夜の公園 (中公文庫 か 57-5)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051379

感想・レビュー・書評

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  • 読みながら、何度も「これ川上さんだったよな」と表紙を見直しました。
    確かに川上さんらしい、フワフワした感じはあります。でもそれも所々です。それ以上に「何でこういうストーリーなの?」という感じのほうが強いのです。
    ある人の感想に「物語世界から現実世界へ」というキーワードが有りました。これまでも「センセイの鞄」や「古道具 中野商店」のように現実社会を描いたものもありますが、それでもどこか霞がかかったような、浮世離れした感じがしました。それに対して、この作品は単にウソばなしや良い意味での現実感の無さが消えて、何だか生臭い程の現実感があるのです。
    川上さんはこういう方向に向かうんですかね。私はやっぱりウソばなしを期待したいのですが。

  • ミステリーのインターバルに、いわゆる「恋愛物」を読んでみた。
    しかし、最初の3ページぐらいで、主人公の勝手さに、思わず投げ出したくなったけど、男女4人の視点で描かれる物語は、自分の本音を代弁してくれているようで・・・
    特に主人公の親友で、主人公の夫と平気で不倫する春名に自分を重ね合わせてしまった。
    女35歳。
    しっかりしていそうで、まだまだ揺れる年代なんだと、代弁してくれているような作品。

  • 「申し分のない」夫と、三十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない…。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う—。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点が描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。

    不倫ものだけど、修羅場とか緊迫感とかがまったくない川上ワールド。
    ゆっくりしてるけど、確実に進んでいく。
    それぞれの視点から描かれていて、誰もがすごく人間らしくて憎めない感じ。
    最後はそれぞれに再生が訪れているように思った。

  • うまく言えないけど、雰囲気とか、言葉の使い方とかが好きだな〜

  • これはいまひとつだった。センセイの鞄はわりと良かったんだけど。

  • 内容はありきたりかな〜と思いましたが
    心の動きは説得力がありました。

  • 「申し分のない」夫と、35年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない・・・。そんなとき、リリは夜の公園で9歳年下の青年に出会う・・。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女4人の関係を、それぞれの視点で描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長編。<BR>
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    申し分のない夫と・・マンションと・・現実的です・笑。川上さんはとてもすうっと残酷。たいしたことないようにたいしたことを書いてしまう。すごいです。劇的でない劇的。リリの気持ちはわからないではないけれど、どうかな。
    「そうそうものごとは唐突におこるものではない。女との破綻は、必ずその前兆がどこかにほの見えているはずなのだ。ただそれを直視するかしないか、というだけのことだ。」そのとおり・・と思いました。

  • 09/05/17読了 やっぱりこの人の作品は凛とした感じがある。冷たさとはまた違った感じ。

  • 読むタイミングが、今じゃなかったっぽい、この感覚好きなんだけど。

  • 結構ドロッとした内容にも関わらず、サラリとした印象を持って読めた作品です。
    さすが川上弘美氏、といったところだろうか。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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