「明治」という国家〔上〕 (NHKブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140016824

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎が解釈するところの明治史観が描かれている。この人は基本的に明治維新に対してポジティブなんだよね。(著作を読めば、そりゃそうだろうって感じだけど)

  • まず、この本は中立の立場から書かれているわけではなくあくまでも司馬氏が中心となって書かれていると感じた。しかし、幕末から明治に入るまでの国内の大まかな状況や、重要な外交や政治家が取り上げられている。明治という時代がいまいち曖昧だったので改めて見直すいい機会になりました。新政府へ切り替わっても江戸以前から作りあげられていた日本を覆すまでのセクションが見応えアリ。

  • [ 内容 ]
    「明治」は清廉で透きとおった“公”感覚と道徳的緊張=モラルをもっていた。
    維新を躍進させた風雲児・坂本龍馬、国家改造の設計者・小栗忠順、国家という建物解体の設計者・勝海舟、新国家の設計助言者・福沢諭吉、無私の心をもち歩いていた巨魁・西郷隆盛、国民国家の形成を目指したかれら“明治の父たち”は偉大であった。
    本書は、明治草創の精神を捉え直し、「明治国」という人類普遍の遺産を巨細に語りつくす。
    これは、著者畢生の日本論であり、鮮明な日本人論である。

    [ 目次 ]
    第1章 ブロードウェイの行進
    第2章 徳川国家からの遺産
    第3章 江戸日本の無形遺産“多様性”
    第4章 “青写真”なしの新国家
    第5章 廃藩置県―第二の革命
    第6章 “文明”の誕生

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 司馬遼太郎が、明治に新しい国家を設計・建設した人々の志の高さと気概について講演した内容をまとめた本。

    NHKブックスらしい、実践的な教養を真摯な読者へ、というニーズにはうまく合致している。リラックスして読むのにちょうど良いが、司馬の愛読者であれば改めて手に取るほどのことはないだろう。

    勝海舟、小栗上野から伊藤博文に至るまで多くの人のエピソードが、あちこち飛び火しつつ紹介されている。

  • 「明治」というのを今一度見返した作品。司馬遼太郎が語りかけるような文体で非常に読みやすい。
    「明治」という時代は、「コレコレこうする」といった青写真無しに、世界的な時代の流れに伴って出来上がった時代。司馬曰く、青写真があったのは坂本竜馬のみ。そんな中、明治という時代が整っていったのは、各藩(主に薩長土肥)の風土がうまく違ったためだった。
    天下をひっくり返した侍が、廃藩置県など侍を否定する政策を大きな反乱もなく成し遂げていけた理由と、そこに携わった侍の感情が見えてきた本だった。

  • 司馬史観おもしろいです。読みやすい明治概説。

  • あれだけ幕末・明治を書いてた人やから説得力がある。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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