- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140884058
作品紹介・あらすじ
良い憲法を創るということ。それは、新憲法を制定することでも、憲法を改正することでもない。憲法の原理を理解した上で、そこから、想像力を駆使して、より良き国家・社会のルールを創造することなのである。それはいかに可能か。君が代斉唱、一票の格差、9条などホットな憲法問題を題材にして、気鋭の憲法学者が、先端的な憲法学の成果を踏まえながら精緻かつ大胆に考察する。これまでにないラディカルで実践的な憲法入門書。
感想・レビュー・書評
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日本国憲法についてわかりやすく述べられている。
憲法全般を扱うというよりも、いくつかのテーマに沿って憲法と照らして解説するといった内容。
判例なども豊富に紹介されていて、法律家の思考で憲法を学ぶことができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
残念ながら「思わず膝を打つ!」とか「目からウロコが落ちる!」という感じではありませんでしたが、所々興味深い論述はあります。
・君が代の斉唱強要は「そうまでしないと斉唱を確保できないほど指示の弱い国歌だ」という印象を与える(P.45)
・裁判員制度は憲法16条の「苦役」にあたる(P.114)
・日本的多神教では数ある神を場当たり的に利用することができ、宗教利用が生じやすい(P.134) -
『憲法を生きる』を読んでみたくなった。あの9条論はすごいかっこいい。
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実際の判決内容を記載し、それに対する筆者の理論を記載されているが内容がわかりやすい。
こういった裁判の内容は無意識に難しいものだと思い避けていたが、筆者の説明を読み一つ一つ読み解いていけば理解することができた。
又、憲法によって保証されているあらゆる権利についてもよく説明がなされており、本を読む前とその後では権利に対する認識が大きく変わった。 -
日本国憲法でどのような事柄の解釈が可能になるかを考察したもの。君が代問題とか政教分離問題とか。
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気鋭の憲法学者として、平安法制くらいのころからTVなどで見かけるようになったと記憶している。
生存権、1票の格差政教分離、9条、裁判員制度、公務員の政治的中立などの憲法上のメインの論点について、判例を批判的に検討して、護憲的立場から、憲法を護りつつ、その解釈とかによって、社会をもっとよりよくしていこうというアプローチをとっている。
各論点の結論はともかく、著者の判例をみる切り口は面白いものが多かったな。
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法律
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現在の日本国憲法に基づいた本書の論理展開は、一定の評価はできるものの、それによる結果が国家を滅ぼすことになっても、それを是とするような提言は、まさに専門バカ。タイトルに「創造力」とあるだけに、今の日本国憲法を守るとどのようなことになるか(つまりこれが、国を創る力=創造力)について、まともな議論を期待したのだが、全くの期待外れ。
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【簡易目次】
はしがき――憲法を創る 003
序章 憲法とは何か? 017
第1章 君が代不起立問題の視点――なぜ式典で国歌を斉唱するのか? 029
第2章 一人一票だとどんな良いことがあるのか?――クイズミリオネアとアシモフのロボット 053
第3章 最高裁判所は国民をナメているのか? ――裁判員制度合憲の条件 083
第4章 日本的多神教と政教分離―― 一年は初詣に始まりクリスマスに終わる 117
第5章 生存権保障の三つのステップ――憲法25条1項を本気で考える 149
第6章 公務員の政治的行為の何が悪いのか?――国民のシンライという偏見・差別 183
終章 憲法9条の創造力 213
文献案内 225
あとがき 232