カンブリアII 傀儡の章-警視庁「背理犯罪」捜査係 (中公文庫 か 91-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122070776

作品紹介・あらすじ

今、生物の爆発的進化が人間に起きている――。

医療の発達などにより人が死ななくなった現在、新たな《能力》を獲得した者が現れ、それが犯罪に使われる。この《能力者》による女性連続不審事件を解決した尾島警部補と相棒の閑谷が、今度は都知事選に絡む候補者の交通事故死を調査。法で裁けない新たな悪を追い詰める!

文庫書き下ろし

感想・レビュー・書評

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  • 前巻で、超能力を使った犯罪を摘発し裁判で有罪にしたメンバーで「特殊八係」が発足した。都知事選挙戦で、現職の知事の対抗馬だと目された二人の候補が次々と不審な交通事故で死亡する。背理犯罪のにおいを嗅ぎつけた特殊八係の尾島警部補たちは、街頭カメラに捉えられた怪しい男を発見し、背理犯罪との確証を強めていくが、物語は中途半端なところで突然終わる。次巻に期待というところなのか。でもねえ、結構分厚い一冊を読んできて、これはないよという感じだ。超能力者の犯罪を追うという面白い観点ながら、前巻より緊迫感がなく、なんとなくだれた感じがあって残念だ。進化の一端としての超能力者の増加という考えは面白いと思う。

  • 河合莞爾『カンブリアII 傀儡の章 警視庁「背理犯罪」捜査係』中公文庫。

    『カンブリア 邪眼の章 警視庁「背理犯罪」捜査係』の続編。文庫書き下ろし。

    前作の伏線と結末から間違いなく続編があると思っていたら、まさしくその通りだった。常識に反した能力を持つ人間による犯罪、背理犯罪を捜査する特殊八係に所属する尾島到と閑谷一大のコンビが再び奇妙な事件の謎を追う。

    またまた続きがあるようだ。というよりも後半に現職都知事とヤクザが共謀し、能力者を使った犯罪が暴かれるのかと期待したのだが、広げた風呂敷が回収されぬままに結末を迎えた。これは前作よりも酷いかな。

    都内の高速道路で対向車線にはみ出しトラックと衝突事故を起こしたり、選挙演説中の街宣車にタンクローリーが突っ込んだりと、都知事選の候補者が相次いで不審な事故死を遂げる。事故が能力者による背理犯罪ではないかと疑う尾島と閑谷は異常な能力を持つ犯人を追う。

    冒頭に描かれた22年前に久我山で起きた一家惨殺強盗事件との関連は……

    本体価格840円
    ★★★★

  • シリーズ2作目。
    前作でコンビを組んだ尾島と閑谷が、改めて警視庁に設置された特殊八係に配属になり、現在の科学では証明出来ない「背理犯罪」に挑む。
    東京都知事選を控えたある日。候補者の一人が車の運転中に反対車線に飛び出し、トラックと正面衝突し、死亡する。
    その翌日。別の候補者が新宿駅前で演説中に暴走したタンクローリーに轢かれて、死亡する。
    自殺と事故と判断された2つの事件だったが、尾島と閑谷は捜査一課長の命令の元、「背理犯罪」の可能性があると考え、捜査を続ける。
    前作では、手を触れることなく、人間の内臓をつぶすことが出来る能力を持った人間が犯人だったが、今回の犯人は人間の体自体をハッキング出来るのではないかと考え、それらしき人物の存在にまでは行きつくが、真実は明かされないまま、次作に…
    他の人も書いているが、確かに話を広げた割には何も回収せずに終わるのは良くない。でも、個人的に好きな作者さんで物語の展開には絶対的な信頼を置いているので、続編に期待。
    読んでいて、ドラマの「SPEC」のような印象を受けるのは私だけだろうか…
    現在の科学では証明出来ない能力に、尾島と閑谷がどう立ち向かっていくのか?早く続編が読みたい!

  • 背理犯罪だけでもどうなるかと気をもたせているのに、事件が大きくなり過ぎて「これ上下巻あったっけ」と読み終えて呆然とした。

  • この無敵の能力者とどう立ち向かうのか。多くの同様の物語と同じように最後は結局能力者同士の闘い、善と悪という構図になってしまうのか。次が楽しみだが、それまで話を覚えていられるだろうか。

  • 都知事選の有力候補者が立て続けに事故死した。そこに「能力者」の存在を感じた尾島と閑谷は捜査を進めるが、思わぬ障害が……? 文庫書き下ろし。

  • シリーズ第二作。都知事選のライバル二人が死んだ。運転が思うようにできなくなったり、車が突然襲って来たりして。超能力者による背理犯罪なのか? すごく面白かった。超能力者による犯罪だとどうやって認定するのか、どうやって逮捕するのか、公判維持できるのか?そういう痒いところ全てに手が届いてる。 現職知事が学歴詐称したりできもしない公約をぶち上げ一つも実践できないなど、あの都知事をモデルにしてるとか思えない。彼女に対してかなり批判的なのが作者の考えなのだろう。 結末は次作に続く。

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著者プロフィール

河合莞爾
熊本県生まれ。早稲田大学法学部卒。出版社勤務。
二〇一二年に第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞し『デッドマン』でデビュー。他の作品に『豪球復活』(講談社)、『デビル・イン・ヘブン』『スノウ・エンジェル 』『ジャンヌ』(祥伝社)、「カンブリア」シリーズ(中央公論新社)などがある。

「2023年 『カンブリアⅢ 無化の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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