星戀 (中公文庫 の 4-12)

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 199
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064348

作品紹介・あらすじ

星の和名収集研究で知られる天文民俗学者・野尻抱影、戦後の俳句界を牽引した俳人・山口誓子。星を愛し、星座の動きに子どものように心躍らせる二人が、天空を眺めながら交わしあった随想と俳句を収める。ページを繰るごとに星々がこぼれ落ちるような珠玉の随想句集。

感想・レビュー・書評

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  • はじめての野尻抱影。

    著者紹介に「冥王星の命名者」とあるのを読んで、無条件に、コレ好キダと思った。

    星々の随筆、十二ヶ月。
    山口誓子の俳句を添えて。

    うつくしい日本語の中に、知らない言葉がたくさんあって、それらが夜空の星みたいに光っていて、脳内でチカチカとまたたく。

    野尻抱影さんの視線で自然を見てみたい。
    隣に並んで同じ景色を目にしていたとしても、きっとわたしが見ている景色とは違う。

  • 長く積んでいたけど、ふと手に取ってそのまま読み終えてしまった。読書ってこういうことがままある。
    野尻抱影の星の本はあらかた読んでるけれど、記された絢爛な星空を見ることは(ほぼ)叶わないだろう、ということに毎度のように距離を感じる。たかだか70年なのに。
    冬空の描写に力が入るのも好き。現代でさえあんなにまばゆいのだから、戦後すぐの頃はどんなにか壮観だっただろう。言葉を尽くす野尻抱影に対し、誓子の

    さいはひは寒星の座を指し得たり

    が、これぞ短詩のちからというふうなのも素晴らしい。

  • 野尻抱影の、随筆に込められた星空への気持ち。
    山口誓子の、17文字で語られる星への想い。
    それが12月それぞれの言葉となって、まるで夜空を眺めているかのように、とても心地よい気持ちになっていく。

    ちょっと疲れたな、という時にパッと開いたページを読みたい1冊。

  • 星も花も香うよう。
    猫の戀、これも星の名なんだろうか。
    星戀

  • 星に関するエッセイや句が収録されている。時代背景は戦前の様子である。文学が現代よりも隆盛した時代だと実感する。なぜなら語彙が豊富だからだ。たとえば、「10月の夜明けに、すばる星が西に入る時に吹く風」に、「ほしのいりごち」という名前がついている。このように自然現象に言葉を与える感覚をとても羨ましく思う。

  • 山口誓子の句に導かれ、天体民俗学者・野尻抱影が紡いだ星の随筆。星を愛する二人の思いが天空で交差する、珠玉の随想句集。

  • 星の抱影はいいなあ。ロマンと、愛だ。エッセイと俳句の組み合わせもいい。

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著者プロフィール

野尻抱影

一八八五(明治一八)年、横浜生まれ。神奈川一中時代、獅子座流星群の接近以来、星の虜となる。早稲田大学英文科卒業後、教職、雑誌編集に携わる一方、天文書多数を著述。生涯を通して星空のロマンと魅力を語り続けた。冥王星の命名者としても知られ、日本における天文ファンの裾野を広げた功績は大きく、「星の抱影」と称される。小説家、大佛次郎は実弟。一九七七(昭和五二)年没。

「2022年 『星三百六十五夜 秋・冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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