たまには、時事ネタ

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037979

感想・レビュー・書評

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  • 20年前の時事ネタを暇つぶしでも読むことはないなとは思っていたが、なんとはなしにページを繰ったとたん止まらなくなった。片岡義男「日本語の外へ」とオバマ「約束の地」を読んでまもなく、この著者から日本でのリアルな裏側からの視点を得られようと思わなかった。
    思えば確かにアメリカの場合はブッシュ政権日本では小泉内閣から政治に対するモヤモヤと淀んだ空気が常につきまとってきたようだ。しかしそれにもかかわらず見たくないものは見なかったのか、2001年から2017年ぐらいまで時事問題から逃げていたようにも思う。
    空白を自らこしらえていた時間の追体験と補完と反省を得た。続巻「ふたたび、時事ネタ」も購入。

  • 斎藤美奈子さんの辛口時評。時事に関する本は賞味期限が短い。
    読んだ時は面白かったが、今となっては、、。

  • 2006年も今となっては遠い過去
    でもまた安倍政権になりそうだ

  • たまには、時事ネタ

  • 2000年代前半の時事コラム。私と立ち位置のほぼ同一な若干左視点から論評しており大筋異論無し。文芸評論や書評の方が百倍面白いが、ファンとして取りて読んでみました。

  • 冒頭から小気味の良い文章が続き、わくわく。
    そう、これが斎藤女史の本を読む楽しみ!!

    しかーし、後半に向かうにつれ、失速。
    どうも堅苦しかったり「配慮」が見え隠れたりして
    小気味良さが減少してしまった。

    時事ネタをゆるく小気味良く語るのは、
    さすがの斎藤女史でも厳しいようで・・・

  • これも面白い本でした。こちらは最近10年以内の出来事です。今の日本人に必要なのは歴史を振り返って将来の予測を立てることだと思っています。

  • 後半になるにつれ、固いネタが増えるのは仕方ない。相変わらずのフェミツッコミは共感も。01年5月〜06年12月までの流れをつかむにはいい本です。

  • こないだ『ふたたび、時事ネタ』を読んだら、前のやつもまた読みたくなって、借りてきた。2001年から2006年まで、「婦人公論」で連載していた「女のニュース」に加筆してまとめたものである。

    2001年、小泉が首相になり、海の向こうでは911の"テロ"があり、その後は、お前こそが大量破壊兵器をもったテロリストではないのかというブッシュがイケイケどんどんになって、小泉がわんわんと尻尾振っておいかけていき、いや~なことがいろいろあったなあと思う。もちろん、その小泉のあとに出てきた安部も、たいがいのことをしてしまった。

    2002年の「ムネオハウスだけではない北方領土問題」のこんなところは、今のいま、私も「そうよな~」と思う。
    ▼領土の拡張を「国益」と考える発想はもう古いのではないか。北方領土問題は時効にし、有益な総合交流策を考えるほうが建設的だと思うけど。…とかいうと、むかしは右翼に締め上げられたが、いまは日本中から石が飛んでくるのだろうか。きそうですね。(p.62)

    あるいは、2006年の「冨田メモで流れが変わった靖国の問題点」で斎藤が書くこんなところ。
    ▼新しい追悼施設は、過去の戦死者だけでなく、新たな戦死者が出ることを前提につくられるだろう。…戦争をする国は(戦前の靖国がそうだったように)死者の顕彰施設を必要とするのである。(pp.284-285)

    私はこんな時事ネタがあったころ、何をしてたっけな~と考える。

    2001年、病人となった同居人をかかえて私の21世紀は明け、扶養と医療費と年度末の仕事にホンロウされて「大黒柱」生活を送っていた。それから2年あまり養った同居人が再就職先をみつけてきて、やっと落ち着いたと思ったところで、また新たな病人があらわれ=職場のボスが入院して、また大変な目にあった。よく自分がビョーキにならなかったと思う。

    そして私は、2001年に勤めていた職場を1として、2006年は4つめの職場にいた。パワハラとかパワハラとかパワハラとか、あまり思いだしたくないこともたくさんあった。

  • コラムに必要なのは常識である。ステレオタイプ、決まり文句、故事成語、典型を弁えればこそ、そこから距離を取ることができる。であるからして、コラムニストは冷めた傍観者でなければならない。時事問題を鮮やかな手並みで料理し、微妙なスパイスを利かせれば完璧だ。

    http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20101026/p6

  • いろいろと小泉政権のもとで日本が変わっていったんだなあ。マスコミがはっきり取り上げた部分もあるけど、漠然と感じていたことがはっきり言葉になっていて爽快です。私もこんなふうにものを言ってみたい…

  • 斎藤さんの本は、定期的に読みたい。ほどよい毒が快感なのだ。で、今回は「時事ネタ」。いや〜あまりに痛快すぎて、一気読みしちまいました。小泉政権、北朝鮮、靖国、皇室…いまいち詳しくわかっていなかったニュースの裏側をわかりやすく解説してくれるので、今更ながら自分の無知っぷりに愕然とした。
    読み終えた感想…「一体日本はどこへ向かうんだろう?」
    2006年12月までのニュースが収録されているが、その後もいろっいろあったわけで…その「いろっいろ」、そして今進行中の「いろっいろ」、斎藤さんはどう斬ってくれるかすごく知りたい!!まだ婦人公論で連載続いてるのかな、だったらそっちもチェックせねば!!
    それにしても、彼女の著書を読むたび思うけど、わかりやすく説明するための「たとえ」がすんごく巧いんである!PSE法を説明するために、一字違いのBSEに置き換えてみたり。そうくるか!でもその置き換えが実に見事!座布団何枚でも出しますよ(笑)
    こんな感じで皮肉って語ってくれるから、つい笑っちゃったりするんだよね。いやいや、あっぱれです。

  • 「誤読日記」などの彼女の書評はよく読むのですが、時事ネタは初めて読んでみた。
    反権力を一貫してつらぬく姿勢がカッコイイです。
    「憲法は権力者を縛るもので国民を縛るものでない」という言葉に納得。

  • ここ五年間のことなのに忘れていましたいろいろなこと。参院選の前に読めて良かった。

  • 結婚届けを出すことを「入籍する」というジャーナリストは信用していなかったので、我が意を得たという気がしました。
    「謝罪が奏功するための三つの条件」の章はとても役に立ちます。謝罪するときはもちろん、謝罪を受けるときも。

  • 書評で有名な著者による、時事ネタのエッセイ。

  • 70点

  • 婦人公論に月イチで連載していた時事話をまとめて5年分!今さら、2001年(小泉「新」内閣の年です)の話を読んでもねぇ…なんて思っていたけど、これが実に面白いんですよ!(#^.^#)私ってば、すっごい忘れてる・・・。あぁ、そんなことがあった、っていうことは覚えていても、その時に感じた、違和感や、あぁイヤだなぁ、という切実な嫌悪感が、なんだか膜がかかったように薄れていて、いかに自分がいい加減に社会を見ているのか、を(知ってたけどさ!)教えられた思いでした。斎藤美奈子さんが、出版時に付け加えられたコメントも面白く、時には、こうやって過ぎたことを今の視線で見ることも必要だよね・・・としみじみ思いました。「小泉語録を選んだ流行語大賞の大衆迎合」「ゴミ屋敷は環境の問題なのか」「中国の反日運動に思う“明日は我が身”」「自治体が考える少子化対策のおまぬけ」「PSE法と安全の関係」などなど、結構言い尽くされたように思える問題をも、新しい切り口で語ってくれて、なるほどねぇ!なんで気がつかなかった、私! だったんですよ。毎日、目に入ってくるものを咀嚼して、その根っこをしっかりつかんでいく!こんな大人になりたいものですけど・・・。

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著者プロフィール

1956年新潟市生まれ。文芸評論家。1994年『妊娠小説』(筑摩書房)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で小林秀雄賞。他の著書に『紅一点論』『趣味は読書。』『モダンガール論』『本の本』『学校が教えないほんとうの政治の話』『日本の同時代小説』『中古典のすすめ』等多数。

「2020年 『忖度しません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤美奈子の作品

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