「夜ふかし」の脳科学: 子どもの心と体を壊すもの (中公新書ラクレ 194)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121501943

作品紹介・あらすじ

睡眠不足による脳内ホルモンの分泌異常などが、子どもの体や心、脳の成長に深刻な影響を与えている。"世界で最も眠らない"日本の子どもたちの脳内では、何が起こっているのか。

感想・レビュー・書評

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  • どうして夜ふかしが増えたのか、原因を探っていく本だった。特に心に残ったのは2つ。
    1つ目は、子どもたちに睡眠を取らせていない責任を親だけでなく、学校や社会、子どもの囲まれている環境など、全体の責任であることを示したことである。
    2つ目に、睡眠前の入眠儀式の功罪である。

  • 夜ふかしとセロトニンの関係について。24時間社会がもたらす障害(135ページ)
    セロトニンの材料となるのはトリプトファン(アミノ酸)食物として取り入れないとならない。(138ページ)

    P167→幼少期にセロトニン活性が十分に高められない場合、脳機能全般に悪影響を与える。(低セロトニン後遺症)
    24時間社会など、人類かつて経験したことのない未曾有の環境。

  • 睡眠の常識/非常識がいくつか載っていて、2005年出版だけど参考になった。

    夜更かしの原因がテレビだったり、夜更かしを防止するための対策も載っていたので、いつも0時以降まで起きている自分にはありがたい一冊。

    日本の学生が0時前後まで起きていることも載っているということは、14年後の日本はもっと夜更かしが常態化しているとも言える。

    本書で睡眠の重要性を理解してほしい。

  • 成長期の子供の睡眠の大切さを説くと感じた。「早起き、早寝、朝ごはん」が周期24時間の生物としてとても大事な生活習慣である。ゲーム脳では前頭葉が活性化されないとのこと、納得した。

  • 2005年刊行。◆朝日を浴びるのが最高の方法かな。夜更かしの問題は、内的脱同調(慢性時差ボケ//体温・ホルモン・覚醒リズム紊乱)に代表される。そして、夜更かしの結果生じる睡眠不足は老化をもたらし、低セロトニンによって衝動・攻撃性亢進、共感性が欠如していく。なお、学習は繰り返し。

  • 筆者はわからないところは「わからない」と言って、専門分野については誠実なことがわかるけど、それ以外のところが「うーん、」といった印象。ゲーム脳とか持ち出してきちゃってるしね。話半分で読まないといけなさそう。

  • 子どもをもつ人はみんな読むべきだと思う。

    眠ることのメカニズムを説明した本です。
    眠ることの効用というか、生物としての人間にとっての眠りの意味について、様々な観点からの検証も行っています。すべてが明らかになっているわけではないらしく、「こうだから、こうだろう」というレベルの記述も多いですが、逆に断定的ないあたり、良心というか科学者としての姿勢を感じます。

    ただ、専門的な物質名や数値がでてきてて、それはそれで根拠として必要なんだけど、正直、しっかり読めなかった(笑)

  • 人間の体内時計は25時間で、地球時間(=24時間)とはズレが生じるということは最近知られている。
    それを詳しく解説してくれている。

    朝、光を浴びることで、その周期がリセットされ、地球時間に合わせることをしないと、慢性の時差ボケ状態になってしまうようです。
    逆に夜に光を浴びてしまうと、生体時計の周期を長くしてしまい、調整を狂わせてしまうことを、もっと知らなければならないと思った。

    睡眠時間さえとっていればよいというものでなく、暗くなったら眠るというサイクルが必要ということを改めて知る。
    セロトニンがうつ病の薬であることも踏まえ、現在のこどもに多く発症するうつ病や、すぐにキレるという原因は、ここにあるのではないか?との疑問が印象的でした。

  • 朝4時まで起きている夜更かし生活をしていても、正午までしっかり8時間寝ているから大丈夫だと嘯いているあなた。ぜひ一度本書をご覧あれ。気づいていない人もいるかもしれないが、現在の日本は、有史以来人類が未体験の(大げさに言えば人類史上初めての)環境が私たちにどんな影響を及ぼすのか、壮大な実験をしている。人口の減少、高齢者割合30%超、未体験の一人っ子割合や核家族割合、1人1台携帯所持、史上最低の乳児死亡率……。そうした未体験ゾーンが多くあるなかで、過去に例のない「超夜更かし社会」が将来何をもたらすのか、誰も答えを知らない。学生のみなさんは、この先50年の間に、その結果を身をもって体験することになるだろう。

  • ゼミで使用した本なのですが、現代の親・子ども・社会の問題点だったり眠りの重要性だったり…というよりも、どのように睡眠をとればいいのか、どのようにすればよく睡眠できるのか…というところで非常に自分に役立った一冊。
    この本がきっかけで、脳のことや睡眠、人間の見る夢について強い興味を持ちました。
    ただし、この記事を書いてるのが夜中3時な時点で、活用できてるとは言い切れない。

  • 今更。

  • 分類=子ども・脳・睡眠・生活習慣。05年10月。

  • 息子を一刻も早く寝かさなきゃ、と思える本。睡眠はダイエットにも効果的とか。

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著者プロフィール

医学博士。日本睡眠学会理事。子どもの早起きをすすめる会発起人。
1981年東京医科歯科大学医学部卒業。2000年同大学大学院助教授、2004年東京北社会保険病院副院長、2008年同院長、2009年4月より東京ベイ浦安市川医療センター管理者に。その他、公益社団法人地域医療振興協会理事、日本子ども健康科学会理事、日本小児神経学会評議員なども務める。

「2020年 『睡眠の名医が教える聞くだけで赤ちゃんがぐっすり眠る魔法の音楽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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