タラント (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 2117
感想 : 211
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120055010

感想・レビュー・書評

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  • 色んなこといっぱい詰まってて読むのに時間かかったけどそのみっちり具合がよかった次はやく読みたい母を背後に感じながら読んでました

  • さすが 文章が上手い!
    1ページにびっしりと文章を書かれているので
    途中 その長さがしんどくなって正直ハイスピードで読みました…
    それでも ずっしりと心に残る小説でした
    また ゆっくりと再読したい

  • 久しぶりの長編でウキウキと手にとって、表紙の絵は、読み進めるまで気づかず。いろんな時代が行ったりきたり。年代が近いので、共感ポイントが多くてドキドキしました。使命と才能。また大切な言葉をいただきました。
    2022/10/20読了

  • 『比べたらダメだ。
    つらさの大小を、苦しみの大小を、うしなったものの大小を比べた途端に、私たちは想像を放棄する。
    そして断絶してしまう。』

    という終盤の主人公の言葉に、
    ほんとそうだなと納得。
    無意識にやりがちだから
    心に留めておこうと思った。

    比べて理解しようとするのではなくて、
    ただその人のことを想像する。
    そして自分に対しても、
    同じようにする。

    わからないまま進んでいいし、
    逃げるのも
    引き返すのも
    やり直すのも
    どんなしたっていいんだ。

  • 連載小説だったからだと思うが、構成が破綻している。
    みのりの過去のパートはとてもよく描けていて、読んでいて共感できたし、とても面白かったが、祖父のパートはどうにも中途半端だったように思う。
    もう大家になっているから、これだけおかしな構成のお話でも編集も文句が言えないのだろうけれど、良い作品をつくるためには、連載が終わってからもう一度しっかりまとめ直すべきだったと思う。そうしたらもっとずっと心に響く話になっていたと思うのに、かなり残念。

    もし僕が編集者だったら、現在から過去への振り返りとかはやめて、ストレートに大学生から現在までのまっすぐな時間軸で、彼女の視点からまわりの人の人生も浮かび上がらせるようにすすめたと思う。そういうシンプルな構造で十分訴えかける力をもつテーマのお話であるはず。

  • 扱っているテーマや内容は割とシリアスで重かったりするのだが凡庸で間延びするストーリー展開で魅力が半減になったような感じ。
    とにかく内容の割には話が長すぎ。
    ギュっと縮めて1/4くらいの小説で良いと思う。

  • すごく真面目に人生に向き合っている人の話だなと思った。
    特別な才能や使命がタラントなのだと思いがちだけれど、実はそうではなくて、自分の中にも何かしらのタラントがあるのだと主人公は最後に気がつく。
    戦争に行ったおじいちゃんの心の痛みがだんだんと癒えていったラストがよかった。

  • 最初の方はなかなか読み進められなかったけど、中盤くらいから面白くなってきて、読むのが止まらなかった。

    様々な要素の話が出てくるが、
    ボランティアや途上国支援に対する違和感や葛藤、
    才能や使命感(タラント)に満ち溢れた行動力のある友達が、どんどん遠くへ行ってしまう感じ、劣等感、
    主人公のなんにもやる気がなくなってしまう気持ちなどが細かく書かれていて、わかるなと思った。

    特に好きな箇所は、中盤に出てくる主人公が経験した海外での話。
    西加奈子さんの「サラバ!」を読んだ時もエジプトでの話が好きだったけど、日本人視点での海外での体験記みたいな話がとても興味深いし、ショックを受けたり、なぜショックを受けるのかを主人公が考えたりするところがとても面白かった。
    他にもそういう要素のある本があったら読みたい。

    あと、各章の最後に必ず出てくる、おじいちゃんの回想記も読むのが毎回楽しみになっていた。戦争、戦後の話で壮絶なパートだけど、どうしても読んでしまうという感じ。
    最後まで読んで、もしかしてこのパートは、甥っ子の陸くんが書いたものだったのかな?と思った。

    最後の方で、誰しもが何かしらのタラントを持っているって主人公が気づくところで、私も大それたタラントはないけど、こうやって色んな本を熱中して読んでいるのもタラントなんだなぁと少し嬉しく思えた。

    最初の方で挫折しかけたけど、全部読めて本当に良かったなと思う本。

  • 装丁や帯であらすじなどで大枠を掴んでいるもの、なかなか本題に入らず挫折しそうになるも、なんとか完読。

    新聞の連載で読んでいたら、そんな違和感はないのかもしれないけれど。

    主人公のみのりが、普通にいい人すぎてうじうじしている様をいらいらしながらも、なぜか憎めない。なにも考えていない人間の何倍も悩んでいるのがけなげでならないのだ。

    私もみのりのように、若い時は人は2つのタイプがいると思っていたなぁ

  • いろんな要素が盛り沢山。
    寿士さんが最後まで良い人のままで安心した。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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