アジア近現代史-「世界史の誕生」以後の800年 (中公新書 2538)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025388

作品紹介・あらすじ

世界人口の約六割を抱え、広大な面積を占めるアジア。本書は、各国史の寄せ集めではなく、アジアの歴史を一体的にとらえる試みである。土着国家の盛衰と十三世紀のモンゴル帝国誕生から説き起こす。欧米による植民地化、日本の占領統治、第二次世界大戦後の独立と経済発展、そして「アジア共同体」の摸索まで。アジア域内の交流と、欧米など外部勢力との相互作用とに着目しながら、アジアとは何かを探る。

感想・レビュー・書評

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    ・中華思想…漢人が世界の中心であり、周辺民族は文化的に劣った存在
    ・華夷思想…儒教の礼節をわきまえているどうかが、文化的な優劣を判断する基準

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755938

  • アジアの興隆を自律・他律(主に欧米)という二つの動きから分析した本。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    序章 アジアの原型/第1章 モンゴル帝国ー世界史の誕生/第2章 ヨーロッパ勢力の衝撃ーアジアの大変容/第3章 近代日本のアジア支配/第4章 独立・戦争・混乱ーアメリカの軍事関与/第5章 経済開発・民主化・アジア共同体ーアメリカとの連携の下で/終章 アジアとは何か

  • アジアの近現代史を大掴みで捉えることができる。
    アジア諸国と同じ道を辿らなかった日本はやはり興味深い。

  • 概説書として優れていると思います。そういう意味で参考になりました。
    それはともかく、アジアという概念、くくりかたが何故必要なのか?、昔からその根本のところが理解できません。たとえば、インド文明圏と中国文明圏とユーラシア東南地域圏、というような区分で良いのでは?と思うのですが。

  • 「アジアの歴史を、内部勢力と外部勢力の相克と共同の視点からみた」書。東アジア、東南アジア、南アジアの三つのサブ地域に括って解説されている。

    情報は盛りだくさんだが、ストーリー性に欠け、読んでいて正直あまり面白くなかった。また、(上から目線で恐縮だが)文章も洗練せれていなくて読みにくかった。

    なお、中国やインドが世界を支配しようとしなかったのは、彼らが満ち足りた自給自足の国だったからであり、逆に、モンゴル人やヨーロッパ人は、人口が少なく資源にも乏しかったために、他国の経済資源を求めて世界征服に乗り出したのだ、という考察にはなるほどと思った。また、日本はアジア辺境の地にあって、常に大陸の先進文化を柔軟に取り入れてきており、何としても護らなければならないオリジナルな制度(中国の科挙制度、インドのカースト制度等)を持たなかったために、近代ヨーロッパの制度や文化を抵抗なく取り入れて成功することができた、という見方にも頷けた。

  • 偶然このまえに池上彰さんの『世界の見方 東南アジア: ASEANの国々』を読んだおかげもあるかもしれないけど、すごくわかりやすくて、超面白かったです。

    岩崎育夫さんの本は初めてで、私がとても良いと思ったのは(  )がたくさんあり、それがとても上手に使われていることです。
    (  )の部分が無ければ、よくわからなかったところがたくさんあります。
    (  )という形をとったことで濃淡がでて、長々と暑苦しい文章になることもなく、私レベルでも理解しやすいのだと思います。
    こういうところ、自分も参考にしたいし、他の著作家の皆さんにもお薦めしたいです。

    アジアとありますが、ここでは東アジア南アジア東南アジアにしぼっています。
    終章を少しメモします。

    〈アジア史は、そのはじまりから外部勢力の影響を受けたとはいえ、当初は三つのサブ地域の力が勝り自律的活動を展開していた。
    それが、モンゴル帝国の出現を契機にして、いくつかの国が一隻の「アジア号」の乗組員となり、近代にヨーロッパ勢力が到来すると、ほぼすべての国が「アジア号」の乗組員になり、他律的に歴史の道を航海した。(見方によっては「運命共同体」と言うことができる。ただし、そのなかで唯一の例外が日本だった)。
    第二次世界大戦後はアメリカがアジア号の乗組員に大きな影響を与えたが(正確にいえば、冷戦期には親米の「自由主義号」と反米の「社会主義号」の二隻に分かれた)、他方では、アジアは自律を回復して、2000年代になると、アジアのことを自ら決める「アジア共同体」を模索するようになった。これがアジア史の現在地である。〉

  • アジア域内の交流と、欧米など外部勢力との相互作用とに着目しながら、各国史の寄せ集めではなく一体的にとらえたアジア近現代史入門

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2538/K

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著者プロフィール

元アジア経済研究所地域研究第一部主任研究員
元拓殖大学国際学部教授

「2023年 『現代アジアの「民主主義」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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