刻命

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 31
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120043802

作品紹介・あらすじ

殺人の罪で無期懲役囚となった居合いの達人・正高。40年の収容生活を経て仮釈放の身となったいま、妻や孫との新しい生活が始まろうとしていた。だが、そこに娘の姿はない。出所直前の轢き逃げ事故で他界していたのである。一度も会うことのなかった娘…その死の真相を調べるうち、正高は、驚愕の真実を知ることになる。父は、自らの罪と向き合い、娘への贖罪を果たすことができるのか。剣技を磨くことしか知らない男の、不器用だが気高い生き様を描く、乱歩賞作家の書き下ろし新作。

感想・レビュー・書評

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  • 自己防衛とはいえ人を殺めて無期懲役に服した上條。39年後、仮釈放となる。ひたすら待ち続けていた妻と、出所直前に交通事故で他界した娘の忘れ形見の孫・真人との生活が始まった。その直後、県外の警察が娘・今日子を訪ねて来る。服役後に生まれ、犯罪者である自分を嫌い一度も会うことのなかった娘の足跡を辿るが、驚きの事実が浮かび上がる。今日子がなぜ、こんな生涯を送ったのか理解に苦しむ。上條と信司の考え方も。上條に39年間も尽くしてきた妻と、真人の期待を思うと、違う最後が見たかったと思った。

  • なんかつまらない…
    2012.10.10

  • 40年ぶりに刑務所から出所した居合いの達人が大切な人の命を守るという話し。読みやすかったかも。剣道はやってたけど、居合いはやったことなかったな。

  • 剣道の世界で起こった殺人事件。贖罪をしながら生きるその犯人の姿を描いたミステリ。どうにもやりきれない部分が多いのだけれど。読みごたえはありました。
    他人をかばうことがその人のためになるのかどうか、というのも大きな問題なのかも。罪を償えないことのほうが苦しいってこともたしかにあるよねえ……。

  • 剣術の得意な正高は恩師の息子の暴力を防ぐため殺人を犯し35ねんの刑期を受けた。娘今日子の不信な交通事故を調べるうちに、暴力団との係わり合いを知る。暴力団の男たちに拉致された孫真人たちを助けるためまた剣をつかい銃弾に倒れる。

  • 主人公の設定が他とはちょっと違いますが、無期懲役で39年収監…一瞬で時間が過ぎ去って物語りが淡々と進む。

    しかし最後まで戦い続ける主人公、少しの時間かもしれないけど充実した瞬間かもしれない。

  • 剣の道、男の義、やくざ・・。三大テーマで楽しめた。

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著者プロフィール

末浦広海

1964年兵庫県生まれ。88年関西学院大学経済学部卒。2008年に『訣別の森』で第54回江戸川乱歩賞受賞。著書に『捜査官』『白き失踪者』『檻の中の鼓動』『刻命』『暗躍捜査 警務部特命工作班』、「キャップ・嶋野康平シリーズ」「警視庁東京五輪対策室シリーズ」などがある。

「2021年 『君と、君がいる彼方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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