ギャンブルフィーヴァー: 依存症と合法化論争 (中公新書 1325)
- 中央公論新社 (1996年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121013255
作品紹介・あらすじ
ギャンブルは人類史上、実にさまざまな役割を果たしてきた。日本では現在、公営のもの以外禁じられているが、解禁論・解禁反対論とも活発である。本書は、ギャンブル中毒とは何で、なぜそうなるのかを分析し、その治療がどう行なわれているかをまず報告する。さらに、現在の日本のギャンブルの問題点を指摘したうえでカジノ解禁への是非の論拠を検討し、世界規模でのギャンブルの趨勢を予測して、その社会的位置づけを検討する。
感想・レビュー・書評
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人生というのは偶有性に満ちあふれたものだが、ギャンブルというのもそれを行う人間にとっては偶有性があるものである。そういった意味ではギャンブルというのは人生をぎゅっと凝縮したものと言えるかも知れない。
ギャンブルというものの歴史について、そしてはまる人々の性格、中毒症状への治療の方法論、またカジノ合法化への議論など
以下は章立て
第一章 ギャンブルの役割
第二章 ギャンブルホーリック
第三章 はまりゆくパターンとはまる性格
第四章 ギャンブルホーリックの治療
第五章 ギャンブル(カジノ)に反対する人々
第六章 ギャンブル解禁論
第七章 世界の動きとギャンブルの未来
日本においては合法的なギャンブルというのは建前上公営のものである。もちろん競馬で身を滅ぼす人もいるが、最近問題になりがちなのはやはりパチンコである。
それを仮に問題視して、禁止論に向かうのか、それとも緩やかな規制に向かうのか、それとも淘汰にまかせるのか、というのはなかなか難しい問題である。
そもそも、パチンコも麻雀も世間一般ではギャンブル扱いであるが、警察が厳しく取り締まっているわけではない。本来はきちんと法律でまとめ、特定の省庁の管轄下に置いてお金の流れを管理した方がよいのではと思う。まあギャンブル中毒症とはあまり関係がないが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ギャンブルを通じた社会分析。
ランニングなどにも依存性があるとは驚いた。 -
動機とかハマる過程とかマトリックスで書いてあって、それをパワポにおとすのがたのしかった♪
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ギャンブルに関する研究者が極めて少ない状況のですが、社会学や心理学を用いてギャンブルを科学しているところが為になります。ギャンブルの非犯罪化を訴える一方、その弊害であるギャンブルホーリックの問題を正面から扱っている点は、真にギャンブルとは何かを考えることができるよい機会であります。
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ギャンブルがどのように逸脱化・病理化されていったかに興味がある私には、やはり運動の分析がおもしろく読めた。