タラント (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.77
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本棚登録 : 2117
感想 : 211
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120055010

感想・レビュー・書評

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  • タラントとは読んで深い意味を知って下さい。みのりの大学進学、ボランティアサークルの居場所を見つけた学生時代そして難民キャンプの体験が心痛みました。甥の陸の存在祖父清美の戦争体験の痛ましさ悲しみもあり感動さえ覚えました。パラアスリート涼花と祖父清美の関係もミステリアスに描かれていて謎を呼びました。あなたも読んで興奮して下さい。感動して下さい。

  • タラントとはタレントという意味も持っている聖書の言葉。
    ジャーナリストや写真家、起業家として活躍するする友人たちに対して少しコンプレックスを感じるみのり。みのりの祖父で戦争で片脚を失った清美。みのりと清美の現在と過去を織り交ぜながら話が進む。
    みのりが感じる嫉み(?)や無力感、などが自分に重なる。

  • とても長かった〜。
    この物語の中で、作者の角田光代さんが
    読書に伝えたかったことが
    たくさん詰まっているような気がした。


  • 失敗をすること、もっと言えば目立つことが嫌、その理由を教えてくれたように感じます。
    角田光代さんの本を読むと自身のことが書いてあるような気がしてしまうのです。
    みのりさんやそれぞれの登場人物は、すてきな人という感じではないけれど、私は好きになりました。そして、自分も大丈夫なんじゃないかな、がんばれるのではないかなと思えました。

  • ボランティアとは?自分の進むべき道とは?の葛藤になかなかページを繰るペースが捗らなかったが、そうか、ここにもあそこにも一粒の麦があったんだと気がついた時にじわじわと胸にしみるものがあった。読了後全ての表紙を見て、またじーんとした。

  • すごく大作で完読するのに時間がかかってしまったけど、途中からやめられなくなった。

    世界で起きてる紛争、難民についてや、日本でかつて起きた戦争、戦争で傷を負った人たちから続く現在のパラリンピック、東日本大震災、コロナ禍、などなど、本当に多岐に渡る題材が詰まった作品だった。
    世界で起きてることに対して、そこで生活している人に対して、私は本当に無知だと実感したし、その人たちが私たちと何も変わらない地続きなのだということに何か衝撃を覚えたが確かにそうなのかもしれないと納得できるものも感じた。

    そのように重い題材でも、主人公みのりの人物像がとても等身大で、みのりが感じる知りたいと思う気持ち、後悔、怖さ、それでも何か前に進みたいと思う気持ちなどに共感でき、読みやすい作品だったと思う。
    タラント 才能、運命
    一人一人はちっぽけで大きな力はなくても、その人なりの方向で歩幅で進めたらいいのかもしれない。

  • 私の感情に寄り添いながら物語が進んでいくのが心地よくて、主人公と同じように苦しくなったり救われたりしながら読んだ。私にもタラントはあるだろうか。動き出すことはできるだろうか。

    【読んだ目的・理由】著者の話を聞いて気になったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.4
    【一番好きな表現】どっちのつらさがより大きいかじゃない、朝起きるのがいやになる、というちいさな絶望が、わかるか、わからないか、だいじなのはそこだ。あるいは、想像できるか、できないか。(本文から引用)

  • 長編を久々に読んだ
    主人公のみのりの迷い、葛藤がすごくよくわかる一冊だった
    いろんな人がいて、いろんな考え方で生きてて
    それを否定しない書き方が良かった
    読み終わって、これがどうって感想は非常に言いにくいんだけど、
    見たくないときは見なくてもいいと私も思う
    ただ、自分の知ってる世界がほんとに一部で知らないことがたくさんあることだけは忘れずに生きたいと思った
    無口なおじいちゃんの心のうちがほんとに切なくてやるせなかった

  • パラリンピック、義足、海外ボランティア、国内ボランティア、戦争、震災、コロナ等・・・盛り沢山だった。角田さんの力で一気に読んだし、タメになった(情報量が多い小説はあまり好きではない)が、やはり盛り沢山という感想になってしまう。

  • 何というタイミングで、この本が手元に届いたんだろう。
    物語は、1999年と2019年が、交互に進行していく。
    大学時代のボランティア活動、そこから発展して国際活動。私には未経験のことばかり。

    何かに突き動かされるように、目を向けていたことから、あるきっかけで、目を閉じてしまう、見ないようにしてしまう主人公。

    東京パラリンピック2020も、3.11も、新型コロナウイルスも、現実をなぞるように、語られる。
    終盤は、本当に辛いことが起きる。

    それでも少しずつ気持ちを前に向けることができるようになって、良かった。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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