触発 (中公文庫 こ 40-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122038103

感想・レビュー・書評

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  • あー、緊張した!!まだ心臓がバクバクしている。
    息するの忘れるシーン。
    多分、やり遂げるとわかってても。
    ハッと気づいて、小刻みにすーはー。

    碓氷刑事と爆弾のスペシャリスト。
    だんだん一つになっていく。
    部下の笹井もいい。

    また、話の脇ではあるけれど
    若林助教授の日本人の民族性や意識についての説明が
    大変興味深かった。
    胸にすとんと落ちた。

  • 爆弾魔対自衛隊職員。無駄がなくて読みやすかった。

  • 2013.8.30読了。図書館。碓氷弘一シリーズ。

  • 久しぶりに「プロフェッショナル」を描いたものを読んだなあという満足感があった。自衛隊に警察、公安、内調が絡み、福井晴敏の初期の作品に似た感じもしたが、福井作品より軽快で読みやすいと思う。
    日本の国防に対する筆者の考え方が垣間見えたが、これは賛否両論あるだろう。素直に読み物として楽しんだ。
    但し、脇役とプロットがやや陳腐なので星4つとした。これはとても残念。

  • 読み始めたのが地下鉄乗車時だったので、のめり込んでしまった。読む場所の選択も必要だ(笑)
    予告電話を真剣に取り上げなかった刑事、生い立ちから爆弾のスペシャリストになった自衛隊員、日本への鬱屈を爆弾にかける犯人、大学教授とその助教授による対話、さまざまな視点からクライマックスへと集約する。最後に一見無関係に思える場面が、重要な意味を持ってくる。
    平和は大切だ、しかし平和ボケはいけない、そんな日本に警鐘を発するメッセージも込められている今野敏の傑作。
    今野敏の碓氷シリーズ、次も読んでみよう。

  • 東京で爆弾テロが発生。

    そのとき民衆は、そして国はどう動くのか?

    結構リアリティーのある小説でした。

    犯人の心境も、それを追う国の各機関の対応もなかなかよく考えられているように思います。

    そんな中でなぜ社会学者の話が所々に出てくるのかと、疑問を感じていましたが、その謎が結末で明かされる。

    かなり意外な感じを受けました。

    そこそこリアルな場面描写が続く中、私の知識の範疇では、結末前の1シーンだけが、作者ミスったなと、思われるものでした。

    通常 電気回路は、電気が流れるか切れるかの二つしかないのですが、時限爆弾の処理で、ケーブルの両端を同時に切断しないといけないという部分は、なぜ両端を同時にという疑問を投げかけ、ミスったのではと、読んだ後も思ってしまう部分です。

    ケーブルのひとつを切るのと両端を切ることの違いをイメージできない!!

    この表現を別のものに変えれば、最後までリアルだったのに・・・

    なんてことを勝手に思ってしまったのは、私だけでしょうか?

  • 何故か今まで縁がなかった碓氷刑事シリーズにトライしてみた。
    自衛隊から警察庁へ出向するのが異例なのかは判断できないけど
    先ずは設定が魅力的でした。

    書き出しの爆発現場の描写がグロいとか
    戸上や岸辺三等陸曹(警部?)や若林助教授の主張の押し出し振りとか
    良くも悪くも今野さんの初期作品の匂いがプンプンする感じ。
    とはいえ、薀蓄よりも主張が勝ってたのがこれまでの印象とはちょっと違う。
    登場人物もいい感じに熱い人たちが揃ってて
    その熱さがまた読み進む愉しさに繋がりました。

    事件が進んでいく中で挟まれる大学でのやり取りが最初はものすごい違和感で
    なんでこれが間に入ってるんだろうと思ってたんだけど
    読み進むうちにこのやり取りが壮大な伏線だと気付く。
    能代教授にはある種の狂気を感じました。

    蛇足ながら最初に大怪我を負った地下鉄職員さんのその後が気になります。
    本筋には全く影響しないんだけど。

  • 碓井刑事シリーズ第一弾。
    爆弾テロに立ち向かう、特捜で配属されてきた爆発物のプロの自衛隊員の葛藤が描かれる。
    位置付けとしては、第一弾なんだけど、碓井の出番はほとんどない。

  • 面白かった!
    内容・文章共に福井敏晴に似てたからかもしれんけど…。
    藤原伊織もちょっと入ってたかなー。
    がんばる中年オヤジと暗い過去を持つ青年のコンビ。
    ちゅーか地下鉄の駅で爆発する爆弾って超恐い。
    勢いが逃げ道を見つけて被害が莫大になるらしい…。
    逃げ道ないしこわっ!

  • 爆弾テロに立ち向かう話。
    警察に自衛隊からスペシャリストが出向してくるのが特徴的ですね。
    フィクションとはいえ、日本の平和ぼけっぷりが怖い感じに描かれています。
    実際に、テロ予告があろうが、警察が立ち入り禁止とかにしない限りは、そこに平気で出かける人は多そうだものなぁ。
    真犯人を捜すところについても推理小説的な愉しみもありましたし、サービス満点って感じでした。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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