- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121502360
感想・レビュー・書評
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2011 11/22パワー・ブラウジング。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
ちょいと必要があって分類の歴史について調べていたときに、書架で見かけて「これだ!」と思い手に取った本。
博物誌、西洋/東洋の百科事典、図書館分類、と複数の視点から知識の分類の歴史を扱った本。
「分類」の歴史を実例を中心にざくっと紹介しているだけといえばだけ、の本なのだけど、意外にそういう本がないのでありがたかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分類の歴史は人類の「知」の歴史である:
ただの雑学からん体系化へ…
先史時代
古代
中世
近世
現代
博物学の豊穣:
博物学のはじまり
雑学書のようなもの
プリニウスの博物誌
アリストテレスの動物分類
理解しがたい分類法
テオフラストスの大ざつばな分け方
ディオスコリデスの「薬物誌」
「分類学の父」リンネ
世紀の大博物誌
ラマルクの『動物哲学」
キュピエの「動物界」
明の時代の総結集、「本草綱目」
「庶物類纂」
フンポルト「コスモス」
西洋の百科事典の歴史をひもとく:
博物誌と交差しながらたどった別の道
アリストテレスの著作と当時の知
自由七科と六芸
イシドルスの「語源誌」
イスラム圏の知
フーゴーの学問体
バルトロマエウスの「事物の属性について」
ヴァンサン「大鏡」
トマス・アクイナスの「神の知」
ベーコンの「大革新」
「百科全書」
天工開物
「系統的百科事典」
ヘーゲル「エンチュクロペディー」
東洋の百科事典:
類書の果たした啓蒙の役割
「呂氏春秋」
「淮南子」
「爾雅」
「類書」
「太平御覧」
類緊国史
「和名類緊抄」
「塵袋」
「下学集」
「和漢三才図会」
和製類書
「婚遊笑覧」
「古事類苑」
「廣文庫」
図書分類ーあまりに広い「知」の森のなかで:
本の分類史最大の発明
アレクサンドリア図書館の「ピケナス」
「七略」
四庫全書の分類
ヴェーダ
大蔵経
修道院の蔵書
ゲスナー
ライプニッツの図書分類の特色
十進分類法
分類基準は各図書館ごと
コロン分類法
大宅壮一文庫の分類法
分類の可能性について:
自分だけの宇宙をつくるため
勉強法としての分類術
思考訓練としての分類術 -
718円購入2011-02-09
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本書は、博物学、百科事典、図書分類方法の歴史について解説する。だいたいの始まりは、アリストテレス(西洋)あるいは始皇帝の時代(東洋)である。
分類の歴史=知の歴史というのは妙を得ている。歴史全体を俯瞰すると、知の歴史が、国の栄枯盛衰を定めているように見える。
アレクサンドリア図書館は、アリストテレスの時代に繁栄を極め、後にシーサーにより破壊され、ローマ帝国が東西に分裂した時には、アレクサンドリアも破壊された。ローマ帝国分裂から大航海時代までを西洋の暗黒時代と呼ばれるが、まさに知が失われたことにより、西洋の進歩は止まったようだ。
それでもその後、イタリアでも早い時期に修道院が知の分類を始めた。このことが後に、他の国ではなくイタリアでルネッサンスが興った理由ではないだろうか?
また、アレクサンドリアの知は、イスラム帝国が継承し、イスラム帝国の繁栄をもたらした。私見だが、その後イスラムから分離独立したスペインが植民地競争に先んずることができたのも、この知の継承があったからではないだろうか?
なお日本での分類学は、平安期である。当初は中国の書の輸入をし、ちょうどひらがなが起きるとき、日本での分類体系もできつつあった。その中で活躍したうちの一人が、菅原道真である。
本書では、博物学、百科事典、図書分類という切り口で、知を分類する。博物学とは動植物が対象である。薬学的な内容が多い。百科事典は、昔から娯楽的要素があったそうだ。ゴシップやトンでも記事など。
目次
序章 分類の歴史は人類の「知」の歴史である。
第一章 博物学の豊穣
第二章 西洋の百科事典の歴史をひもとく
第三章 東洋の百科事典
第四章 図書分類
第五章 分類の可能性について -
サブタイトルがおかしい。意味もなく"常識"とかつけちゃうヤツにロクな奴はいない。
進行がヒドい。必要性皆無なのに架空の女生徒と自分を会話させちゃっててキモイ。
章立てが悪い。分類学の本のくせに時代と地方を行ったり来たり駆け巡って全然整理されていない。
内容がイマイチ。各種文献の章立てを見て注釈とも感想ともつかないような簡単な意見を述べるだけ。
結論が終わってる。『新しい「知」の体系を構築することができるのか。それが私たち一人ひとりに与えられた課題だろう。』
って!!過去の分類の歴史の積み重ねを全く考察することなくそれか!!
コンピュータと"検索"の登場で分類学的にはこれからが面白くなるところなのにほぼ触れないとか逆に恐れ入る。
まぁ各種古典百科事典の章立てを手早く収集したい時には参照できる一冊かもではあるが…。オススメはできない。 -
新書文庫
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貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784121502360 -
著者:久我勝利(1955-) 松岡正剛の弟子らしい。
本文DTP:市川真樹子
かなり「かけあし」というか、解説が寸足らず。もっと深く掘らないと、博物学チックな興味を醸せない。
【目次】
はじめに [003-004]
目次 [005-011]
序章 分類の歴史は人類の「知」の歴史である 015
“ただの雑学”から“体系化”へ 017
先史時代 019
古代 020
中世 022
近世 023
現代 024
第一章 博物学の豊穰 025
博物学のはじまり 027
雑学書のようなもの 029
プリニウスの博物誌 031
アリストテレスの動物分類 037
理解しがたい分類法 041
テオフラストスの大ざっぱな分け方 045
ディオスコリデスの『薬物誌』 047
「分類学の父」リンネ 049
世紀の大博物誌 054
ラマルクの『動物哲学』 061
キュビエの『動物界』 066
明の時代の総結集、『本草綱目』 070
『庶物類纂』 073
フンボルト『コスモス』 076
第二章 西洋の百科事典の歴史をひもとく 081
博物誌と交差しながらたどった別の道 083
アリストテレスの著作と当時の知 084
自由七科と六芸 088
イシドルスの『語源誌』 091
イスラム圏の知 095
フーゴーの学問体系 097
バルトロマエウスの『事物の属性について』 102
ヴァンサン『大鏡』 106
トマス・アクィナスの「神の知」 111
ベーコンの「大革新」 116
『百科全書』 120
天工開物 129
『系統的百科事典』 131
ヘーゲル『エンチュクロペディー』 133
第三章 東洋の百科事典 137
類書の果たした啓蒙の役割 139
『呂氏春秋』 141
『准南子』 144
『爾雅』 147
『類書』 149
『太平御覧』 153
『類聚国史』 156
『和名類聚抄』 158
『塵袋』 161
『下学集』 163
『和漢三才図会』 165
和製類書 168
『嬉遊笑覧』 169
『古事類苑』 172
『廣文庫』 174
第四章 図書分類――あまりに広い「知」の森のなかで 177
本の分類史最大の発明 179
アレクサンドリア図書館の「ピケナス」 180
『七略』 183
四庫全書の分類 185
ヴェーダ 189
大蔵経 191
修道院の蔵書 194
ゲスナー 198
ライプニッツの図書分類の特色 200
十進分類法 202
分類基準は各図書館ごと 207
コロン分類法 210
第五章 分類の可能性について 213
自分だけの宇宙をつくるために 215
勉強法としての分類術 217
思考訓練としての分類術 219
あとがき(二〇〇六年一〇月 久我勝利) [221-222]
参考文献 [223-225] -
この世にあるもの・ことをどのように分類するか。
そこに知の在り方が現れる、ということは重々承知。
私はこの本にその地の営みの歴史が跡付けられているのだろう、と思ったけれど…そこまで学問的な本ではなかった。
つまり、それぞれの本の歴史的な意義が整理されていくというわけではないのだ。
取り上げられているものも、どういう基準なのか、配列もどういうルールなのかも、さっぱり見えない。
もっと店頭でしっかり見極めて買えばよかった。
もちろん、古今東西の博物学の本や百科事典の分類がどのようなものか、項目だけでも眺められたのは貴重な経験だった。
もっと深く知るモチベーションを作ってくれる本、という意義は認められそうだ。 -
購入日:20111023
筑波大学の講義『知識資源の分析』に関連していて,おもしろそうと思い購入。
まだ読んでいない。