資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか (NHK出版新書)
- NHK出版 (2013年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140884003
感想・レビュー・書評
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利子率革命
大局観
資本主義の今後は気になる
世界経済の飽和 -
法的には資本主義、システム的には……もはや資本主義の終わりの始まりになっているのが今なのでしょう。
社会学者と経済学者の対談で、この社会の中で経済がどのように機能しているかを立体的に考えることができました。
個人的には、世界史に全く疎いので、16世紀の話について行くのがやっとでしたが、確かに、今の経済状態も歴史の積み重ねの上に成り立っているはずですから、歴史と重ね合わせた方が理解しやすいのでしょう。
今までと違う角度で資本主義を見ることができました。
世界史の勉強、もっとしておくんだったなぁ、とつぶやき……。 -
資本主義の本質を蒐集(博物館)の論理と捉える点が面白いが、その蒐集の論理がなぜ生じたかは、更なる検討が必要。
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資本主義の「暴力」とか、「必然」なんてタイトルだったら買わなかったと思う。惹かれたのは「謎」というタイトル。帯に挙げられている「謎」は次のようなもの。曰く「なぜ西洋で誕生したのか」、「法人の起源はどこにあるのか」、「利子率革命とは何か」、「成長なき資本主義は可能なのか」。
ぼくの浅薄な知識によれば、最後の「謎」には「否」と即答することになる。但し、門外漢のぼくが即答するようなレベルのことが、わざわざ「謎」として例示されているはずもない。「もしかしたら可能性があるのか?」という興味から購入。
読み終えてみると、高校時代に読んでいたら経済学を志したかもしれないと思うほどに面白かった。あるいは、面白い学術系書籍によくあるように、読者のもつさまざまな学習体験とうまくリンクすることで一層面白く感じられる本に仕上がっているということなのかもしれない。
個人的には前半の歴史的システム的考察がとくに面白かった。影響されて理論史系の本をたくさん買ってしまった。またひとつ、ぼくに新たな楽しみを与えてくれるきっかけになった本。 -
資本主義のこれまでとこれから。現代の資本主義はいかに成り立ち、今どういう局面を迎えているのか。
国家単位を基準に成り立った資本主義はグローバル化を迎えて(通貨交換を行う時代を迎えて)機能不全を起こしつつある部分もある。また、成長なき時代、フロンティア・外部がなくなりつつある時代でもあり、早晩、別のシステムを見つけなくてはならない・・・
問題の整理はいいんですが、その先を提示するのはやっぱり難しい。だからって最後は古市くんと桐島かよってツッコミを入れたくなるのも確かですが。