- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120044526
作品紹介・あらすじ
他国の評価の基準に政治体制のあり方をおくアメリカ、人権外交を提唱するアメリカ、相互扶助を前提にすえるアメリカ…。同盟に消極的だったアメリカは、第二次世界大戦後には世界の主要民主主義国との同盟締結に意欲を隠さない。アメリカのねらい、同盟の意義を問う。
感想・レビュー・書評
-
同盟についての概念、アメリカが日本以外の国とどのような同盟関係を結んでいるか、など。
思いやり予算には腹が立つし、沖縄に基地があるのもあまりに沖縄への負担が大きい。せめて金だけに出来ないのか、と思っていたのは、同盟というものを理解していなかったからだ、と、痛感。
基地を使うのにアメリカから使用料を取るということ、危機に対して金だけ出すということは、アメリカにとって、その国は同盟相手として格が低いということ。
現代の同盟相手は、ただ土地や武器や物資や金銭の供給ではなく、共に戦う相手が求められているのに、日本は武力を用いることに嫌悪感があるから、それが出来ない。
だから、アメリカにとって同盟相手としての価値が下がっている。
ここらを理解したときに、今のアジア、また世界での日本の外交のまずさを考え、けれど、やはり武力を用いることには自分自身の嫌悪感どころか、あってはならないとの思いがあり、しかしやられっぱなしでいいとも思わず……
経済で立ち回れていればよかったものを、そう出来てもいないのだから、どうすれば。という考えが、未だまとまらない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカにとって、伝統的に他国の政治体制はその国を評価する重要な基準であった。建国以来、新社会アメリカは旧社会ヨーロッパと政治体制とその奉ずる価値の側面で根本的に相違があるとアメリカは認識してきた。
アメリカは伝統的に同盟をヨーロッパ的国際秩序の属性として拒否してきた。WW2が終わり冷戦が始まるとアメリカは西ヨーロッパ諸国や日本と安保条約を結んだが、これらを普遍的な組織であると国連の集団安全保障と何らかの形で結びつけることで旧来の同盟条約ではないという体裁をとった。
アメリカ外交の底流には孤立主義が根強く存在していることも確か。しかしこの孤立主義は価値の同盟的潮流うの対概念として説明しうる。
WW2後のアメリカの対中東同盟政策は確固とした安定的な同盟関係に支えられたものではなかった。むしろアメリカが中東地域で譲れない価値や利益を保持するためにその時々に新たな同盟国を求め、失うことの繰り返しだった。
仮想同盟のむずかしさの1つは仮想敵国に脅威を与えることなく、いかに同盟に対する軍事的対応を構成国間で調整、整備するかという点にある。脅威が潜在的であれば仮想同盟も潜在的でなくてはならないため、構成国間の安全保障協力は仮想敵国を直接の対象としない、後者に脅威を与えない性格のもであるひつようがある。