言葉の力 -   「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ 389)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121503893

感想・レビュー・書評

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  •  今考えるとすごい速度で出版されたんだな。

     3.11以降の政府の動きなんかをベースに、東京都の副知事が世界と渡り合える、あとマスコミと渡り合える「言葉の力」について書いてる。ということは、東京都が進めている、言葉の力を陶冶するプロジェクトの紹介でもあるわけです。

     自分の考えを伝える技術、って云うけども、本書に書いてある程度の能力であれば在野にいっぱいいる程度の人材だと思うのです。顧みれば、まぁだいたいはまともに「正社員」とか「公務員」とかやってない人々で、このくらいの空間把握や、情報伝達の技術を持っている人はいくらでもおる。
     問題は、そういう人がまともに今の世の中で公務員をやったり、世界と渡り合ったりする気があるかどーか、という話なんじゃないの、と読んでて思うのだった。今ァ偉くなっても、叩かれるばっかりでそんなに旨みがないものね。

     ただ、書いてあるエピソードとか、いわゆる「霞が関文学」とか、そういったエピソードの一つ一つは面白かったし、これからの基礎教養だといって良い部類の話だとは思うので、★5つとしました。

  • いい加減○○の力っていう表題はやめたほうがいい気がする。もったいない。

  • 言語コミュニケーションにもテクスチャーがある。
    日本人はきちんと扱えない。

    他の著書でも大体最近はこの話。

    メルマガ、ブログ、日経BPの連載等から加筆修正した一冊とのことで、
    非常に読みやすいが他のやつのがいいかな。



    感想を理由を伴って説明できない日本人、ってのは非常によくわかる。
    外国人のことはわからんけど、「君はなぜこれが好きなの?」って話をすると答えられない人が多すぎる。

    それがわからなかったら自分にとって面白いものなんて探せないでしょ。
    そうか、だから無趣味な人が多いのか。

  • 一人メシではつい何かしら文字を追ってしまう活字中毒(※自分)や、日本語が自在に操れるメリットだけでも来世も日本人に生まれたい日本語フリークは、少なくとも読んで損はしない

  • 「買ったすべての本を完読しなくてもいい」という提言は目からウロコだった。考えてみれば辞書を買ったって全項目読むわけじゃないよね。
    この本は「言語技術」というのがテーマだが、あくまでも入門書として著されているような気がする。とはいえ書かれている猪瀬氏の言葉は、読むこちら側の頭の中のバラバラのピースをはめ直し、考えるためのフローチャートを構成してくれる役割を果たしてくれる。猪瀬氏を好きか嫌いか、という観点とは区別して、氏のものを考える方法に関してのレクチャーはわかりやすいし、参考にしたくなる。

  • 猪瀬さんの印象が変わりました

  • 都知事の本。説明には型(ルール)がある。概要から詳細へ、全体から部分へ、あるいは大きい情報から小さい情報へ。言語技術を習得するには、知ったかぶりをしない、問題の対象を見ずに自分がどう見られているかばかり気にしたりしないことが大事。
    面白かったです。

  • 言葉の大切さ、言論の有用性を緻密に論理立てて説かれている。
    ペンの力を信じる人にとっては、現代の言葉力の低下を危惧する。

  • 「『絆の回復』はかんたんではない。『言語によるコミュニケーションの回復』こそ、ひとつの力強い道筋であると思われる。」(あとがきより)
    絆は言葉の力によって培うものだということがわかる本です。

  • 言葉を正しく使えば、人とのコミュニケーションが進み、社会全体の利益となる。でも社会に正しい言葉を充満させるには一人ひとりの自覚が必要となるわけで。そんなひとりになろうと思う。

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著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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