十二人の手紙 改版 (中公文庫 い 35-20)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051034

感想・レビュー・書評

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  • 様々な驚きの連続。特に印象深かったのは『赤い手』と『玉の輿』。

  • 時代を感じさせない、読んでて飽きない小説でした。エピローグには、驚いた( ゚д゚)ゲッ!

  • 素晴らしい作品でした。第3話「赤い手」が一番です。最後のエピローク…まとまりがすごすぎます。

  • 約40年前の小説。何故読んでなかった? 最高です‼

  • 書面の性質を巧く使った小説

    まず手紙をはじめ書面だけで構成されているというのが面白い。
    読み進めると、書面と会話の違いが浮き彫りになり書面は何度でも推敲でき、自分の主張を十分に伝えることができる。人と人が面してないので代筆や虚偽があっても発覚し難い。など普段意識しないような点にも気付かされる。
    また手紙だけでなくて、公的書類だけで一人の人生を表現したり、定型文だけで状況を説明したりと様々な工夫が凝らしてある。

    エピローグでは今までの主役達の現在の状況を述べることで各々のエピローグになっていて、これまたうまいなぁと思った。

  • 12人のそれぞれの手紙。
    手紙を盗み見しているような感覚。
    途中で少し飽きて来たけど…最後の最後で繋がる。
    これは再読すると違った面白さがあるかも。
    面白かったです。

  • 12人の手紙はそれぞれ全く別なんだけどエピローグ以外でも繋がっていたところがあったんだ!
    最後の手紙でどんでん返しなのが多かった。
    中でも「シンデレラの死」が一番かな。
    メールよりも手紙のほうが想いは伝わるよな。ただそれが実は思い込みだったとしても内容から判別するのは難しいよな。確認しようにも手紙だとリアルタイムで確認できないからなぁ。

  • 書簡形式の12の短編が、最後のエピローグで見事につながる。最後まで読み上げてすぐ、また最初から読んだ。
    久しぶりに読んだ古めかしい一冊は、素晴らしき昭和の傑作だった。

  • 手紙や文書のみの構成がおもしろかった。ト書きがなく、それぞれ書き手の主観しかないぶん、色々な想像をしながら飽きずに読めた。
    初版が1978年ということで、時代が古いのは否めないが、メールがなかった時代ということでより手紙文化だったのかなあ。何しろ生まれる前の作品なので、その空気感が新鮮だった。
    どうしようもない結末になる作品が多いなか、「鍵」のご夫婦がラストも含めほっこりして好き。あとは、ほぼ公的文書で構成された「赤い手」が想像逞しくできて読みごたえがあった(まさかここにここが繋がるのか!という驚きも)

  • プロローグとエピローグの為の伏線が一冊に渡って張られ続けているという傑作。地の文ではなくすべてが手紙という書簡の形で綴られているのも新鮮。手紙特有の文章の雰囲気や内容が何とも人間味が強い。こんな小説があるのかと驚かされた。作者の技巧は実に超絶的。確かにこれはマニアだけが知っている隠れた名作ミステリと謳歌されていても納得が出来る作品。手紙で構成されているにも関わらずきちんと物語になっているという所も作者の腕の凄さを感じさせられる。この名作を知らずに生きてきたのが惜しい。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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