- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122051034
感想・レビュー・書評
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★4.0
全て書簡形式の連続短編集。
一作に於いては書類のみによる構成。
そして最後にまとまる巧みな物語。
人は文字というものを武器として使いがちな一方で、ボロを出しやすいというのは、手紙であろうと、今般一般化したSNSでも同じなのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハズレなしの短編集。いや?短編ではないのかもしれないけど。
色んな女性が出てきたけど、井上ひさし氏が女性をどう捉えていたのか他の作品も読んでみたくなった。 -
井上ひさしさんは天才。1970年代に書かれたこの作品を2020年のわたしが読んで感激しているのだから、本というものは素晴らしいと改めて思いました。
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全てが『手紙形式』で綴られている短編集。
『手紙形式』はただの手紙だけではなく出生届や脚本などの文書も含まれている。手紙のやり取りや文書から誰に何が起こったのかが分かりやすく表現されている。プロローグがこの小説の紹介であり、次の物語ではどうなるのか、どんなギミックがあるのか、というわくわく感を掻き立てる。エピローグの展開には脱帽。鳥肌が経った。短編集なのでどんどん読み進めてしまった。一文字も見逃さずに読むことを推奨する。
月並みな言葉ではあるが、最後まで読むと必ずもう一度読みたくなる本である。 -
2020.08.09
一気読み
そして戻ってもう一度
必ず読み返したくなる
ストーリーを追うだけじゃなくて、言葉を緻密に追っていけば、また違った楽しみ方もできるのは言うまでもないんだろうな…とにかく技が光る、光る、光る。プロローグがプロローグであった意味も読んだらわかる。すごい快感。
手紙という書式の豊かさ…人間味と形式の味気なさの両方を内包できる懐の広さというか、形式だからこそ伝わるものやふくらむイメージがあるというか。描かれないものへのフォーカスになる仕掛けというか…
それっぽく書いているけれど、きっともっと明確に言語化した解説や考察があるんだろうなと思う。研究論文読んでみたい。井上ひさし論に触れてみたい。
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1980初版 しかし色褪せない文章の妙
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書簡形式。
手紙と手紙の間に何があったのかとか、手紙の内容は真実なのかとか、想像しながら読めるのが面白かった。
画家の男とその妻の手紙から成る「鍵」が一番好き。 -
おもに往復書簡の形式で展開される12話の短編集。
ひとつひとつの話に、意外な結末。手紙から伝わる登場人物の変化、状況の変化にドラマがあり、切なくなったり、ニヤニヤしたりしながら、さくさくと読み進められた。
けど、手紙にしては説明っぽいのが気になってしまった。 -
これは昭和だ!
帯は笑いと哀しみが、って書いてあるけど、この哀愁はやはり昭和である。孤児院みたいなのやら、田舎から出てきた娘のつらい境遇やら、今はない、とまでは言わないけど、描かれ方がレトロで、とはいえ明治とまでは言わないので昭和なんである。なんでろくでもない男に簡単に引っかかるのか。。こういうの読んで勘違いする男が現れるわけですよ。知らんけど。
とりあえず桃のエピソード、この修道院長の例え話が全く分からんのだけど。一体この話から何を受け取れと。でも金持ちのおばちゃんも理解できなかったんだろうなぁ、という意味で妙に味わい深い。