原発・正力・CIA: 機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書 249)
- 新潮社 (2008年2月18日発売)
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感想 : 66件
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- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106102493
感想・レビュー・書評
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総理大臣になりたいという自らの権力欲のために、原子力活用を餌にアメリカ、CIAを利用しようとした穢れたマスメディアの頭目、正力松太郎の所業を暴く裏昭和史。ナベツネという権力欲に駆られた欲ボケに繋がる歴史。
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あまりにもインパクトのある鼻血の出そうな題名に、もっとおどろおどろしい内容を想像していたけど、たしかにおどろおどろしくはあるのだけど、なんだか途中から、読んでいて笑えてきた。
正力松太郎。読売新聞社主、日本テレビ創設者にして、原発の父。そして、CIA協力者。コードネーム「ポダム」。
こうかくと凄みがあるけど、我の強い、わがままな、へんなじいさんである。
もちろん近くにいてほしいタイプの人間ではないけど、歴史物語の登場人物としては面白い。
かなり悲哀が背中に漂う柴田専務についてもっと知りたい。
日本を影から操るCIA! というのも凄まじいが、正力松太郎に振り回され、本社が現場を理解してくれないと嘆く姿は、なんだかかわいそうではある。正力に頼まれてカラーテレビ20台を取り寄せている姿は、涙を誘う。
そりゃ、ショッカーだって予算編成会議とかやっているだろうし、地球侵略中の宇宙人だって事務仕事をしている部署があるだろうからなあ。