幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF 341)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150103415

感想・レビュー・書評

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  • 訳:福島正実、原書名:Childhood's End(Clarke,Arthur C.)
    プロローグ◆地球と上帝(オーバーロード)たち◆黄金時代◆最後の時代

  • どこかの書評で読んだけど、前半の俗っぽい感じと後半の突き抜けた感じの差が結構激しいかも?
    前半は昭和28年に書かれたということを考慮するべきだろうけど、後半は今でも十分問題ないのはさすが。
    1990年代に前半部を書き換えたバージョンもあるらしいけど、それでも後半は完全にそのまま使えてるはず。
    オーバーロードの姿、というのはキリスト教世界を念頭に置いた一発ネタ、と思いきや、一応最後に説明してるのもさすが。

  • SF

  • 人間が30兆個の細胞から一個体を構成していて、それぞれの細胞の生き死ににはこだわらない所が、人類の次のステージと重なった所が感慨深かった。人類の意識が集合して統合するのは一個人にとっては恐ろしい。一個体として意識を持ち、文明を発展させていくオーバーロード達の方が幸せだと感じる。

  • <目次>
    プロローグ
    第一部 地球と上帝(オーバーロード)たち
    第二部 黄金時代
    第三部 最後の世代
    解説/福島正実


    2016.08.22 14歳の世渡り術
    2016.09.15 読書開始
    2016.09.21 読了

  • 【由来】
    ・千夜千冊でチラ見して、そんなにすごかったっけ?再読してみたいと。

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】
    ・ある意味、サイキックなエスパーオチかいという気がしないでもないが、壮大。クラークだから、もっと人類賛歌的な感動があるかと思ったが、そうではなく、ホモ・サピエンスの終焉が描かれている(でも人類の終焉ではない)。

    ・幾世代にもわたる叙事詩であるため、壮大感はある。しかし、ゼノギアスのカレルレンって、本書が出典だったんやな。

    ・富野監督がガンダムで2001年宇宙の旅を超えると豪語し、高千穂遙に、その前にSFちゃいますやんと論破されたのは有名な話だが、本書におけるホモ・サピエンスの覚醒はニュータイプというコンセプトに影響を与えているんじゃないかなあ。

    ・正剛さん大絶賛だが、自分的には、壮大だけど、でもちょっと...というのが正直なところ。

    【目次】

  •  情感溢れる文章と科学や機械に対する作者の造形の深さが伺える描写。読み終わってからも、私の行動がクラークの美しい文章であらわせるんじゃないかと思ってしまう。それほど世界に没入してしまった。
     一読してこの本の全てを分かったとは思えない。伝えたい事、裏側を読み取れてはいない。まるでそれは人類がオーバーロードの真意を、オーバーロードがオーバーマインドの真意を読み解けていないように。
     
     今作では宇宙人が来たらどうなるかということより、恵まれた争いのない豊かな世界で人々はどのような暮らしをするのかが面白かった。
     オーバーロードは差別や貧困をなくした。アフリカでは人種差別が甚だしかったのだが、総督はアパルトヘイト政策をやめなさいと警告をし、従わなかった政府が何もしないでいると、太陽がケープタウンで子午線を通過する30分の間、太陽を消してしまった。これにより差別はなくなった。
     闘牛をなくしたときは、闘牛師の槍が牛に刺さった時の痛みを、見ている人全てに一瞬だけ味あわせた。これだけで闘牛は地球から姿を消して、政府は新たな国技にクリケットでもしようかと提案した。
     オーバーロードの艦艇はロケットを撃ってもかすり傷もつかない。そこしれぬ恐怖に国達は慄き、言いつけ通りに戦争はなくなった。
     富は倍増して、犯罪も争いもなくなったが、文化は今まで人類が経て来たどの年代よりも上にはならなかった。人々は文化の火種を絶やさずに大きくするために、芸術家だけのコミュニティーのニューアテネを作り出した。
     その後に、世界中の子供達に特殊な能力が出て、オーバーロードの目的が明かされる。オーバーロードはオーバーマインドの指図で動いていたこともわかる。オーバーロードは人間の超常現象を理解できずに、その力が進化すると宇宙に対して良くないことが起きることを知っていたので、地球にきて阻止した。人類は自らの力で破滅を阻止する方法を知る事は出来ない。
     オーバーロードはもう成長はできない。地球人はその新しい能力で最後の成長を手にして、遊びで自分たちの故郷である地球を消す。
     
     私はクラークの地球に対する扱いに対してまだ理解していない。ちっぽけな物として書いたのか、それとも重要だが代替可能な物か。化学、文化、人間、意識。この中でクラークが最後に残したのは、意識か。だがそれは認識できるものではない。そんなものはロボットと変わらない。
     やはり分からない。でもいつか分かるようになる。この本はそう思わせた。

  • 「2001年」にもつながるテーマだが、こちらのほうが詩情的。「ノーライフキング」の元ネタになっているような気もする。さよなら人類。

  • ほぼ20年ぶりの再読。というか、正確には以前読んだのは創元文庫版だったはず。内容をほとんど忘れていたので、とても楽しめた。
    初めて読んだ当時はSFを知らない人にも薦められたが、今ではちょっとしんどいかな、ということで、★4つ。
    最近、新訳がでたらしい。
    <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433475144X/tobiraya-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/01y52uJWE0L.jpg" border="0" alt="幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433475144X/tobiraya-22/ref=nosim/" target="_blank">幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)</a><br />クラーク 池田 真紀子 <br /><br /></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table>

  • SFの古典的傑作。ある時高度な知能を持った異星人が地球にやってくる。侵略や居住のためではなくそれはある目的をもっての人間社会の観察のためだった。

    実際に惑星間を移動することのできるようなテクノロジーを持った異星人が現代の地球人を見れば非常に下等な種族であると認識するだろうし、それを支配したいとか侵略しようという意識は持たないだろう。たとえば、人間が蟻やミジンコを支配したり、奴隷にしようと思わないように。

    最終的には人類と地球の終焉まで描かれているのだが、1970年代にここまで未来を描写できたアーサー・C・クラークのこの小説は今読んでも全く色あせることがない。驚異的な傑作。

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