- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122051379
感想・レビュー・書評
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読みながら、何度も「これ川上さんだったよな」と表紙を見直しました。
確かに川上さんらしい、フワフワした感じはあります。でもそれも所々です。それ以上に「何でこういうストーリーなの?」という感じのほうが強いのです。
ある人の感想に「物語世界から現実世界へ」というキーワードが有りました。これまでも「センセイの鞄」や「古道具 中野商店」のように現実社会を描いたものもありますが、それでもどこか霞がかかったような、浮世離れした感じがしました。それに対して、この作品は単にウソばなしや良い意味での現実感の無さが消えて、何だか生臭い程の現実感があるのです。
川上さんはこういう方向に向かうんですかね。私はやっぱりウソばなしを期待したいのですが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリーのインターバルに、いわゆる「恋愛物」を読んでみた。
しかし、最初の3ページぐらいで、主人公の勝手さに、思わず投げ出したくなったけど、男女4人の視点で描かれる物語は、自分の本音を代弁してくれているようで・・・
特に主人公の親友で、主人公の夫と平気で不倫する春名に自分を重ね合わせてしまった。
女35歳。
しっかりしていそうで、まだまだ揺れる年代なんだと、代弁してくれているような作品。 -
「申し分のない」夫と、三十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない…。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う—。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点が描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。
不倫ものだけど、修羅場とか緊迫感とかがまったくない川上ワールド。
ゆっくりしてるけど、確実に進んでいく。
それぞれの視点から描かれていて、誰もがすごく人間らしくて憎めない感じ。
最後はそれぞれに再生が訪れているように思った。 -
うまく言えないけど、雰囲気とか、言葉の使い方とかが好きだな〜
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これはいまひとつだった。センセイの鞄はわりと良かったんだけど。
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内容はありきたりかな〜と思いましたが
心の動きは説得力がありました。 -
「申し分のない」夫と、35年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない・・・。そんなとき、リリは夜の公園で9歳年下の青年に出会う・・。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女4人の関係を、それぞれの視点で描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長編。<BR>
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申し分のない夫と・・マンションと・・現実的です・笑。川上さんはとてもすうっと残酷。たいしたことないようにたいしたことを書いてしまう。すごいです。劇的でない劇的。リリの気持ちはわからないではないけれど、どうかな。
「そうそうものごとは唐突におこるものではない。女との破綻は、必ずその前兆がどこかにほの見えているはずなのだ。ただそれを直視するかしないか、というだけのことだ。」そのとおり・・と思いました。 -
09/05/17読了 やっぱりこの人の作品は凛とした感じがある。冷たさとはまた違った感じ。
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読むタイミングが、今じゃなかったっぽい、この感覚好きなんだけど。
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結構ドロッとした内容にも関わらず、サラリとした印象を持って読めた作品です。
さすが川上弘美氏、といったところだろうか。