- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122026933
作品紹介・あらすじ
朝はミルクにビスケット、昼はもり蕎麦、夜は山海の珍味に舌鼓をうつ、ご存じ食いしん坊内田先生が、幼年時代の思い出から戦中の窮乏生活、また知友と共にした食膳の楽しみに至るまで、食味の数々を愉快に綴った名随筆。
感想・レビュー・書評
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最後の少しを残したまま1年以上?ようやく読了。
いつ、どこから読んでもいい。
食べることと呑むことが大好きなんだねえ、先生(笑)
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グルメなんだか、ただの大食漢なんだか。
ちょっぴり偏食気味のわがまま
百ケン先生の綴る
食べ物に関するエッセイ集。
お酒が大好きで
度を超してはいかんと思いつつも
やっぱり失敗してしまったこと。
子供の頃に岡山で食べたものが
東京では手に入らないことに関する不満。
食べ過ぎに関する医者との攻防(笑)
座敷で酒を追加注文したのに来ないから
厨房をのぞきにいったら
「あそこの客にこれ以上飲ますな」と
仲居さんが叱られてるのを見てしまった
…というネタは
よっぽど腹立たしかったのか
2回も出てきますƪ(˘⌣˘)ʃ
どこを拾い読みしても、なんとなく愉しい。
やっぱり好き。 -
第75回アワヒニビブリオバトル「おうち時間DEビブリオバトル」3時間目 家庭で紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。
2021.05.02 -
食と酒と煙草についての随筆集。
「御馳走帖」なのに煙草も入るのは何故?とも思うが、ヘビースモーカーの百閒先生からすると「口にするもの」「美味」という点ではある意味ご馳走に分類される物なのか…。
美食についての話、というよりも「楽しい食事の話」といった感じ。出先での饗応への反発、お客に食事を出したい先方の奥様と百閒先生の攻防には共感と笑いが込み上げる。せっかく用意したのに、とも思うし、今は要らないのに、自分の好きな順番で物を食べたいという気持ちも分かる。食の不満話も、どこかユーモアがあり楽しい -
百鬼園先生の食随筆は、目鼻口、色色の感覚を動員して、初々しさと美味しさの調和を愉しめる。味、匂い、舌ざわりだけではなく、風情にも意識を置き、環境に身を浸し、光景から彷彿として来る印象を繋げて絵にすることを心掛けた。人は内側の興味と外側の興味の釣り合いがとれた状態のときに、いちばん美しくなれるので、脳裡に絵があれば、その理想的な絵に似た日常生活が自分の周りにできあがっていくと信じているから。
祖母のやさしさが胸に甘くひろがる『シユークリーム』、じゆんじゆんばりばりな『油揚』、謎の食前儀式『猪の足頸』が好き。 -
百けん先生の食べものエッセイ。贅沢なものを食べるのではなく、戦前・戦中・戦後を通して食べる娯しみ、食べさせる愉しみを綴った一冊。現代日本では失われて久しいお膳の風情と滋味を満喫。
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文語体っていうのかな??で書かれてはいるし、もちろん内容も時代を感じさせるものではあるのですが、それを思わせないようなとてもライトな語り口だった
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序にかえて、と戦争で食料は配給で満足に食べられない日々の食事の記録した日記と思しきものが掲載されていて、「野火」を読んだ後での食の描写に不思議な感覚を覚えた。
どちらも飢えているのだが、東京での食糧難は百閒先生にかかると切ないながらなんとも面白い。
常識では考えられないことが平気で書き連ねられていたり、故郷を食とともに愛おしそうに思い出し、文中の言葉一つ一つが味わい深く読んで良かった。学生の頃、授業で冥土を読んだはずなのに何一つ覚えていないのはきっと私の読書力が足りず、そして若さのためだったように思う。
百間先生、人間の格がチガウ。と思わせる一方で こんな亭主がいたら大変なんてもんじゃない。この食を支えた妻がエライ! -
ちょっとわがままなお爺さんによる、食べ物やお酒などの随筆集である。
“好きだから、好き”な食べ物のことが百閒先生の言葉遣いで語られている。
読み終わるのが勿体なかったので、約1ヶ月かかって読んだ。(他にも理由はあるが)
それくらい、どの随筆も愛しいものがある。
自分も「通りがかりの洋食屋のカレー」に付いては面白かった。
我慢しきれず食べことについて、それがおいしいんだかまずいんだか、よくわからないことになっているのが、すごく面白かった。