十二人の手紙 改版 (中公文庫 い 35-20)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051034

感想・レビュー・書評

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  • 暗い話が多いが、ブラックジョークで面白かった。

  • いやいやなんと言うこともない話ばかりなのに引き込まれ、はらはらしながら読んだ。
    さすがと言うべきか。

  • ずいぶん前に一度は読んでいるはずだけれど、本がどうしても見当たらない。ブクログを始める前だったらしく買って読んだか借りて読んだかも不明なので購入。
    井上ひさし(←天保十二年のシェイクスピアをみて)と書簡体小説(←ののはな通信を読んで)それぞれへの関心が高まっていた高3長女があったというまに読み終えていた。

  • 全編手紙のみで構成される不思議な小説。
    どんでん返しものは好きなので、思わず買った。
    短編だが、共通する人物が出てくる。
    1つ1つの短編は「世にも奇妙な物語」テイストだなぁって思った。実はこうでした的なオチが、まさにそんな感じ。
    手紙のみで話が進むのが斬新だけど、実際の手紙ってこんな冗長に書くのかなぁって思うと、手紙にリアリティは感じなかった(手紙ってその人たち同士のみでわかることしか書かないんじゃない? わざわざ言葉の説明とかするかなって思う)。
    最初はとても退屈でページが進まなかったけど、話が少しわかってくると少しずつページが進んだ。

  • 大どんでん返し系の本が大好きなので、推薦文入りの帯に惹かれて購入。
    時代が、自分が生まれるよりも前なのでなかなか入り込めない反面、興味深くもあった。
    手紙だけの形式で、あらゆる場面を想像させて、なおかつラストであっ!と思わせる書き方には脱帽。
    どのお話もおもしろかったし、最後は大集合して各々のその後も描かれているのがよかった。

  •  井上ひさしの往年の名作。いつか読みたいと思っていて、ようやく機会が訪れた。
     十二通りの書簡形式の短編が収められている。東京に働きに出てきた少女の手紙や、主婦から海外出張中の夫にあてた手紙など、ありふれた手紙のやりとりで始まる話が次第にべつの物語に変容していき、いずれも思わぬどんでん返しが待ち構えている。それぞれが独立した小説としても読めるが、全編を通してもひとつの仕掛けが隠されていてお見事。
     また、ほとんどの手紙の語り手が女性であるからか、弱い立場から見える世相の筆致から、今とはまた違う、世知辛い昭和の風景が懐かしく浮かび上がった。

  • 面白かった!人間のドロドロした部分、凶器、卑怯、滑稽さ、本音と嘘、現実と妄想、罪と罰、あらゆる角度からそれぞれの人生が手紙を通して暴かれていきます。最初から最後までページをめくる手が止まらなく、後半はもう行ったり来たりを繰り返し、どこかにまだ仕掛けはないかと何度も確認する作業に必死(笑)何度も読み返したい一冊になりました。

  • 手紙という形式を取ったからこその仕掛けが散りばめられており、その仕掛けが明らかになったときとても心地よい(ストーリーは心地よいものばかりではない)。

  • 一遍一遍が短いため短時間でさらっと読める。物足りなさを感じるものも何編かあり、それをキーワードとなる箇所を読み落としたりしていないか?解釈は正しいか?と思ったりもしてレビューなどを見たりもしたが、基本的には深くまで考察しなくてもいいものかなと思った。今は書くこともあまりなくなった手紙の効力は、LINEなどに比べると強い意思や感情が感じられると思った。
    好きなのは「鍵」でした。一見不憫な奥さんに感じられるけれど、画家の大先生を実は手の上で転がしていて、強くいたずら心のある女性だと思った。

  • 書簡体小説の短編集。
    手紙とは少し違うのだが、諸々の届出文面から一人の女性の人生を物語った「赤い手」が面白かった。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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