サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013248

感想・レビュー・書評

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  • 自分の事を決めるのは自分だし、認知の過程も自覚できると思っていたが、本書を読むうちに自信がなくなってきた。

    元々は、「自分で自分の気持ちをより適確に把握したい」との思いで読み始めたのだが、結局それは無理じゃないかという結論に至ってしまいそうである。(そして、ラストの第9講でハッとさせられる。)

    これを読んで面白かったか?と聞かれたらもちろんYesだが、役に立つか?と聞かれてもはっきりした答えは言えなさそうだ。

  • 知的興奮を覚える一書。無意識のレベルで制御されている、ことがらの多さに驚きます。

  • 三葛館新書 145.1||SH

    保健看護学部 岩原昭彦先生
    自分のことは自分が一番知っていると多くの人は思っています。しかし、人は自分で考えているほど、自分の心の動きを分かっていないのです。というのも、私たちの行動は、自分では意識化できない無自覚的な心の働きに大きく依存しているからです。
    本書では、無味乾燥で画一化しがちな心理学の入門が、魅力ある切り口で再編成されています。心理学が周辺の諸分野といかに密接に関連しながら発展してきたのかが理解できると思います。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=38914

  • 実験の話が中心で途中で飽きそうになりますが、最後まで読むと意外に収獲が多かったと。無意識のうちに...なんて表現も何気なく使っているけど、その境界は曖昧で、そもそも神経反応を指しているだけという考え方も出来るのだということが新しかった。

  • 今や心理学にも文化系・工科系・社会学系・医学系と幅広くに行きわっている。
    言葉の意味するところや表現とか集うとか伝達するとか意思疎通するとか・・・
    意識無意識にかかわらずに、意志の決定はあらゆる方面につながっている。

    哲学や神学や物理学が垣根を越えてお互いの分野に通じて行かないと理解不能になってきた現在、心理学もあらゆることと関係を持てるようになって、社会一般に需要が増えて発展している。
    しかしご多分に漏れず、学問の宿命とも言える詳細な部分に呑めり込んでいるのも事実である。
    私がここ数年席を置いている知的障害や身体障害における環境問題でも、コミュニケーションをとるための言語・意識・表情の問題とか個性・自律・共生・の問題とか信頼・喜び・恐怖・安心・変化などを理解するために、心理学や社会学を必要としていると思う。
    距離的に近すぎる専門書よりも、少し距離を置いた分野や立場に立って深く咀嚼する方が余裕を持って理解と納得を得られることが多い。
    枝葉の現象面の処理に追われている内に根幹を見失うことにならないためにも、全体観を意識していることが大事だろう。
    このことは人間が生きる上で、どんな場合に遭遇しても忘れてはならないことだろう。

    できれば硬い漢字を減らして、日曜用語で書いて欲しいと思う。

  • 面白い。

    人の行動が潜在的な、本人にとって無意識の認知過程に大きな影響を受けていることを、心理学史上の様々な実験を紹介しながら解き明かしていく。

    密閉したビルの中でネズミを飼うと、ある程度まで増えた後、性的不能な個体や子殺し、同性愛などが多発し、場合によっては個体数が減少することもある。
    言うまでもなく、大都市に住む人間も似た徴候を示すわけだが、個々の人間にインタビューすれば、例えば「私は自由意思で同性を愛してるだけだ」となる。
    環境から受ける潜在的な影響には無自覚だからだという。自由に選んでるつもりで、実は大きな流れの中で踊らされてるだけ。

    なんだか寒気がする話だ。

  • 無意識、深層心理といったものは必ず存在します。催眠術だって絶対存在します。フロイト先生よろしく我々は潜在的に何かを認知し、閾下で感じる。ああ、人間のこころとはそのほとんどは理解できない。

  • ジャンル:基礎心理

  • いろいろ興味深い話ばっかりだったけど、一番気になったのは、「人口が増えすぎると、人口抑制する要因が自然に増えていく。同性愛、子殺し、・・・」

  • 人間科学に興味のある人にとって良書
    いかに自分が自分の意志で行動していないか分かる

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著者プロフィール

カリフォルニア工科大学教授

「2019年 『潜在認知の次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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