大学の話をしましょうか: 最高学府のデバイスとポテンシャル (中公新書ラクレ 195)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121501950

感想・レビュー・書評

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  • 「いや、そうは言ってもそこは捨てられないでしょう。」と思う所と、「うん、まあ言われてみればそういう考え方もある。」と思う所と半々くらいかな。ちょっと所々「人と違う自分」みたいなのを愛でてる感じがするような気もするけど、そんな風に見えるところも個性なのか。

  • 作家の森博嗣氏が、名古屋大学の助教授を辞めた年に出版した本です。偉くなると雑務が増えてしたいことができなくなるのは企業も大学もいっしょのようです。
    66ページの学士、修士、博士の違いというコラムはなるほどと思いました。
    要約しますと、

    学士:仕事と手法が与えられたとき、それを的確に解決できる
    修士:仕事が与えられたとき、手法を自分で模索し、方向を見定めながら問題を解決できる
    博士:そもそも、そのような問題を与えることができる

  • 国立N大学工学部の元教官で、人気ミステリ作家でもある森博嗣さんが、大学を辞めた年に出版した本。若い人向けに、今の国立大学の惨状を語って聞かせる形式をとりつつ、内容はかなり過激である。私がN大工学部に通っていた頃は、森さんも現役の助教授として勤めていたので、「すべてがFになる」を片手に研究室訪問でもしておけばよかったかも。まさか定年前に辞めてしまうとは思っていなかったけど、本書を読めば、森さんがいかに大学組織に嫌気が差していたかが分かる。(ちなみに、N大工学部時代の私の先輩は、サインをもらうために、わざわざ森さんの部屋を訪ねたらしい)

  • 今の大学の在り方と教育についてをインタビュー形式で述べたもの。掘り下げて考えるというよりも、頭を柔らかくして見つめてみるといった印象を受けた。口語で書かれているため手軽に読める一冊。

  • 「大学は基本的に研究を行うところ」だから「大学は、学問をしたい人に学問をする環境をいつでも提供できるということが使命」だ。
    最近は少子化のため大学も生徒集めに奔走している大学もあると聞く。大学へは全員入学できる時代である。もちろん希望通りの大学へ入学できるかどうかはわからないが、数だけで考えるとそうなるらしい。大学はどうあるべきなのか、人それぞれの価値観も多様化している現代において、しっかりと考えていかなければならない問題であろう。大学も淘汰されていく。それは当然のことであろう。

  • 著者はスカイクロラなどで有名な森さんですね。
    中身はインタビュー形式な感じです。

    色々書いてあって面白かったです。
    学問をなぜするのかとか、大学が歪だとか。

    特に、減ったり、失われたりすることに対する考え方には考えさせられましたね。

  • 助教授・森博嗣が「大学」について語った!

    読了日:2006.12.15
    分 類:エッセイ
    ページ:188P
    値 段:720円
    発行日:2005年10月発行
    出版社:中公新書ラクレ
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    テーマ:大学
    語り口:Q&A形式
    ジャンル:エッセイ
    対 象:一般向け
    雰囲気:インタビュー
    聞き手:名倉 宏美
    ----------------------------

    ---【100字紹介】--------------------
    某国立大学助教授だった森博嗣が、
    「大学」について様々な質問に答えるインタビューの模様を書籍化。
    Q&A形式で、最近の学生についてや内部からの視点で見た大学など
    学生論、大学論として様々に語る「大学の話」。
    ---------------------------------------

    副題は「最高学府のデバイスとポテンシャル」。

    すっかり作家として定着した森博嗣が、元々の正業である「教員」として、大学についてのインタビューに応じる、という内容です。聞き手は、中央公論新社から出る森氏の本でも名前をお見かけする(N倉氏として登場)名倉女史。森氏の担当編集者さんですね。

    内容としては概ね正論であって、大学内部にいたことのある人なら「まあ、そうだろう」とうなずく内容かと思われます。ここでいう大学内部とは、大学で働いたことがある、もしくは大学院に在学したことがある、という意味くらいでしょうか。学部だけで大学を出てしまうと、あまりぴんとこないかもしれません。

    大学そのものに関わらない部分については、賛否両論かもしれませんが、菜の花はこちらもほぼ同感で、「そりゃそうでしょうね」と納得の内容が多い感じですね。ああ、でもときどき「え?そりゃどうだろう?」というのも完全にゼロではないので、「そうか…こういう見方もあったか」と
    面白く読めました。変な「専門家」や「識者」が語るより、現場にいた人の言葉は興味深いものです。

    この森氏もついに大学を辞められましたね。(とっくにやめていますが、この作品の出た頃の感覚ではそういう感じ。)これからは大学を見る目も、外の視点になっていくかと思いますが、そうなったときにどういう意見を語るのか、がとても気になります。しかし…そうしたら自分の興味のあること以外、見ない人ですから、大学にはもう目を向けることもなくなって語ったりはしなくなってしまうのかな、とも思います。大学、特に理系の研究室から見たような小説、エッセイが面白い作家さんだったんですけど、これからは普通の人になってしまうのか…、それとも、もっとまにあっくな趣味の世界にはしってしまうのか…、まあ、十中八九、後者かと思われますが。。。


    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    展開・結末 :★★★
    簡 潔 性 :★★★
    独 自 性 :★★★+
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------

  • 将来のため、勉強の一環としても参考になりました。
    自分の考えを固めるまでには、知識も経験も不足ですが。
    何を自分の人生から切り離すか…。
    捨てることも選択の一つであるということを、改めて感じました。
    人生における選択も同じなのだなあと。

  • 文系とか理系とか言っていると馬鹿にされますよ。この世の中は何でもありなんだからね。大学がいかにダメなところかがわかる。情けない国だ。

  • ありのままの事を、語っているのでうれしかった。
    人と比べる事で、幸せはかんじるとはちょっと違う気がするので。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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