幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF 341)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150103415

感想・レビュー・書評

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  • 1952年に出版されたのだから、65年前の作品。流石に情景描写など古臭い。ひねりの効いた人類絶滅テーマの傑作。全き絶滅では無いのだが、人類史の終焉と言う意味では同じで、却って哀しい。

  • 人間は神から生まれたのではなく、自然発生的に生まれ、その終焉において、神の管理により秩序を与えられるのでは無いだろうか。この小説を読んでいて、そのように感じた。確かに、民族紛争を解決できず、不満なく安全に共存するメカニズムの形成において、我々は未熟だ。野蛮人、未開人とすら言えるのかもしれない。しかし、同じ程度の力を持ち利害対立した個人や組織が、その解決に労力を使い、人類全体、いやもっと小規模な人間関係において、非生産的な行動を取る図式に陥るのは、種の存続においては仕方の無い事である。我々は常に、優秀さを競い、そしてそれを振るいより多くのカロリーを得なければならぬのだから。

    そこで、この解決に必要なのが、別の上位種族による、導きなのである。物語における、上空に留まる宇宙船が象徴的だ。異次元の存在により、ようやく我々は争いをやめる事ができるのである。

    文句無しに面白い。しかし、私はこの話の夢を見た。読み始めて、そのまま寝てしまったのだ。こんな事は初めてだった。そして、物語の象徴的なシーンを浮かべ、示唆的な恐怖に囚われてしまった。

  • この「古くならなささ」は、すごい。

  • 初クラークSF。読み応えがあり、筋が良く練られていてそして予想もつかぬ展開と結末。さすが。
    不気味な予感に続きが読みたくて仕方なくなります。そしてこんな結末だとは。
    人類とは、知性とは、宇宙とは……

  • どんでん返しっぽいけど、アーサーCクラークってこのパターンがおおい。思考実験としての側面は面白いと思う

  • 「オーバーロード」と「オーバーマインド」
    今の人類はどちらに向かっている?
    どちらもやってくるかも!?
    約30年経った今でも新鮮な作品です

  • 50年以上前に書かれた作品だけど、まさにSF史に残る傑作。さすがに訳文がいささか古臭く感じるけど、当時、この内容の作品が書かれたことに驚く。ありきたりなSFにありがちの表面だけ賑やかな小説とちがって、こちらは哲学的でさえある。明らかにこの小説に影響を受けた小説やハリウッド映画も見受けられるし、後世に残した足跡は大きいと思う。

    ・プロローグ
    ・地球と上帝たち
    ・黄金時代
    ・最後の世代

    の四部からなる構成で、それぞれの章で少しずつ時代が進んでる。その時代の中で生きる人々の生活や思想なども上手く描かれていて、なるほどなぁ、と思う記述も多々あり、作者クラークの深い洞察力に驚かされた。

    ラストはハッピーエンドと言えるのか、言えないのか・・・微妙なところだけど、宇宙の未来、宇宙を動かしている神?(のような存在)に想いを巡らせてしまうような余韻の残り方。まさに哲学的な内容。

    ☆4個(訳文が良ければ5個)

    いわゆるハードSFに分類される小説だと思うけど、読書慣れ(SF慣れ)してない人がいきなり読むと、けっこう辛いかも・・・。自分も高校時代に友達に薦められて読み始めたけど、第一部・地球と上帝たちの章で投げ出してしまった。
    今回、読了することが出来て満足。

    背表紙~
    人類が宇宙に進出したその日、巨大宇宙船団が地球の空を覆った。やがて人々の頭の中に一つの言葉がこだまする-人類はもはや孤独ではない。それから50年、人類より遥かに高度の知能と技術を有するエイリアンは、その姿を現すことなく、平和裡に地球管理を行っていた。彼らの真の目的は?宇宙知性との遭遇によって新たな道を歩みだす人類の姿を、巨匠が詩情豊かに描きあげたSF史上屈指の名作。

  • 1953年に初版と知ってビックリ。有名な古典SFの名作でもある。地球に宇宙人が来て全ての面において高度な文明進化させる話だが実は目的があり…派手なアクション系はなく、淡々と進む物語。そして刹那的な寂しいラスト。今読んでも古臭さは感じない。

  • 人類が国家の威信をかけ宇宙進出を競う話、、のような出だしから
    突如圧倒的科学力の宇宙人がやってきて地球を管理し始める。
    地球から争い事は減り、生活も豊かになって行くが彼らの目的が分からない…
    その謎が一つの大きなテーマです。
    加えて、ユートピアで暮らす人々の思考や地球を飛び出そうとす青年のる冒険劇
    要素もあります。
    人類、というか生命の進化の方向性を描いていますが、今読んでも納得感がありさすがクラークという印象。

  • 分けられた3章により,読者の視点は当事者,一歩引いた第三者,そして世界を俯瞰した神,と移りゆき,最後にカタストロフに導かれる.成熟した幼児性を,手を変え品を変え提示され,自らの足下を見,恥じ入るばかり.

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