シュガ-タイム (中公文庫 お 51-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122020863

感想・レビュー・書評

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  • <学生コメント>
    大学生の主人公がつけ始めた奇妙な日記から物語が始まります。ちょうど主人公が私たちと同じ大学生なので、親近感を抱きやすい作品です。

  • 共感できる部分が少なくあまり刺さらなかったけど吉田さんが手紙で伝えたかったことはわかるなあ、ってなんとなく腑に落ちた。取捨選択することは自由だけど身勝手に感情と時間を奪う人は嫌いなのでフィクションの存在だとしても吉田さんは生理的に受け付けない

  • 表現が独特で驚かされた。こんな表現方法があるんだ、と新しい発見ができた気分だった。
    読んでいて不思議な感覚にもなった。
    ただ、時代背景が現代とは違うせいか、少し難しく感じ、あまりストーリーには入り込めなかった。

  • 繭の内側からほんのりとした光が透けているような、柔らかで繊細なお話でした。
    自分が主人公と同じ年位の時に読んでいたら、受け取り方が違ったかもしれないなと、失ったのかそもそも持っていたのかわからないけれども、その感覚に、少し寂しい気持ちになりました。

  • 本屋さんでなんとなく目に止まって購入。
    ページ数自体は少なくて、ちょこちょこ待ち時間を使って読みました。
    ただ結構読み取ろう、読み取ろうと読んだ気はします。初めて読む作者さんだったからかな。
    なんか不思議な感じ。

  • 小川洋子さんをすきになったきっかけの本。
    表現がきれいで、ゆっくり噛みしめるように読みたい

  • あっという間に終わってしまう楽しいひとときでもあるし、更なる甘さを求めてしまう中毒性も併せ持っているのだと思う。表題についてそう感じた。
    表題だけでなく、吉田さんの手紙の中の「含まれている」という一文がとても印象に残っていて、他者との関係性についてだけでなく、その人が持つ障害や病気も、障害によってカテゴライズされがちですが個人として向き合う、個人として理解して受け入れるのが重要なのかなと思いました。

  • 異常な食欲、恋人との別れ、弟の病気、継母…素材からするとどんなハードな物語だろうと思っていたらその全ての角を丸く削ったようだった。やはり小川洋子さんだった

  • 美しい単語と、少しだけ揺らぐ奇妙さ。自分の感覚や直感を信じている人が、登場人物になんとなく多い気がしてよかった。

    「不具を嘆いたり悩んだりすることが、物語のテーマとなるのであるか、彼女はそんなことに行数を割かない。なぜなら奇妙で過剰なものは、この世に存在するのが当たり前であるから ことさら読者の気を引くことはないのである」
    林真理子さん後書きの、小川洋子さんに対するこの言葉、よかったです。

  • 悲しい時、辛い時にも異常な食欲があり、欲に正直に、本能的に食べていく主人公。出てくる食材や料理はとても美味しそうに描かれているが、この異常な食欲によりどこか不気味に感じる。シュガータイムは欲を満たしてくれるが麻薬のようでエスカレートしていく。青春の中に潜む『糖分』という魔物の話だった。

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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