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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505996

感想・レビュー・書評

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  • 2020.06―読了

  • 海外から日本がどうやって見られているか、を見るにはよい本。
    失敗(戦争を起こしたこと)を認める弱さががないと本当の強さは得られない、といは最も。次はライシャワーのThe Japaneseを読もうっと。

  • ハーバード知日派って凄い。彼らの言葉から日本から世界を見ているだけの視野の狭さに加えて、日本についても知らないことに、激しい羞恥を感じる。
    著者の佐藤氏は、このような教養派にしっかりとインタビューされており、予習を含めて周到に準備されたのだろう。日本人が見る米国の事について氏に尋ねてみたい。

  • インタビュー形式で展開していく日本史教室。

    分野ごとで、内容に差があるのが残念。

    しかし、知の結集であるハーバードの授業内容を断片的に知れたのは良かったと感じた。

  • 「世界に日本という国があって良かった!」...。アジア人として初めてノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン教授(インド)の言葉に象徴されるように、ハーバードの教授と学生は日本という国、特に日本史から数多くを学んでいる。東大の教養学部からコロンビア大学でMBAを取得し、現在は「ハーバードウオッチャー」として有名な著者が、10名の教授たちへのインタビューを通して「世界から見た日本史」の新たな魅力を追い求める。戦後における日本経済の高度成長の要因を分析した『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者で知られるエズラ・ヴォーゲル氏や、知日派で知られる国際政治学者のジョセフ・ナイ氏など、錚々たる顔ぶれが日本を語る、何とも贅沢な一冊。

  • 10人の知の巨人たちが語る日本。
    ハーバードの学生は、こんなに楽しくかつ
    深淵な日本史を学べるのかと、
    うらやましくなる。
    コロナの影響で先の見えないこの時代に
    歴史から学べる知恵がたくさんあると
    改めて認識した。

  • 日本が日露戦争で勝利したことにより、アジアの国々の中で、西洋の帝国主義に立ち向かうための機運が上昇する。
    しかし、「世界の侵略からアジアを守る」と言いながら、裏では植民地支配を拡大する二面性もあったのは事実。
    現在の日本が内向的になってしまた理由は、大日本帝国時代は外向き志向であったが、WW2をきっかけに単民族国家としての日本がメインストリームになってしまったため。
    「我が国は特別でも完璧でもなく、わが国にも暗い歴史はあるのだ」と認めたうえで、自国を誇りに思うことが大切。

    西洋諸国では、封建時代は、豊かになればなるほど税金を搾取される仕組みだったが、日本は「村請制(年貢は一人ひとりではなく村の総量で決まる)」を取っており、村で決まった年貢を協力して納めていれば副業は何をしてもよかった。

    明治維新は世界から良いところを取り入れて、独自の政治・社会・経済システムを作っていった。ここから他国の制度を自国のものに発展させる能力が優れているが、今の時代は、明確なゴールを持ち、国としてどの方向を目指すのか分かっていない。

    ペリー来航は、環境史的に見れば、「開国の要求」ではなく、当時大国だった中国と貿易をするため、必要なものを補給させてもらうための中継地的な役割によって成された。
    また、明治時代の近代化を支えたのは、九州にある石炭の炭鉱が、海岸沿いの運搬が便利な地区にあったため。

    日本は当時世界一のスピードで電化をした。他の大都市と比べてガスの普及が遅れていたこと、江戸の人口密度の高さ、鉄道の普及が早かったことなどが原因。

    日本は歴史的に、フェア・シェア(富を国民でシェアする)の意識が強い。

    何故日本には長寿の会社が多いのか?→グローバルに打って出ず、ローカル企業が長寿の傾向があり、また独自のビジネスとノウハウを持っている会社など
    渋沢栄一:合本主義(公共・公益のために企業が社会的責任を果たすべきだとする理論)
    岩崎弥太郎:個人が利益を追求するべきとする理論

    他国に影響を与え、望む結果を得る3つの方法
    1.軍事力の行使
    2.報酬を与えて相手を動かす
    3.同じ目標を共有して、ともに欲しいものを獲得する
    1,2がハードパワー、3がソフトパワーと呼ばれる。

    仏教文化は「人間の行為は知識に基づくべきである」と見方をしているため、仏教国は、他の宗教国よりも識字率が高い傾向にある。
    仏陀は、信仰の優先順位を3つ目に置いている。1に知識、2に善い行い、3に信仰。

  • 【内容】
    世界最高の学び舎、ハーバード大学の教員や学生は日本史から何を学んでいるのか。『武士道』『忠臣蔵』から『メイド・イン・ジャパン』まで取り上げる一方で、「終戦の詔書」を読み上げたり、和食の奥深さを学んだり……。
    授業には日本人も知らない日本の魅力が溢れていた。アマルティア・セン、エズラ・ヴォーゲル、アンドルー・ゴードン、ジョセフ・ナイほか。ハーバード大の教授10人のインタビューを通して、世界から見た日本の価値を再発見する一冊。

    【感想】
    2017年11月読了。
    もう一度読みたい。今読んだら前回とは違うところに注目できる気がする。

    ハーバード大学の教授陣が語る日本史。だが日本史にとどまらず環境問題やリーダーシップ論、経営学、経済学、和食に日米関係など多彩。全体的に日本を好意的に見てくれてるので読んでいて嬉しくなる。

    経済成熟国が再び3〜4%の経済成長を達成した例はなく、高い経済成長を目標にせず、日本が目標とするべきことは沢山ある。

    歴史を正負、両方の側面から見る。歴史を通史で見る。

    「世界に日本という国が存在してくれてよかった」
    by アマルティア·セン

  • アルバート・クレイグ
    「世界との繋がりという観点でみれば、日本の歴史には二回、重要な出来事がある。1つは飛鳥時代。中国から仏教、儒教、律令制度が入ってきた。もう1つが明治維新。西洋から様々な制度が入ってきた。1回目は中国から!2回目は西洋から、国家統治制度を取り入れて国づくりをしてきた」
    →日本の強みは世界の国々から制度や文化を取り入れて自国のものに発展させていく能力。現在の課題は国のゴールがわからなくなってしまったこと。「ゴールの欠如」=「ビジョンの欠如」みたいなこと。

    中国からの思想をそのまま受け入れた飛鳥時代。西洋とのギャップを埋めていくためにどうすればいいか?を死ぬ気で考え実行に移した長薩藩閥政治が政党政治になって民主主義が形成された明治維新。ここに続く次のビジョンをどう生み出していくか、そのためにどう教育をアップデートしていくか、が大事なのは誰もが感じていることなんだろうけど、あらためてこの大きな歴史の流れをみると、次のビジョンは世界課題の解決というSDGs的な発想に流れ着くんだろうなと思う。そこにお家芸でありながら世界経済の中でうまくポジショニングできてない科学技術をどう絡めていくかになるはず

    サンドラ・サッチャー
    トルーマンの原爆正当化の根拠は3つ。
    ・功利主義
    戦争を早く終わらせ、結果的に犠牲者少なくなる
    ・戦争は地獄
    敵対行為に抵抗する側は勝つために何をやろうが非難されない。真珠湾で仕掛けたのは日本側。
    ・スライディングスケール
    正義の度合いが高いほうが、より正しい
    これも真珠湾攻撃がアメリカの正義を高める根拠になってる

    中国人の視点から、アメリカの原爆は正しかったと主張する学生もいる。たしかに。二項対立だけで見がちだけど全体から捉える必要もある。

    アマルティア・セン
    「宗教がもたらす文化的影響力がある。その恩恵を受けるのにその宗教を必ずしも信仰する必要はないし、教義を全て信じる必要もない」
    仏教では①知識②良い行い③信仰と、信仰の優先順位が三つ目にくるのに対して、キリスト教は信仰が何よりも優先される。

  • 2003/2/2

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著者プロフィール

1998年3月 一橋大学法学部卒業
1999年8月 マールブルク大学(ドイツ)法学部公法・国際法専攻(LL. M)修了
2000年3月 一橋大学大学院法学研究科公法・国際関係専攻修士課程修了
2003年8月 マールブルク大学法学部公法・国際法専攻博士課程修了(Dr. jur)
外務省勤務,明治大学法学部専任講師・准教授等を経て,
2021年10月 明治大学法学部教授(現在に至る)

「2021年 『EU海洋環境法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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