戦略がすべて (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106484

感想・レビュー・書評

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  • ■感想
    ・後書きで、戦略的に勝つ方法を提示したいと書かれていた。本書は空気感のようなものを論理的に噛み砕いて説明しており、考えるきっかけを与える本だと思う。
    ・当方は本書だけでは、物足りないと思ったため、他の書籍も読んでみたいと思った。

    ■要諦
    ・プラットフォームビジネスは、人、物、金、情報をネットワーク化することで、そのネットワークの流量が増えるに従って、そのハブであるプラットフォーム事業が利益をあげるという仕組み。さらに、一度強いプラットフォームを築き上げれば、利益を独占し、リスクを回避できる。→全くの新規事業者が、プラットフォームを作ることはできるか?
    ・「報酬は何で決まるか?」…従業員の給与=付加価値額×労働分配率(生産された付加価値のうち労働者が賃金として受け取る比率)できまる。労働分配率は国際的にも60%で違わない。
    ・付加価値額=「資本装備率」(従業ん一人あたりに投入されている資本量)と「資本生産性」(資本から生まれる付加価値額の比率)から決まる。その前提では、大企業と中小企業では、「資本装備率」が倍以上違う。なお、資本生産性は中小企業の方が高かったりする。結局のところスキルの高低ではなく、もともと社員に与えられている資源量で給与差がついている。つまり、学習可能なスキルは給与に繋がらない。
    ・漫画の原作者より、制作の方が設ける。希少なスキルを持っていても、より大掛かりな「儲ける仕組み」との関係ではコモディティになってしまう。資本=儲ける仕組みの形成に加わり、リスクリターンをシェアできているかどうか、という話。
    ・イノベーションは少数意見から生まれる。イノベーション、さらに言えば、資本主義というものは、少数意見が既存の多数意見を打ち破り、新しい多数意見に変わっていくプロセスのいて最も大きな価値が生じるからである。全員がいいと思う考えは、多くの人が殺到するからかえって過当競争になり勝者は誰もいない戦いになる。むしろ、ほとんどの人が注目していない、誰もいない領域を自ら開拓したものに多くの報酬を与えるのが市場メカニズムである。
    ・選択と集中の中で、なんとか維持させるようでは、逆転ホームランは生まれない。IPS細胞の事例で、JST(科学技術振興機構)は合議制ではなく、目利きできそうな専門家の1人の意思決定で予算がつけられる組織だった。

  • ●世の中の常識が天動説から地動説へとパラダイムシフトしたのは、ガリレオガリレイが地動説の正しさを証明したからではない。天動説信奉者が死に絶え、地動説を信じる人たちへと世代交代したから。
    若い人は年長の責任ある役職の人を取り込んで、その人を立てつつも、実質は自分たちあが主導してきるくらいの技を身につけよ。
    ●勝てる土俵を見極め、楽勝でできることを、徹底的にやる。
    ●人脈とは外部の脳。横断できるように。
    ●教養とは、自分と異なる思想。

  • この本は時事ネタをケーススタディとして、戦略思考で分析するといった本のため、武器シリーズに比べて少しばかり退屈な本だったかも知れない。
    しかし、帯にて古市氏が「戦略とは突き詰めれば優しさと近似する」と書いてある通り、戦略の思考様式自体に価値があり、とても重要なキーワードであると再認識できた本だった。とても読み応えのある本だった。

  • 「株価よりも先に人材が動く時代になりつつある」

  • 必勝パターン。
    勝場を見極め、そこに資源を徹底的に投資する。
    場をつくることで人間が刺激しあい、ネットワークをつくり、能力を高める。
    教養、リベラルアーツの必要性。
    自分と異なる思想、思考の全てを指す。

  • いつかまた読みたい

  • 英語はRPGの呪文。
    給料は資本の大きい会社が高い。
    ネットゲームはお金によって勝ち負けが決まる。そこが既存のゲームとは異なる。

  • シニアの仕事は若手をうまく泳がせることである。若者が脚光を浴びるとき、裏にはベテランのパトロンがいるというのが歴史の真実である。

  • 裏を取るのではなく、
    逆をとる。

    自分の意見の裏をとるという行為は、ともすると自分に都合の良い情報ばかりを得てしまう危険性がある。

    逆をとることで、
    反対意見を知り、その反対意見の論拠を知れば、それが信ずるに足るかどうかで、自分の意見が逆に信ずるかどうかを知るに至る。

    これは有効な思考法。

  • タイトルと中身が繋がらないところがあるが、個々の戦略とした仕組みですでに勝つ状態を用意する視点は多々あり。
    著者の著作は初めて読んだが、なるほど今までのビジネス書にはなかなかない未来を向いた思考が見え隠れする。

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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