- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140056240
作品紹介・あらすじ
愛する友やアーティストへの敬意、家族との思い出、災厄や惜別までも、受け止めて、生きる-。悔いなき「人生の旅」をゆく著者最新のエッセイ・アンソロジー。
感想・レビュー・書評
-
阪神淡路大震災後について。家族との日常、思い出、日々感じていることなどを綴ったエッセイ。
夜寝る前に少しずつ読み進めていました。
いろんな人のエッセイを読んできたけど、やっぱり自分にはばななさんのエッセイが一番しっくりくる。
20代、30代、40代と…いつ読んでも心地よく、言葉がスッと心に入ってくる感じは変わらない。
考え方に共感したり、和んだり、しんみりしたり。気になるフレーズもたくさん!
読んで少し元気をもらえました。
以下、本文から抜粋
『自分の人生は自分のものだ』
『そのときはなんでもない、いつもそこにあるどうでもいいようなものでも、なくなってみると大きな思い出としてずっしり残るものがある』
『一瞬でもいいし、軽い力でもいい。でも本気でだれかがぐっとそこにいてくれたら、人はなんとかなる。人には人の力が必要なのだと思うし、人にしてあげたそういうことが積み重なっていつかその人を救うと思う』
『義務感でいやいややらなくてはいけないことは、ひとつやふたつ人生にはだれだってもちろんあるだろう。それはなるべくさくっと終えて、楽しいことに少しでも近いことを多くやるようにする。すると、なぜか効率がよくなるし気持ちが明るいからうまくまわるようになるのだった』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
よしもとばななさんの考え方が好き。
自分の人生は自分のものであるべきで、自分で方向性を決められるよう、常に判断を研ぎ澄ませておく。でも頑張りすぎず、理想を追い求めて周りに期待しすぎないよう。波に乗るように生きていく。
そんな生き方を志し、私たちを律してくれる。
また人生の途中で読み返そう。
63/100 -
心に響く文章、自分でも文章が書きたいと思わせてくれます。
読む前と読んだ後では、きっと生きやすくなっている点で、違う自分になれているはず。
非常に軽やかな読み心地で、厳しい現実ともとれるのに、気が滅入る感じがしない。
生命力に満ちていながら、他者への共感、尊敬の念が根底にあって、読みながら心の余計なものがどんどん落ちていくような感覚を覚えます。
私も他者に学ぶこの人の姿勢を、学びたい。
本当に魅力のある人が書いた文章には、何か特別な力が宿るのかもしれない。
大切なものを込めて書かれた本なのだと思う。 -
よしもとばななのエッセイは初めて読むのかな。女性らしい独特の感性で、正直戸惑うことのほうが多い。
全体として感謝してるものたちへ といったタイトルが似合いそうな内容で、いろんなことを分かち合えれた幼馴染とか風邪のときに料理を送ってくれた知り合いとか忌野清志郎さんとか河合隼雄さんとか感謝の言葉が綴られるのだが、個人的な人の話は、「それはよかったね」としか言いようのない自慢話を聞いてるみたいだ。
基本に深い苦悩の中にいるばななさんがいてそれを救ってくれた人たちという話になってるものが多い。その苦悩の部分は共感するところがあって、ちょっと独特の世界になっている。
印象に残ったところ2つ。
「私が三十代後半になったある時期から突然、なんとも言えない雰囲気になるようになった。しょぼくれたというか、もりさがるというか、あるべきものがないとしか言いようのない雰囲気だ。」
これは子どもがいないで年寄りばかりになるるしょぼくれ感ができてくる。そういう時に子どもができて一気に盛り上がるだした。子どもの存在感は大きい。そういうことはあるかもしれない。
「いいじゃないか、その場のいいことが見つけられれば、生きてるかいもあるっていうものじゃないか。そう思えたら、風邪だろうが寝不足だろうが失敗しようが、なんでもないと思えるようになった。その日の私はそうだったんだから、しかたない。原因があって改善できるものなら、次回直せばいい。軸を架空の自分ではなく、たとえだめな自分でも今の自分に置くこと」
あるのは今と今の自分だけという認識を深める ということ。よく言うことだけど覚悟のようなものを感じる文章です。
「今は今のベストをつくしかない」と書いている。 -
「下北沢について」に続いて2冊目に読んだよしもとばななさんのエッセイ(小説のほうは過去数冊読んでいる)。
この本はシリーズの2巻目だが、短編エッセイ集なので各巻を順番に読む必要はなさそう。
「下北沢について」よりも全体的に少し重めで、命に関するテーマ、とりわけ東日本大震災やご両親のことに関連する短編エッセイが並んでいた。
テーマが重いといっても読んでいて気持ちが落ち込んで仕方ないというものではなく、また短いのでサクサク読めた。
普通の人であれば見逃してしまったり言葉にできなかったりするであろう出来事や思いをきちんとすくいあげて、深いところまで丁寧に言葉で紡いだようなエッセイで、だからこそ短くても一つ一つちゃんと染みてくる。
よしもとさんが体験した出来事から感じた「命の手触り」のようなものを、読み手である自分も確かに感じることができた。
そんな抽象的なものを読み手に追体験させることができるなんて、よしもとばななさんの文章ってすごいなぁと思った(小並感)。
シリーズの2巻から読んでしまったので、1も含めほかの感も読んでみたいと思う。
-
2020.2月。
1読んでないけど。大事なことを見間違わないように、日々を生きたい。 -
沖縄で読んだ。一々胸に刺さった。
-
10年ぐらい前、まだSNS無き頃、ばななさんと繋がれるサイトがあった。当時、誰にも言えない悩みを、文字通り、藁にもすがる気持ちでダメ元で打ち明けたら救い上げてもらえた。奇跡だった。あんなふうに自分のことを許せる、誰にも譲れない大切な部屋に新鮮な空気が入る。拘りの分量をなるべくゼロにしつつ、自分の気持ちを大切にする事を、とりあえず好きになる事が大切なんだと思い出す。何度も何度も忘れる。そして思い出す、私の人生の旅は、その繰り返し。
-
エッセイ。疲れているときにこの人の文章を読みたくなる。
-
1冊目に引き続き、生とは何か、死とは何か、人間臭さとは何かを問い続けているよしもとさんの姿がそこにはあります。僕も人間臭く生きたいです。