いい子に育てると犯罪者になります (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106590

作品紹介・あらすじ

「明るさ」と「素直さ」の背後にあるものを見よ。「いい子」は危ない。自分の感情を表に出さず、親の期待する役割を演じ続け、無理を重ねているからだ――。矯正教育の知見で「子育ての常識」をひっくり返す。

感想・レビュー・書評

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  • あくまで新書なので、参考程度に…と思って手に取った本。Twitterで流れてきて衝撃的だったので…
    いや、よかった。最後の項目チェックで悲鳴あげるかと思うほど当てはまっており、自分の中にもあったわだかまりがほどよく解れた。子どもに対する接し方のとてもいい指標を教えてもらえた気がする。筆者の方の遺稿から出版されたということ。とても優しい方だったろうと推測できる。ご冥福をお祈りします。

  • 「いい子」は危ない。自分の感情を表に出さず、親の期待する役割を演じ続け、無理を重ねているからだ。とても納得。ただ、「じゃあどうしたら?」と答えを求めてしまう。それは自分で考えることなんだろうな。

    ★子どもが問題行動を起こしたとき、親は「なぜ?」という視点をもつこと
    ・問題行動は子どもの本音を知るチャンス
    ★「何かしんどいことがあったの?どんなことがあっても、お母さんは君の味方だから」と子供を抱きしめるのが、大事な愛情表現
    ・問題行動が出る前はみんないい子。笑顔は自己防衛かもしれない
    ・問題行動の根本を考える。反省させても解決しない
    ★嘘をつかないことを、子どもに約束させてはいけない。人間は嘘をつく生き物だから。嘘を責めると、隠すこと謝罪の方法を覚えていく
    ・自信とは「自分は自分でいい」と思えること=子どものそのままを肯定する
    ・反抗期=自己表現期
    ・褒め方には注意、評価する言葉では褒めない

  • 子ども本人の感情を抑圧してはいけない。まずは受け入れてあげる必要がある。抑圧された感情はいつか爆発し非行や犯罪などの重大な結果につながる。

    「しつけ」は人間社会で生活する上での作法を身につけるために必要。だが、子どもの自然な欲求を否定して親の価値観を押し付けるような事はしてはならない。
    生真面目で大人しく、大人のいう事をよく聞くいわゆる「いい子」というのは危うい。

    本文より引用
    ”人に甘えて、頼って、弱い自分を人にみせられて、しんどさを吐き出し、自分が弱い人間であることを認めるのです。そして『ありのままの自分』を受け入れるのです。”

    親として、これを自分の子供にしてあげられる存在でなければならないと感じた。
    つまり、甘えさせる、頼られる、弱い所を受け入れてあげる、しんどさを受け止めてあげる、弱い人間であることを認めてあげる、ありのままの自分を受け入れてあげる。
    親の愛情が子どもに伝われば、犯罪者になるようなことはない。
    何であれ、まずは受け止めてあげる事。子どもにとって一番身近な親こそがその役割を果たすべきと感じた。

  • 親にとって言うこと聞いていい子にというのは
    本当に良い子もいるが、一方でk怒られないように、親に良い子と褒めてもらうために演じて、そのストレスが外に向かうことがあり危険ということ
    素直な自分の気持ちや感情が出せる環境、甘えられること、スキンシップ取る、子供らしさ、安心できる環境作りが家庭には必要

    嘘はついてもいい
    嘘ついて叱るのもよくない
    嘘ついたら、我慢してることないか、嫌なことがあったか
    嘘の原点を探る
    本当のことを言ってもらえるかもしれない
    嘘つけないと、おおきな嘘で問題起こすことも
    感情を大切に
    反抗期は自己表現期であっていいもの
    発達の過程
    耳を傾け落とし所を見つける

    親もつい叱ってしまうが
    それは本当に叱らなけばいけないのか
    よく考えること
    著書にはh実際の犯罪者の家庭環境が語られており興味深い

    普段から嬉しいありがとうをいう
    子供も、真似する

    何かあっても
    どんなことがあっても
    味方だよと抱きしめる

  • 感想
    親の期待に沿うことは望ましいことか。コントロールと保護は必要だがあえて親の目が届かない部分を作る。子供にも息抜きの時間は必要。

  • わがままでいい。
    ありのままの自分を表現させる。
    親の都合の良いように、子供をコントロールしない。
    良かれと思っているしつけが、価値観を植え付け、できていない他人を見ると否定的になってしまう。

    ★裏表のある人間
     子供は常に親の愛情を求める。
     親の前では、厳しいしつけに必死に従ういい子になる。その反面でストレスを他人にぶつける。

    ★評価の言葉
     そもそも、他人と比べて良いことはない。
     ✕「えらい」「立派」
     ◯「ありがとう」「うれしい」

    自分自身のことを振り返ると、すごく当てはまる。
    これからは、子供をよく見て、自分の価値観を押し付けていないかを考えていきたい。

  • 二人の子供を子育てしているが、大いに反省させられた。最近の教育では自己肯定感を育てることを重視する風潮があるように思うが、それがいかに大切かを実例をもって詳しく説明されていた。

    ・抑圧された時、辛い時に子供はいい子になろうとする。それが限界を迎えると爆発して問題行動を起こす。
    ・子供に嘘をつくなと言ってはいけない。人間は嘘をつく生き物。小さい嘘を禁止されると、いつか大きな嘘をついて問題行動を起こす。
    ・過度な期待を浴びせることも重荷になる。ありのままのその子でいいよ、というメッセージを伝えてあげることが大切。兄弟や周りの友達と比べない。
    ・人は自分がしてもらったことを自然と人にして返すようになる。普段からうれしい、ありがとうなどの言葉を使う習慣を持つこと。

  • 自分がもっと若い時に読みたかった本です。
    でも若い時に素直にこの本を読めたかな?
    1日で読み進められました。
    読みやすかったです。

  • 色々考えさせられる本です。
    私の子育て、大丈夫だったのかな?

    「いい子に育てると…」
    私は、比較的いい子に育ったタイプです。
    自分の子どもの頃を振り返りたくなりました。

  • 教育者側に求められることが詰まっていると思う。もっとこの本が広まって欲しい。

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著者プロフィール

立命館大学教授

「2012年 『ロールレタリング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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