イオカステの揺籃 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.52
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本棚登録 : 397
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120055683

感想・レビュー・書評

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  • 「毒親」という呪いの連鎖。他人事と思えないだけに読んでいて苦しくなる。しかし冷静になってみると、ドラマのようなジェットコースター展開が浅薄さを感じさせる。
    一見母親だけが毒親に見えるが、ベクトルが違うだけで父親も十分クズで毒親である。複数世代、夫婦両サイドに渡って。

    もっとじっくり人物を描いていたら尚良かった。

  • いやはや、これは…。胸をえぐっていく展開、「もういいよ、これ以上読めない」と思いつつ、読み進まずにはいられない。湊かなえの作品に触れているときに、このような感覚を抱くときがあるんだけど、なんかそれよりさらにすさまじいというか…。以前読んだ同じ作者の『人でなしの櫻』は、性愛がもろに前面に出ていて、ちょっとこの作家もういいかな、なんて思っていましたが、いやあこの小説にはどっぷりつかりましたね。負の連鎖、のようなものがテーマともいえる話なので、万人向けとは言えません。とはいえ、はまったら抜けられない、そんな心理的な囚われを経験できるのも、読書の醍醐味の一つです。

  • 恭子さんが御手洗に行った時に嫌な予感はしたけども…とにかく悲しい。

    恭子さんのお母さんがとにかく酷すぎてムカムカイライラしっぱなし。

    玲子には唯一共感できた。

  • 22.12.15読了
    それぞれ色んな過去を抱えて、環境が変われば何かになれると、何か変わると求めてしまう。それでも完全に変えることは出来ずに、もがいて生きることになる。
    考え方や見方を変えて、ある意味わりきって生きてくことが求められてるような気がした。

  • 2022.12

  • タイトルから不穏。
    毒親がテーマだなと思いながら読み進めたが、強烈やらじわじわやら嫌悪感のオンパレード…だめな父親のアホさかげんが箸休めになるほどでした。
    私は血の繋がりは最強の呪いやと思っているのでまんまその典型ですね。
    異常な親にはその親が居るわけですから結局誰が悪かったん?ってなります。それに巻き込まれた人がただただ不憫。
    本当にトラウマレベルの嫌な話です。が、関西弁のおかげか内容はスルスル入りとても読みやすかった。家族関係に問題ない人にはおすすめです。


  • 薔薇好きなので、書評を読んで直ぐに図書館に予約し、一気に。まるでミステリー。なのに、どんな普通の家庭にも潜む何かが見えてくるようで。
    娘にも勧めて、感想を聞きたい。
    えっ?それってどうなの?
    という話。

  • 建築家英樹の妻美紗が妊娠した。バラを生き甲斐として暮らす義母恭子はベビー用品を買ってあげると大量のLINEを送ってくるようになり、まだ産まれぬ孫に異常に固執するようになった。いい人だが鈍感な英樹、全く家庭を顧みない恭子の夫。そして悲劇が勃発。

    面白かった。従来の遠田作品とは違う、ホラーとミステリーが一緒になった感じ。超過保護過干渉の恭子の子供時代の思い出の怖さがまた凄い。

  • 「男の子なんやね。本当によかった」平穏だった“家族”の崩壊が、いま始まる――。

  • これやばい

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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