- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122027848
感想・レビュー・書評
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「臆病な自尊心と尊大な羞恥心から変わっちゃう話で」「それはトラや」「ネットによく転がっている」「それはコラや」「アンクル・トムの」「それは小屋や」「大げさな嘘のことを」「それは法螺や」「講談社の創業者の話かな?」「それは野間や」「大洪水にまつわる方舟の話で」「それはノアな」「ウッス」「プロレス風に返さなくていいから」「ちなみに名前はイプセンの小説かららしいね」「ノーラだね」「ラピュタに出てくる空中海賊の」「ドーラだね」「大草原の小さな家の」「ローラだね」「傷だらけの」「それは西城」「「ヒデキ、感激!!」」
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320ページほどの文庫本を読むのに、2週間もかかってしまいました。(普段ならこんなにかからないのですが…)
なぜかというと、百閒先生の心情が思いのほか共鳴してしまったからだと思います。
数ページ読むたびに、不安で胸が締めつけられて本を閉じてしまう…ということを何度くりかえしたことか。
贔屓のお寿司屋さんのたまご焼きが好きだったというノラ。
ノラがいなくなってしまった後に百閒先生はそのお店のお寿司がとれなくなってしまったのだそう。
百閒先生のお膳から、白身魚のお刺身を分けてもらい、一緒に食べるのが習慣になっていたというクル。
クルが病気で死んでからはお刺身もお膳に乗らなくなったのだそう。
このエピソードだけで、どれだけ百閒先生が2匹の猫に愛情を注いでいたのかがわかります。
予想以上に心が波立ってしまい、かなりエネルギーを使った読書となりました。
でも、絶対再読したい1冊でもあります。 -
猫がいなくなって悲しいのは分かるけど、、、途中からついていけなくなってしまった。
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きっかけは著者ご本人を題材とした黒澤明監督作品「まあだだよ」(1993) の鑑賞。
とはいえ彼本人の作品を手に取るまでずいぶんと時間をかけてしまったもんだから、その映画の中に含まれてたはずのネコの下りもずいぶんと印象が薄れてしまっていた。その状態で読み続けると…なかなかペースが進まず…。
ここまでも哀しみに包まれるとは想像もしていなかったもので。ペットと暮らしていない時期に読めたのがせめてもの救いでありました。
こりゃもうもう一度映画作品を鑑賞せざるをえない。この壮大なネコの下りの印象が再び薄れないうちに。
そして「非ネコ作品群」にも手を伸ばそう。 -
当時はこんな言葉は無かっただろうけど、完全なペットロス。辛かっただろうな。
居なくなったノラに比べて、手を尽くして見送ったクルへの文章がさっぱりしているのが印象的だった。
居なくなっても心に生きているのだから、という文が染みた。百けん先生と並んで正座をして眠っているクルちゃんを見つめているような気になった。
しかし、自分は猫好きではないと先生は頻りにおっしゃるが、立派な猫バカだと思います。 -
読了。読書倶楽部課題図書。
前半は成り行きで飼うことになった猫がどんなに可愛いかって話。私も猫飼いなので、わかるわかるって感じで微笑ましかったのだけど。
後半はその猫が帰って来なくなったことによる心配と悲しみに溢れかえっている。想像すると悲しくて仕方ない。
しかし70過ぎのおじぃが悲しみに泣き暮らしている様子を思い浮かべると可笑しさも出てくる。
ノラやクルの描写も細かく、会話しているところもかわいい。
ノラが帰って来なくなったところやクルの病気により、急に日記調になったのが、書く気力がなくなったのかなーと思ったけど、連載のようだったのでその形式になったのか。
素直なペットロス。
(170625)
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可愛くて、可哀想で、やさしい気持ちになれます。
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2015/12/09
猫を飼ったことはないけれど、小鳥を何羽か飼ってたのでこの気持ちはよーくわかる。(それにしても泣きすぎだけれども 笑)
そして、どんなに小さな命でも、それを大切に思う人の心の中で、ずっとずっと生き続ける。 -
いつの時代も猫の可愛さと
猫好きのやるコトは変わらないことを
教えてくれる一冊。
同じコトの繰り返しの文章なのに
飽きることなく読める文にも感動。
最初から切ないけど
ほっこりもさせてくれます。 -
もしかしたらこの気持ちはネコを飼ったことのある人にしかわからないかもしれない。