女が死ぬ (中公文庫, ま51-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.50
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本棚登録 : 1981
感想 : 119
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122070707

作品紹介・あらすじ

〝あなたの好きな少女〟には、死んでもならない。清楚、母性、包容力……身勝手な幻想から私たちの心身を取り戻す50篇。シャーリィ・ジャクスン賞候補作!

感想・レビュー・書評

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  • 著者初読み。以前読んだ『ほとんど記憶のない女』をもっと現代の日本的にポップにした感じ。面白かったのは「少年という名前のメカ」「ボンド」「この場を借りて」「男性ならではの感性」表題作「女が死ぬ」で映画ブログをやってるキミコが今のブクログしてる自分に似てるようで恥ずかしくなった。

  • 帯には「女らしさが、全部だるい。」と書いてありますが、そんな気持ちがこの作品を読んですーっと晴れました。
    ショートショート。って面白い!奥深い!

    お気に入りの一文。
    「この世には、何かで気を散らさないと、やっていられないことがある。」(「みつあみ」より)

    特に印象に残った話。
    「少年という名前のメカ」
    「あなたの好きな少女が嫌い」
    「お金」
    「You Are Not What You Eat」
    「ハワイ」
    「男性ならではの感性」
    「週末のはじまり」
    「リップバームの湖」

  • 英米文学の翻訳家でもある松田青子さんの、奇想×フェミニズムショートショート集。
    いちばん好きなのは帯裏にも引用されている『あなたの好きな少女が嫌い』かな、読みながら自分が少女だった頃を思いだしてムカムカしてきた。そういえば、華奢で守ってあげたくなるような体型の少女にとてもなりたかった。そうなれれば愛されるのに、とか思ってたな。子供のころスイミングで鍛えた割と厚い胸板を恥ずかしく思っていたっけ。老け顔なので、中年のコスプレにしかみえないセーラー服姿に絶望して恋愛を諦めたり、若かったとはいえあほらしい。でも、いじらしい。少女だった自分にそう思わせた「何か」を、ほぼ憎んでいる。あほだったので抗えなかったのだ。
    少年にも違う「何か」があったのだろうけれど。お互い、吹き飛ばせたらいいよね、そんなもの。
    松田青子さんの「怒り」と、リンクできたら、それはそれは得難い読書体験になると思う。
    リンクできなくても、いちいち発想が面白いので、ショートショート好きには一読の価値あるかと。
    ❇リンク、というより、ただ単に触発されただけ、といったほうがいいかもしれません。
    訳わからないこと書いていたらすみません。

    • naonaonao16gさん
      5552さん

      こんばんは~
      いやー、試験を前に、現実逃避でブクログに遊びにきました笑

      松田さんの作品、3冊も読んでいらっしゃるんですね~...
      5552さん

      こんばんは~
      いやー、試験を前に、現実逃避でブクログに遊びにきました笑

      松田さんの作品、3冊も読んでいらっしゃるんですね~
      さすがです!!

      なるほど、全部に共感していらっしゃるわけではないんですね!
      確かに物理的には襲ってこない…笑

      こういう作品は、生きづらさを抱えていると共感できる部分もある一方で、そんな中でうまくやってる部分を「ずるいぞ!」と言われてしまいそうで、いつも躊躇います…
      2023/01/23
    • 5552さん
      naonaonao16gさん

      どうぞごゆるりと息抜きをされてくださいね。

      息抜きの話題じゃないかもですが…

      「ずるいぞ!」...
      naonaonao16gさん

      どうぞごゆるりと息抜きをされてくださいね。

      息抜きの話題じゃないかもですが…

      「ずるいぞ!」ですかー。
      昔の私ならそう思ってたかもです。
      でも、最近はうまくやっているように見える方たちも、それぞれ固有の生きづらさを抱えているのが(ようやく!)分かってきたような気がします。
      他者の生きづらさも自分の生きづらさも蔑ろにしないようにしたいです。
      2023/01/23
    • naonaonao16gさん
      昨日は息抜きをしすぎて、勉強を始めた瞬間に眠くなりました笑

      そうなんですよね、うまくやって、外に出さないようにバランス取ってるんですよね
      ...
      昨日は息抜きをしすぎて、勉強を始めた瞬間に眠くなりました笑

      そうなんですよね、うまくやって、外に出さないようにバランス取ってるんですよね
      そのためには小さな嘘を重ねたりするわけですが、コミュニケーションの中で、なかなかそれを嘘とは見抜けない(本人もそう望んでいるし)…
      それでどんどん自分自身を追い詰めて苦しくなって、最終的にそこで息をしにくくなってしまうんですよね…

      みんなそんな感じだと分かりつつ、相手が上手に隠している以上わかりにくいし、隠し方によってはこちらが理解できなかったり受け入れられなかったり…

      相手を理解するのって難しいですよね…

      わたしも自分の生きづらさを蔑ろにしないようにしないとなと思いました
      最近本をあまり読んでいないからか、蔑ろにしがちな日々です
      2023/01/24
  • 「週刊少年ジャンプの各漫画一話が山手線一駅分の量に設定されてる」みたいな、一つの話が短い掌編集(ショートショートよりも短い話を指すんですね)

    なので、ミントタブレットを口に入れるかの如く電車待ちの空き時間で一話ずつ読んでいく。

    掌編に馴染みがないので、瞬間芸みたいなのもあり戸惑いつつスラスラと読んでいく

    …そのうち、気軽に読むとなかなかそぐわない「言葉が先行して印象が固定されてしまうモノについて、ジェンダーのこと」などのテーマに触れてくる。(タイトルからしてそうなんですが)

    コレがなかなか頭の中に残り続ける。(お土産でもらった海外のミントタブレットでなんの味かはよくわからないけど残る…)

    表題作の「女が死ぬ」を読み、あぁコレは私も男で、このタイトルとあらすじに惹かれて買ってよんでしまったのは、もう「女性」についてのテーマの中にその時点で取り込まれているな…悪いことをしたような気分になる。

    「おじさんが死ぬ」「少女が死ぬ」「少年が死ぬ」「男が死ぬ」だったら読んでたかな…読んでたか

    そのうち出てくる登場人物の名前も、男なのか女なのか何を持って判断したらいいかわからなくなったりしてる。
    概念を逆さまにしたり、言葉の意味が変わるまで変化を加え続けたり

    巻末にある著者の「一言解説」に答えを求めてしまう自分が悲しい。でも解説が面白かったりする。新鮮な体験でした。

    「ワイルドフラワー」と「若い時代と悲しみ」が別の話なのに繋がっているように読めた。

    読んでから
    他の立場に立つことを考えてる。
    女の描く男、男の描く女、それも古くてLGBTも含めたり、白人の描く黒人、黒人の描く白人、地球人の描く宇宙人、宇宙人の…

    • h.さん
      私も解説に答えを見にいきました。要らぬことを考えながら読んでしまう本でした。Ikezawaさんの感想を読んでいたらまた読みたくなったので読も...
      私も解説に答えを見にいきました。要らぬことを考えながら読んでしまう本でした。Ikezawaさんの感想を読んでいたらまた読みたくなったので読もうと思います。
      2021/11/09
    • ikezawaさん
      コメントありがとうございます。
      そうですよね。
      短いから気軽に読めるので、本棚ではなく机の上に置いてます。
      そう言っていただけて嬉しいです。...
      コメントありがとうございます。
      そうですよね。
      短いから気軽に読めるので、本棚ではなく机の上に置いてます。
      そう言っていただけて嬉しいです。
      よろしくお願いします。
      2021/11/09
  • ショートで読みやすい。

    全てに共感という感じではなく
    どれか刺さるものがある。という感じ。

    男性ならではの感性が個人的には好きだった。

  • 初松田青子
    短編というか、ベリーショートショートというか。

    思考回路が面白い。

    少年という名前のメカ  シニカル
    ボンド ボンドガールたちに笑笑
    女が死ぬ  何かが起こる動機として
    TOSHIBAメロウ20形18ワット わかるそれ

    そして何より、猫は最高なのだ!

  • 『女が死ぬ』読了。
    2、3ページで終わるような短編集でした。面白かった!!ユーモア溢れていて、思わず爆笑せずにはいられないものもあって、腹筋壊れた。笑。
    表題作が一番面白かったわ…。
    意味がわからない内容も多々あったけど、あとがきに親切にも作者の意図が書いてあって、それも面白かった。
    読んでいる途中、あとがきの作者に指示され、読書を中断してスマホの画像検索をするとは…為て遣られた感
    まー、そういうのも面白いと思うわ。斬新すぎる。めちゃくちゃ新感覚な短編集でした!

    2022.1.26(1回目)

  • 「女が死ぬ」を読む。読んだことをこうやってアピールし、「女らしさ」の再生産に加担してしまう。

  • 文庫本の帯で紹介されていた「あなたの好きな少女が嫌い」の文章がカッコよかったので読んでみました。
    「あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は細くて、可憐で、儚げだ。」
    うん,確かにあなたの嫌いな少女が好きです。

    捉え方が少し類型的な気がするけど、シニカルな視点が魅力の掌編集です。
    巻末に収録された、著者本人による全53話のひと言解説と照らし合わせながら読むとより面白いです。

    いろんな視点をお持ちのようですが、ジェンダー以外の作品は切れ味が劣る事が多い気がするのが残念。

    ざっと他の人の感想を見て、誰も褒めてないけど「TOSHIBAメロウ20形18ワット」にいちばん共感しました。僕にも囁いて欲しい。こういう事ってよくあります。

  • 誰もが知らず知らずのうちに他人を型にはめ、異性を型にはめている。そんな自分の中にある無意識の偏りに気付かせてくれる1冊。男性に読んで欲しい。

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著者プロフィール

作家、翻訳家。著書に、小説『スタッキング可能』『英子の森』(河出書房新社)、『おばちゃんたちのいるところ』(中央公論新社)など。2019年、『ワイルドフラワーの見えない一年』(河出書房新社)収録の短篇「女が死ぬ」がシャーリィ・ジャクスン賞候補に。訳書に、カレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』『レモン畑の吸血鬼』、アメリア・グレイ『AM/PM』(いずれも河出書房新社)など。

「2020年 『彼女の体とその他の断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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