- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122017122
感想・レビュー・書評
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臨場感があって自分も漂流しているような気分になった。星や宇宙や内蔵の話をミランダとしてるシーンが好き
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何度目かの再読。
20代前半、図書館で背表紙を見て思わず手に取った。
南の島、土着の人の生活・文化に対するリスペクト、精霊たち、便利さの皮をかぶった資本主義の流入に対する抗えなさ。「マシアス・ギリの失脚」などのちの著作へ脈々と続いていく。
細かいところは忘れていたので、再読でも楽しめた。 -
すごいすごい、素晴らしい。
無人島に漂着して、生命を維持することが目的の生活を送る。
その愉悦と現実に戻らないことへの背徳感。
想像力で人はここまでのものが書けるんだなあ。
本当にこの作家さんは素晴らしい。
世界と人間を手のひらにのせて、見せてくれる。-
「世界と人間を手のひらにのせて」
池澤夏樹を読むと、先ず生真面目さに、襟を正す気分になるのですが、チョッと突き抜けたと言うか、え!と思わせる...「世界と人間を手のひらにのせて」
池澤夏樹を読むと、先ず生真面目さに、襟を正す気分になるのですが、チョッと突き抜けたと言うか、え!と思わせるところが凄い。
2013/08/02
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最近は池澤夏樹にハマっている。なんとなく、彼の清潔で頭の良さそうな感じの物語世界が今の気分にぴったりな感じ。文明社会に組み込まれつつも少しだけ距離を取り、人間以外の世界の仕組み(動植物や星空や宇宙など)と対比させる感じが、巣篭もり生活の良き伴走者になってくれる感じがする。
本作は、文学版「あつ森」みたいな感じで、ちょっとした気の緩みから孤島に流れ着いた新聞記者が、島の生活に順応していくという物語。遠い南の島の孤独な生活がとても心地よい感じがする。
読後感は、ゴツゴツとした感触で、まさしく、処女作といった感じの小説だった。これから文章で身を立てていくという意気込みみたいなのがとくに後半部から書き連ねられており、その気迫みたいな熱さを感じた。
これから飽きるまで彼の作品を追っていくつもりでいるのだけれども、どうなるか気になる。 -
再読日 19940301 20000529
主人公のヤシが島で生きていくための知識をひとつずつ覚えていくのが、自分のことのように感じられて面白い。島の生活に馴れた結果、文明との距離の取り方、そしてラストで文明に回収されることを先延ばしにし続ける態度に共感できる。マイロンの別荘があるため、文明と完全に隔絶しているわけでもない、いわば中間の存在。このような島での生活ができれば、文明の日常に帰還する必要ってあるのだろうか? 20000723 -
初めて池澤夏樹を読んだのはこれだったな。大学生の頃だったはずだから,もう20年以上昔の話…。
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池澤夏樹のなかでも最もすきな本。
皮膚に迫ってくるようなリアルな自然。夢中であっと言う間に読み終えました。