嗤う伊右衛門 (C・Novels BIBLIOTHEQUE 73-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 518
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784125006031

感想・レビュー・書評

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  • 悲恋絡まる純愛

  • 四谷怪談。お岩さん。目の上がただれた幽霊。それくらいの知識しかない状態で読みました。京極夏彦は姑獲鳥の夏を読んでそのオチはないだろう!と思ってちょっと敬遠してたんだんだけど、この話は良かったです。
    登場人物、オリジナルの人はほとんどいなくてみんな原作にもいる人達なんですね。それをうまく使って生き生きと見せているところがすごい。
    お岩さんの凛とした態度がカッコいい。最後は切ない。
    でも、映像で見たら怖いんだろうなぁ。

  • 物語は流石京極夏彦、原作を巧みに組み直し、読み応えある作品になっている。
    しかし、伊右衛門、岩の主人公らが、実直、正しさという性格を貫き通す様は、読んでいて偏執狂かくあらんと思うほどで、とても感情移入出来るものでは無い。
    結局最後まで主要人物の行動に自分なりの納得をつけられず、少々消化不良。

  • 一気読み~。伊右衛門がもっと堅物かと思ったら岩との心が通じなくて自問自答し迷い悩んで殴られて・・・と、実直で人間味溢れてる(溢れてるか?)けど散々です。2人の想いがすれ違い続けていて、もどかしい、哀しい。そして最後の方でよく解らなくなった。それって直助なのか岩なのか?いつの間に岩はそこに??またいつか忘れた頃に読んでみたら解るかなぁ。

  • 四谷怪談も京極にかかるとこーなっちゃうんですなー
    伊右衛門も、岩も、梅も、宅悦も今までのイメージとは全然違う人間像。
    しかも、みんな人間が描けてる。
    あと、会話の調子が気持ちいいっす。
    ただ、怪談っても怖くはないです。
    でも、おもろいけどね。

  • おもしろかった。又市さんが出てるって知ってたらもっと早く読んでた。なんか又市さんの話聞いたことあった気がする。巷説でもちょっと同じこと話してた…?相変わらず文章がとても美しい。映画も見てみたい。

  • 大事な場面の心理描写がカットしてあるので伊右衛門の心の細かな移ろいが分からず不安になる。とにかく伊右衛門ががたがたと、尚且つ静かに狂っていく様が怖かった。惨劇のあと、狂った伊右衛門がとる行動を見ていたらものすごく寂しくなった。
    結局岩はあの箱に生きたまま自分から入ったのか、それとも死んで入れられたのか・・・

  • 幽晦との境界が?破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。ならばそこから夜が染みて来る。生まれてこのかた、わらったこともない生真面目な浪人、伊右衛門。疱瘡を病み、顔崩れても、凛として正しさを失わない女、岩?。江戸の闇に開く悪の華、怪談世界に異才が挑む。第25回泉鏡花文学賞受賞作品。

  • 悲しく恐ろしい怪談話。京極夏彦の濃い日本語が詰まった小説は、活字中毒の私にはバーボンのストレートのようにキツく染み渡り、飢えが収まります。

  • 不器用ですぎるほどに毅然としたお岩さんのなんと美しいことか。壮絶なラストに恐怖より涙しました。二人の愛は成就したと信じています。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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