本当は危ない国産食品 ―「食」が「病」を引き起こす― (新潮新書)
- 新潮社 (2020年12月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106108860
作品紹介・あらすじ
「国産だから安心、安全」なんて大ウソ! 知られざる真相。一部の農薬の残留食品が、脳萎縮、自律神経失調、神経伝達の異常、発達障害、肥満、アレルギーの要因に……最新の科学研究から大宅賞作家が示す、超弩級の衝撃。
感想・レビュー・書評
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(本から)
いまの農薬の特徴は浸透性
ビニールが柔らかいのは可塑剤を混ぜているから
劣化すると、可塑剤がパラパラと落ちてきます。
作物は根っこからこれを吸収。この可塑剤が今、内分泌撹乱物質(ホルモン作用を撹乱する物質で環境ホルモンともいう)として問題になっている
「残念なことに、日本のお茶からは100%、ネオニコチノイド系農薬が出ました」
ネオニコは、昆虫のアセチルコリン受容体にくっついて神経を興奮させ続けることで殺す仕組み
農薬の成分が全国の河川からも検出されることは、専門家にとっては常識でも、国民のほとんどは知らない。
脳細胞が”発火”する
環境脳神経科学情報センターの木村ー黒田純子
「ネオニコチノイド系農薬にはヒトの健康を害し、特に子ども達の脳の発達に影響する可能性がある」
一ニ年にアメリカ小児学会が「子供に対する農薬の暴露が、発達障害や脳腫瘍などを引き起こしやすくする」と警告
家庭にあふれるネオニコ系農薬
ネオニコの昆虫への毒性は、かつて問題になったDDTより「はるかに強い」と言われる。ただ、出荷量からすれば有機リン系の三倍以上も出荷されているのが「グリホサート」で、近年、複合毒性が明らかになってきた農薬である。
これは、ベトナム戦争で使われた枯葉剤を作った、かつての世界最大バイテク企業モンサント(現在は買収されて、ドイツのバイエル傘下)が開発した除草剤「ラウンドアップ」の主成分だ。
ラウンドアップは非常に強力な除草剤で、雑草だけでなく、あらゆる農作物を無差別に枯らす猛毒である。そこで、モンサントは、この農薬に耐性を持つバクテリアの遺伝子を大豆などの種子に組み込んだ。そうすれば、ラウンドアップを空から撒くと雑草が消えて、耐性のある遺伝子を組み込んだ大豆だけが残るというわけだ。
川田氏
「信じられないかもしれませんが、収穫前にラウンドアップを撒いて小麦を枯らすんです。それから収穫すると、自然に枯れるのを待つよりも効率がよくて収量がいいんですね。この方法を、収穫した後に防虫や防カビのために農薬を撒くポストハーベストに対して、プレハーベストと言いますが、カナダ産やアメリカ産の小麦のほぼ全てからグリホサートが出ます」
提出されたモンサントの”機密書類”
「ラウンドアップを開発した責任者が『グリホサートとラウンドアップを同じ意味で使用してはいけません。例えば、ラウンドアップは発がん物質ではないと言ってはいけない。だから、グリホサートを使った除草剤全てにラウンドアップの商品名を使用することはできません。必要な試験を行っていません』」
ラウンドアップは、ネオニコと同じで、洗っても取れない。葉っぱから吸収されて、植物の全身に浸透していくからだ。
グリホサートを含む除草剤は、「脅威の除草力」などといったキャッチフレーズで、今もホームセンターやネットショップで売られていて、農家でない人たちが、道路や駐車場、学校のグラウンドなどに平気で使っている。やがて、恐ろしい病に見舞われるかもしれないとも知らずに・・・・・・。
グリホサートにはホルモンのように働く環境ホルモン作用も報告されており、これはネオニコともよく似ているが、それ以外に、薬剤耐性菌を作り出すことが分かっているという。
残留農薬の汚染が多い野菜・果物
1イチゴ 2ホウレンソウ 3ネクタリン
4リンゴ 5ブドウ 6モモ
7サクランボ 8洋ナシ 9トマト 10セロリ
残留農薬の汚染が少ない野菜・果物
1アボガド 2スイートコーン 3パイナップル4キャベツ 5タマネギ
6グリーンピース(冷凍) 7パパイヤ
8アスパラガス 9マンゴー 10ナス
五日間の有機野菜で体内の農薬半減
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有機リン系殺虫剤につて「EUでは次々と禁止されていった。ところが、日本ではなぜか今もよく使われている」と書くが、データを調べると印象操作であることがわかる。
残留農薬基準値に対する理解もないのに本を書くとは恐ろしい。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/500921540.html -
私は堤未果さんの本を読み、国の基準を信用する危うさを知った。
日本人は、国の基準がー、WHOがー、IAEAがー、国連がー、大学教授がー等、言う事を何も考えずにを鵜呑みにしすぎである。
国が定めている基準というものは、どれだけ他国の干渉を受け、金、権力の影響を受けているかを知るべきである。 -
仕事用に読みました。んー偏りがきつめ。
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k
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日本がいかに農薬王国か、それに対していかに国民が無知かよく分かった一冊。しかしそれに対してどう対処したら良いかの考察が驚くほど無かった。
怖がらせるだけ怖がらして後は自分で考えろということ?
それとも対策は無いということ? -
日本の農薬の基準が緩すぎるため、「危ない国産食品」というタイトルになっているが、本書後半でも述べられているが、やはり統計的には輸入品よりも国産の方が危険度は少ないと思われる。
何よりも、消費者が良いものを選ぶことが大事。
医療費ことを考えれば、無農薬食品の方が、トータルメリットであると思う。 -
国産だから安全ではない。農薬、除草剤などが肥満、アレルギー、発達障害の原因となるという。あまりに低い日本の安全基準に警鐘を鳴らす。
何を選んで食べたらいいのか分からなくなる。有機野菜なら安全なようだが、それもほんとうなのだろうか。