幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF 341)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150103415

感想・レビュー・書評

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  • 人間の精神的な成長過程において所謂「大人になる」ということとはある種の自己中心の一側面、「自分は本当は特別(な人間)なのだ」という慢心からの脱却である…とするのであれば、本作はその普遍性を人類含む種族そのものにまで拡張し当て嵌め何重もの意味で「幼年期」としている(ようにみえる)のが非常に面白く思う。今でもそこに無視しきれないリアリティを感じるのはやはり著者の学びと洞察の賜物なのだろうか。

  • クラーク最高

  • 第65回アワヒニビブリオバトル「ミステリー」で紹介された本です。オンライン開催。
    2020.06.07

  • オーバーロードと出会ったばかりの頃である第一部を読んでいる時が一番楽しかった。まだ幼年期であるこの世代の人々が最も私自身に近いからだと思う。共感しながら読めるのだ。
    何が隠されているのだろうと恐れながら読んだが、科学を超えた力がその上に君臨しているなんて考えてもみなかった。たしかに努力ではどうにもならない世界だ。
    地球人類の終わりもそうだが、オーバーロード達のこれまでとこれからのことを考えて絶望感に打ちひしがれた。本当に突然変異でもしない限り、流れを変えるのは難しいのだな。
    結果的に、地球人類は自滅の期限を少し延ばしたというだけだった。宇宙規模で見れば。それがまた虚しくもある。
    時代によって語り手が変わっていったが、最終的にはカレルレンの背中の哀愁が目に浮かぶようだった。最後の光を放つ星と、静かで深い宇宙のコントラストはきっと美しいだろう。

  • ずっと前に読んだことがあるはずなんだけど、後半の展開はまったく覚えてなかった。そのおかげというかなんというか、衝撃の結末だった。人類の未来について書かれた作品は星の数ほどもあるけど、ユートピアとかディストピアとか、希望とか絶望とか、そんな物を超越した未来。種としては高次元の存在になったんだろうけど、それがいい事なのか私にはわからない。

  • 序盤はやや読みにくく感じましたが、慣れてくるとどんどん読みすすめられました。

  • 宇宙人到来!「インディペンデンスデイ」ばりの衝撃!でも何もしない。宇宙船からじっっっ…と見てるだけ。という入りがまず不気味で一気に引き込まれる。「え…何しに来たん???」「どんな姿なん???」「つかどっから来たん???」という状態から何十年もかけて人類とコンタクトを取っていく。少しずつ少しずつオーバーロードの正体が分かっていったり、地球文明も宇宙人ことオーバーロードたちと関わっていくうちにいろんな発展を遂げていき、最後はとんでもない所まで話が進んでいくのでじわじわ面白くなっていくタイプの作品。言語化が難しいのだが、現在までSFだけに限らず色んな作品に影響を与えたらしく、発表当時はかなり画期的だったのではないかと思われる。正直、既視感がすごいけど「この作品だとこの展開に対するカウンターがあるな」とか「この作品はここをオマージュしたのかな」など他作品の考察もできてなかなか面白かった。では他作品と比べて元祖とも言える本作はというと、展開に対するド直球さが逆に全然わざとらしくなくてスッキリするし、文章がとっても詩的で美しい。一周回ってむしろ新鮮に思える。

  • クラークは20代の頃に何冊か読んだが、「幼年期の終わり」は今まで読まずじまいだった。人類の幼年期が終わる様子に結構な衝撃を受けた。でもきっとそうなんだろう。進化は福音であるのと同時に強烈な喪失感を伴うのだ。

  • 想像しなかった終末の到来。若い頃に読んでいたら、この感動はなかったかも。

  • 圧倒的存在である地球外知的生命体に支配された人類。その目的が分からないまま平和的な完全統治下に置かれて人類は無目的で安全な時代を迎える。そしてその時期を超えて更なる高次元の存在へと変態するために、まさに人類は幼年期の終わりを迎えていく。圧倒的なスケールと宇宙の情景、ハッピーエンドやバッドエンドを超越したラストシーンは圧巻だった。

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