新選組血風録 (中公文庫 し 6-43)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 781
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (635ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122025769

作品紹介・あらすじ

悲恋に涙する沖田総司、隊士の心を妖しくときめかす前髪の美剣士、薩摩の間者富山弥兵衛、真贋の判じがたい虎徹に執する近藤勇…幕末の大動乱期、剣に生き剣に死んでいった新選組隊士一人一人の哀歓、生死のかたちを冴え冴えと浮彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 剣に生き剣に死んでいった新撰組の話。銀魂程度の知識しかない状態で読んだけど、めちゃくちゃのめり込んだ。こんなにも色んな人達がいて各々の物語があったことに当たり前やけど気付かされた。今では分からないこの価値観の中で生きて散っていく新撰組に焦がれる。

  • 浅田次郎の「壬生義士伝」を読んで、新選組に興味が沸き、兄の蔵書から拝借。使われている用語や漢字が難しくて少し難儀したけど、おなじみの近藤勇、土方歳三、沖田総司、その他隊士たちの日常や人間性が描かれていて、面白く読みました。
    特に土方歳三が魅力的だった。土方は、現代の世ならものすごく出世したタイプだろうと思った。できる男、それに顔もかっこいいと来た。芹沢鴨の愛人に声をかけられてドキドキしたり、俳句の趣味があったり、なかかなお茶目な人間臭さも感じられてよかった。次は「燃えよ剣」も再読しようかな。

  • ≪あらすじ≫
    幕末という大動乱期を生きた新撰組。隊士一人一人の生き様を描いた15編の連作短編集。

    ≪感想≫
    この小説を初めて読んだのが中学生の頃。緑布カバーの司馬遼太郎全集に収められていたこの短編集を夢中になって一気に読み耽った記憶がある。大学生になった今、懐かしさとともに再読して思うことは、力のある小説というのは何度読んでも色褪せることなく、むしろ読み返すほどに深くその世界に引きずり込まれるということだった。

    中学生の頃に一番好きだったのが「沖田総司の恋」という一篇で、若くして天才剣士と謳われた彼の純朴で人間味溢れるエピソードがとても気に入っていた。しかし今回読み返して一番心に残ったのが「胡沙笛を吹く武士」という話。守るべき人ができたことで鹿内薫という隊士に起こった心情の変化は、中学生の自分にはいま一つピンとこなかったのかもしれない。

    第三者視点で描かれたそれぞれの章に共通してみられるのは、人間を動かす様々な感情と、その感情に動かされる人間像。近藤、土方、沖田などの中心人物だけでなく、あまり有名ではない隊士にまで焦点を当てた本作は、歴史小説というよりも彼らの人間性を中心に描いているように感じられる。
    人間の本質というのはどんな時代も変わりないのかもしれない。だからこそ、人間心理を巧みに描いたこの小説は、時代を超えて評価されていくのだと思う。

  • 読み終った・・・
    歴史に疎い私ですが、夢中になって読んだ。

    「歴史に名を刻んだ偉人も、無名の士として消えた人々も、同じ人間である」魅力を伝えてくれたところがこの本の素晴らしいところなのではないだろうか・・・

    一人ひとりに焦点を当てた臨場感ある描写を夢中になって読んでいるうちにパラパラと耳にしたことのある人物達の点が線でつながった。という感じ。

    紙とペン付きで読み返している。
    既にボロボロ。

  • 高校時代、授業をさぼって図書館でふと読み始めた。もうそれはそれは、おもしろくて想像が膨らんで一気に読みふけました。これは、事実か想像か。だけどそのぐらいが歴史はおもしろかったりする。歴史初心者の方には、司馬さんの本は読みやすいと思います。

  • 新撰組関係の書籍を読み漁っているけど、流石の司馬遼太郎先生という、文章から想像される迫力や艶かしさが凄い。
    最初が篠原泰之進で始まるのも、伊藤甲子太郎推しの私にはとても良かった。どのエピソードも魅力的、兄に勧められた大島渚監督の御法度もみてみよう。
    ただ、新撰組を知れば知るほど近藤が好きじゃなくなるのは何故だろうか。

  • これまで歴史小説が苦手で敬遠していた司馬遼太郎さんの本を読む。面白いじゃないか…!思っていたよりずっと言葉がわかりやすく、軽妙な語り口、新撰組隊士たちの人間模様がとても鮮やかに描かれている。

  • かつての再読。15の異聞短編集。時間軸で進むのではないが、連作と言ってよい。解説は、角川文庫の解説より興味深い。連載と同年に「竜馬がゆく」「燃えよ剣」の連載が始まっていたというのは驚き。2017.1.1

  • こういう世界は苦手。土方も近藤も私にはちっともいい奴だと思えない。

  • 「菊一文字」「虎徹」などが面白かった!司馬遼太郎は、こんな斬れ味のいい文章を書くんですね。もっと新選組モノを読んでみたい。それぞれ個性がしっかりしているのと、長所と短所を併せ持っているように見えるのが、人間らしくて素晴らしいと思った。沖田総司は、ずっと勝手に成宮君で再生していました。のぼうの城の彼のイメージに近かったので。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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