 論理は確率の掛け算であり、現実社会で各々の確率は0でも1でもないため、長い論理の信憑性は低く本能的な危険を感じる。
    かといって短くわかりやすい論理は深みがなく、それに飛びつくことは危険。
    →論理はそれほど効用のないものなのに、もてはやされている。論理だけで突っ走るのではなく、情緒や形(伝統に由来)に基づいた判断を!
    論理の出発点、すなわちスタンスを選ぶことが大切であり(確率の高い論理を積み上げることの大切さは言わずもがな)、そのためには情緒と形が重要。
    国際人とは、世界に出て人間として敬意を表されるような人のこと。
    世界に向かって大声を上げる胆力もなく、おどおど周囲の顔色を伺いながら最小の犠牲でお茶を濁すという態度では、国際貢献などできっこない。
    →周囲との調和は確かに大事であるが、そこに囚われすぎると大事なものを見失ってしまう。ダメなものはダメだと声を張り上げることも時には必要であり、そのためには判断の元となる情緒と形、及び働きかける胆力が必要。

  •  藤原正彦 著「国家の品格」、2005.11発行、再読です。論理か、慣習や伝統・誠実さやユーモアか・・・。「論理」より「情緒(懐かしさとかもののあわれ)」や「形(武士道精神からくる行動基準)」が大切ではないか! これがこの本の本旨だと思います。換言すれば、祖国への誇りと自信を持つことの大切さだと思います。

  • 後半にかけてがっつりハマっていった。読んでよかった。

  • 本棚で「埃」をかぶり眠っていました。しっかり読んで「誇り」を取り戻します!!

  • 東大で数学を極めた筆者が、ゲーデルの不完全性定理を示し、論理だけでは重要な問題は解決できないと悟り、情緒や形が大切だと言っていることに驚いた。

    英語に関しては、筆者と同じく、がっつり文法を始めるのは中学からが良いと思う。それまでは、読み書きの基礎を築き、かつ広く「本を読む」習慣をつけるべきだと思う。(個人的には、小さい頃は耳を英語に慣れさせたり発音を練習させるのは将来的にかなり有効だと思っている)

    国際人の話でオーケストラの例がとても良かった。
    バイオリニストはバイオリンを1番美しく鳴らす方法を知っている。ビオリストは美しいハーモニーの奏法に長けている。各楽器は別々の特徴があるが、それぞれの奏者は、その楽器をよく知り、愛しており、プライドを持って演奏する。大人数で同じ音楽を奏でることは簡単ではないが、その意思と呼吸とが合った時、豊潤で立体的なエネルギーを生み出し別次元へと聴衆をいざなう。

    世界各国間の協力が必要不可欠な現在、私たち日本人は、自国の歴史や国民性を学び、その貴重さを理解することが大事である。それができるような教育体制であるべきだし、世の中を動かすリーダーこそ大事にするべき。

    日本人の古くから大切にされてきた情緒や形を学んでいるうちにきっと、体の奥から日本人特有の何かが呼び覚まされると思う。その感覚を大切にしてはじめて、英語を手段として外国の方と濃密な会話ができる気がするし、出会いも、またうわべだけでない外国人の内的なものの範囲も広がってくる気がする。それでこそ他国の理解がより深まるような気がする。

    まだ古くから伝わる日本人の感性や武士道精神を知らない。もっと知りたいと強く思うきっかけになった。

  • タイトル通り国家の品格について考察したベストセラー。
    グローバル化が進む現代において日本はどうあるべきかを論じる。著者は、日本は経済成長を多少犠牲にしても、武士道精神に則った品格ある国家になり、国際貢献を果たすべきと言う。確かに気持ちは判るけれど、海外ビジネスで成り立つ国の現状を考えると、著者が言う品格を示すのは難しい。例えば日本では謙虚な態度は美徳だが、海外では弱気と見られるだけかもしれない。相手が品格を理解できるかどうか、品格がある態度を好意的に見てくれるかどうか次第だ。
    品格について考えるヒントを提供する意味では、良い本だと思う。

  • 話題作だったが、ちら読み、失笑、読み切れなかった。日本の武士道と情緒芸術性があったから、列強の侵略を免れた?世界史的視野の欠如。幕末の武士に武士道があったという自己満足的幻想。「うちゅくしいにほん」、言った本人が嘘責任逃れごはん論法の末に道徳教育の重視と同じ仲間。
    昭和ノスタルジアを美化して幻想を振りまくのは勝手だが、高度経済成長尾をしすすめ、国際化の時代だとして早期英語教育をすすめようとしているのも自民党。そう言う事からは目をそらしている。

  • 教養、知識が全てではない。

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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