- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885178
感想・レビュー・書評
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司馬文学の豊饒な世界から「歴史の本質」を鮮やかに浮かび上がらせた決定版。
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これまで歴史には全くと言って良いほど関心がなかったのだが、磯田氏の『英雄たちの選択』を観てとたんに日本史が面白くなってきた。この人は歴史の魅力を伝える天才である。
番組では磯田氏は人の話を聞くのが中心で、自身の発言は少ないのだが、この本を読むと番組作りにおいて中心的な役割を果たしていることがよく解る。本書で取り上げる人物や歴史感が『英雄たちの選択』そのものである。
実は司馬作品も今まで読んだことがないのだが、無性に読みたくなってきた。中学、高校に磯田氏のような先生がいたなら自分のような歴史に無関心な生徒はいなくなるのにな。 -
司馬遼太郎は古き良き日本を描く人なのだと思っていた。でも磯田さんの読み解きは、司馬さんの戦地での経験が大きく影響し、日本陸軍の非合理性に物申したかったのではないかと考える。なるほど、主人公に据えるのは非合理性を打破する人が多い。何を書いたかは知っていても、なぜ書いたかは考えたことがなかったので面白く読んだ。
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戦国、幕末、明治、昭和20年までの4つの時代について書かれてました。
「明治人が目指した坂の上の雲は、いくら坂を登ってもつかめない」、「昭和ヒトケタから20年までは『鬼胎(=鬼っ子)』の時代で、日本史上の特異な非連続の時代であり、その原因はドイツから取り入れた統帥権だった」というのがエッセンスのようでした。 -
まぁ微妙な違和感を覚えなくもないですが、司馬遼が国民作家であることは否定できない厳然たる事実。そして日本国民の歴史観に一定の影響力を有していることもまた疑いない。故にそんなに外したことを指摘している訳でもなく、ごく当たり前のことを改めて書き出したといったところですか。
しかし、確かに司馬遼が大正末期から敗戦までを題材にした小説を書いたらどんなものが出来たのかな?無いものねだりだけど興味があるなぁ。 -
本文にはないですが、統帥権とは、錦の御旗?日本人は、天皇の後ろ盾が好きなのですかね?
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小説からは歴史は学ぶなとは言うが、歴史から人生や国の指針を学ぶとするならば、司馬さんの小説はそのきっかけになり、人間とは何かを考えることができそう。
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東京から大阪に行く新幹線の中で読みました。
ひとつの見方として司馬遼太郎の作品から歴史を見る視点は面白かったです。
ただ少し強引なところもあったように思いました。 -
かねてから司馬作品を少しずつ読んで、いずれは読破、なんて夢見てはや何年。未だに完遂できずにいる。本書は、司馬遼太郎作品の全体像、魅力を歴史学者の立場から分析し私の様な無学者にもわかりやすく紹介している。司馬先生が本当に言いたかったこと、そしてその司馬史観が、各作品にどう反映されてるのか、これから司馬作品を読む上で、有益なガイドとなる頼もしい地図を手に入れたような気持ちだ。