愛の妖精 (中公文庫 サ 6-1)

  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045439

作品紹介・あらすじ

フランス中部ベリ地方の緑豊かな農村を舞台に、野生の少女ファデット(鬼火または妖精の意)が恋に導かれて賢くも美しい大人の女性へと変貌をとげてゆく。双子の兄弟との愛の葛藤を配した細やかな恋愛描写は、清新な田園風景とあいまって美しい。主人公のモデルは幼少時代の作者自身といわれ、一連の「田園小説」のなかで最高傑作といわれている。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀フランスの女流作家ジョルジュ・サンドによる田園小説。双子の兄弟と野生の少女の美しく繊細な恋愛物語。

    女流作家ということもあり、どことなく少女漫画チックで心理描写が繊細。この時期の恋愛小説には悲劇的なものも多いなか、こちらはティーンの頃の気持ちに戻ってニヤニヤできる場面もあり、田園風景も相まって少し癒やされる感じがした。

    とはいえ、展開にはそれなりに起伏があって引っ張られる。10代半ばから後半あたりの女の子には、花が開いたように急に綺麗になることがあるものだが、そういった瞬間をヒロインの設定によってさらに深く掘り下げ、劇的に描いているのは見事だった。後半、父親との衝突と兄弟の嫉妬の問題で感情が揺さぶられるし、ヒロイン無双とでも言いたくなるようなファデットの活躍が痛快で、気持ちの上がり下がりが激しい。少し都合が良すぎるようにも思えたが、各人物の心の動きが丁寧に描かれるので感情移入できた。最後のオチが心に沁みる傑作。

  • 羽化。

  • 解説に書いてあるように、美化されすぎてるとこはあるけど、とっても美しいお話だった。
    翻訳と解説が素晴らしい。

  • 少年少女世界文学全集で読んで以来、久々の再読。大人になって読んだ感想は、ジョルジュ・サンドって相当に頭の良い魔性の女だったんだろうな~、という一言に尽きる。

  • 読もうと思ったのだけど、家にあるはずの旺文社文庫版が見当たらないので、買ってもいいかと。
    宮崎さんの訳で読むか、篠沢教授の訳で読むか。

  • ただいま、ショパンブーム。
    それだけでは飽き足らず、当然のごとく流れはサンドへ。

    その昔、少女の頃に夢中で読んだプチ・ファデット。
    今回、これまた懐かしの「篠沢教授ヘドン!」の
    篠沢秀夫訳で読了。

    面白いんだけれど…やっぱり19世紀の小説だなと言うのが一番の感想。
    やたらとセリフが長い。延々と誰かがしゃべり続けてくれるのだけど、
    これを読むのは正直疲れる。
    オースチンやディケンズとか、『若草物語』とか、みんなそう。
    ま、時代の特徴、しょうがないよね。

    でも、少女の私が夢中になったファデットは出来すぎに思え
    また素敵な好青年だったはずの恋人ランドリが、
    田舎のあんちゃんにしか見えなくなっているのは私が年をとったから?
    ちょっとさびしい読後感……

    あ、でも、ファデットの暮らし、特にシルヴィネへの心理療法は
    とっても今風。良いかも。
    あ~、そんなところに反応する自分が悲しい。

  • ファデットとランドリ、シルヴィネの成長物語。
    シルヴィネの嫉妬心がものすごい。彼が闇にとらわれてしまう様が・・・

  • いい話だ。シルヴィネが一番好きだけど、ランドリーもファデットもいい人だと思った。言い回しもシェイクスピアみたいに派手じゃないし(いやでもあの人は演劇作家だしな)
    好感が持てて読んだ後心が幸せになる本。

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