道誉なり 下巻 (中公文庫 き 17-5)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122033474

感想・レビュー・書評

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  • 足利尊氏と実弟直義との抗争などから、道誉の立ち位置が絶妙。
    戦における悪党の使い方や物資の押さえ方などが良いです。

    血なまぐさく、決して共感できるわけではないけれど、淡々とした文章の中で何だか興奮できる物語だった。

  • 上巻のときもちょっと思ったのですが、これはある程度この時代の事を知っとかないとわかりづらいのかな……と思いつつも最後までほぼ一気に読んでしまいました。
    道誉と尊氏の関係は一言で言うのは難しいけど、個人的にはこれは男の友情でいいのではないかと思う。あの他人には容易に踏み込んで行けない感じ。

  • 最高に面白かった。
    道誉のキャラ立ちもさることながら、南北朝の時代を、立体的に学びたくなった。
    太平記を読みつつ、また北方の南北朝モノを、再読してみようかと思う

  • 九州などを舞台とした作品です。

  • *上巻の感想のコピペです。

     南北朝時代の異形の巨人、ばさら大名佐々木道誉の視点から、鎌倉幕府の創生期を描いた物語。
     『悪党の裔』の赤松円心もそうだけれど、道誉もなかなか読みづらいというか、主人公に同化して物語の快楽に身を任すということをさせてくれない主人公でした。主人公というよりも、触媒のような感じ。足利尊氏と、弟義直、高師直などの人間関係を、道誉を通じて相対化した、という印象があります。
     『楠木正成』→『悪党の裔』→『道誉なり』と読み進めて、だんだんと尊氏に近づいてきた、という気がします。にしても、道誉もわかりにくければ尊氏もまた然りで…。多面性や躁鬱病という特徴が共通して描かれていますが、『道誉なり』で初めて、この多面性、裏表、いくつもの顔を、自分で意識していて、なおかつその上にあって支配している尊氏の姿が見えたように思いました。多重人格の中の上位人格のように、というか。読み終えてみればむしろ尊氏の話だったような気さえしました。
     様々な人物が立ち現れるけれど、あくまで芯にあったのは、道誉と尊氏の「勝負」という、一対一の関係性でした。そしてこの二人を分けたものは「芸」なのだと思います。欲望まみれの人の世を超越するものとしての「芸」を、道誉は持っていたのだなと。
     何せまあわかりにくかったので、そのうち読み直したいです。

  • 2009.11.21なんばOCATのBOOK RANKINGにて購入。

    上巻から続く説明不足について、解説で言及されていて納得してしまった。

    『「ばさら者を描くには、書き方そのものもばさらであって良いのではないか」―北方謙三はそう思ったのではあるまいか。』

    確かに、この時代のことを司馬遼太郎氏のような描き方で描けば、大変難解で、分かりにくいものとなる。

    それを、年号も使わずに描いている筆者はやはり見事なのだろうか?

    しかし、説明不足な所は否めず、筆者の手法が成功したともいえないであろう。

    個人的には楽しめたが、ある程度歴史に詳しくないと読めない小説であろう。

    ただ、佐々木道誉と尊氏・義詮の関係は熱いもので、読者を引き込む。

  • 後醍醐天皇没後の、幕府内の争い。

    尊氏・直氏・高師直 の、誰と誰が戦っているのかも分からない、すさまじい状況です。

  • 2009年02月 2/15

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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