日本人の叡智 (新潮新書 414)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104145

感想・レビュー・書評

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  • 【二星潤先生】
    歴史を学ぶ醍醐味の1つは、先人の言葉を通して、その叡智に触れられることだと思います。この本には、近世から現代までの98人の言葉が載せられており、その言葉の背景や人物の説明が書かれています。たとえば、西郷隆盛が何を「卑怯」と考えていたか、小早川隆景が「決断」において大切にしたものは何かなど、この本を読めばすぐに分かります。
    どの人物も見開きでレイアウトされて完結しているので、短時間でも読みやすく好きな場所から選んで読むことができますので、是非気軽に読んでみてください。その時々で自分に必要な言葉が見つかるはずです。

  • 才能には限りがあるが、労力は時間の許す限り投入できる 人は、必ず死ぬ。しかし、言葉を遺すことができる。どんなに無名であってもどんなに不遇であっても、人間が物事を真摯に思索、それを言葉に遺してさえいれば、それは後世の人々に伝わって、それが叡智となる。この叡智の積み重ねが、その国に生きる人々の心を潤していくのではないか 水戸藩6代徳川治保の言葉:民を苦しめない政治をしていれば、後で必ず国の利益はついてくる 人生の目的を人格の完成とそれによる心の安定におく人間は強くまた幸せになれる

  • 磯田さんの文は、いつも多くの語彙から簡潔・明瞭に言葉を選んで纏められていて感心する。
    取り上げられている方々の素晴らしさにもっと触れてみたいと、調べものをしたいという衝動にからせてくれる道しるべ?にもなってくれる。

  • 盛りだくさんの内容で、何回読んでも新しい発見があります。磯田先生の価値観がよくわかります。お勧めの本です。

  • 新聞への連載をまとめた内容で人物毎に2ページを割き先人の言葉を題材にしている。読みやすい反面、多くの人物を浅く取り上げており、気に入った言葉や人物があれば更に別の書籍で深く知るきっかけの本としては良い。

  • 配置場所:2F新書書架
    資料ID:C0032388

  • 三葛館新書 159.8||IS

    本書では歴史上生きた様々な人の言葉を切り出し、解説を加えて紹介しています。人間はいつか死ぬけれど、どんな人であっても物事を真摯に思索し、言葉を遺していけばそれが叡智となり、人々の心を潤していくという筆者の言葉には、多くの先人への敬意と感謝が込められています。有名な人の言葉も、そうでない人の言葉も私たちにとっては叡智となり得ることを実感することができる1冊です。
                                  (うめ)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=61015

  • ――――――――――――――――――――――――――――――
    「聖人賢者になろうとする志がなく、古人の事跡をみて、自分にはとても及ばぬ、と思うような心であれば、戦いに臨んで逃げるより、なお卑怯だ」16
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    【鹿野武左衛門】

    関西でお笑い芸が発達したのは、古代から寺が多く法話の文化があり、室町以後、権力者が面白い話をさせる御伽衆をおいたことによる。30
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    【津軽信政】

    「天竺は仏の道で治める国。大唐は文国で文道で治める国。我が国日本は武道でなければ治まらぬ国」35
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    【西郷隆盛】

    聖賢たらんと欲する志なく、古今の事跡を見てとても企て及ぶべからずと思わば、戦に臨みて逃げるるより、なお卑怯なり。98
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    【新名丈夫】

    あわてた陸軍はつじつま合わせのため、新名の出身地香川から三七歳前後の二五〇人を急遽召集。彼らは硫黄島に送られ全滅した。205
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    【松田権六】

    「芸術の世界に満点はあり得ない。九九点まではまだ意味があるが一〇〇点はおかしい、取り消してほしい」208
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  • (欲しい!/新書)

  • 先達の叡智に触れられる良書。

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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